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67 コンペイトウ、金平糖

ご無沙汰です。更新遅れてごめんなさいm(_ _;)m


そしてブクマ100件突破です!!

本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします(_ _)

「はじめまして、ミアさん。ヒヅキと申します。トウカの母です」


…………。


な、なんですとーーー!?!?


確かに似てると言われれば似てる。

あ、よく見ると口の感じとか鼻筋の様子は幼いときのトウカにそっくりだ。逆に何故気が付かなった、私よ。


「ごめんなさい、ジンと戦わせる形になってしまって。どうしてもトウカの気持ちが知りたくて……」


なるほど。私とジンさんが一戦交えることでどうトウカの気持ちがわかるのかは私にはわからないけど何かあったらしい。お役に(?)立てたなら何よりです。


それにしてもだ。やはり美しいのは基本なのね……。ツキミさんやレイナさんももちろん綺麗だけどヒヅキさんは格が違う。まとっている雰囲気まですべてが完成されている。こんなヒト捕まえてくるなんて……ジンさんは流石だ……。

でもじゃあもう確定じゃん? トウカが成長するに連れてどんどん浮世離れしたお顔になってきてるの。そりゃあこの親たち持てば誰でもなりますわ。遺伝というのはね、恐ろしい恐ろしい病気なんだよ……。自分ではどうすることもできないからね。


私はこちらの世界の実際の親を知らないからわからないけどまあこの顔を見るに……とんでもないヒト達ではなかったとうかがえる。てか私に親はいるのか? まず根本的な問題、そこからだな。常識的に考えていないほうがおかしいけど、私のこっちの世界への登場の仕方を考えるといるほうがおかしくなってくるし……。色々複雑過ぎないか?

ま、今こうして自由(?)気ままに動けてるんだし結果良ければ全て良しだ。


「ミアさん、こんなトウカですがこれからもお願いできますか?」


「は、はい!」


おっと、いけないいけない。思考が違うところに飛びまくって何話してるのかわからなくなってた。


「っていうことだ、ミア! ほら、魔石も手に入れられたことだしい早く行くぞ!!」


ぐいぐいと引っ張られる。何をそんなに焦っているのかと思いトウカを見上げてみると少し耳が赤い気がする。あ、こいつ照れてるな? 

やっぱりお年頃の時に友達に親を見られるのは恥ずかしいのかな。私はなんともないけど、前世では桜子がえらい嫌がってた思い出がある。桜子のお母さんは……まあ、いろいろな意味で癖が強かったね。私は嫌いじゃない。


「トウカ、トウカ。せめて挨拶だけでもしておかないと。それにレーイン達まだ帰ってきてないよ?」


「レーインとヴィスタは外で合流ということになってる。これ以上この場のいると一番被害に合うのはお前だぞ?、ミア」


ホワイ??


何故ですか? と問おうとしたところで答えはすぐにわかった。


「じゃあこんな繊細なお話はこれで終わりにして、トウカ、ミアちゃんを借りていくわね。先日私の実家から珍しいお菓子が届いたのよ。コンペイトウ? とか言ったかしら。一人じゃ勇気がいるから一緒に食べてくれると嬉しいわ」


そういい、いともそれが当たり前ですが何か? 感を出し、私を連れ出そうとする。


「……ミア、ついていったらまた当分帰れなくなるぞ」


はっ!! いけないいけない。危うく笑顔で後をついていくところだった。

だって金平糖と聞いて誰がついていかずにはいられよう。金平糖だぞ? 大事なことなのでもう一度いう。金平糖だぞ?


なんで金平糖が存在してて名前も同じである理由はおいておいて、前世のお菓子類で何が一番好きでしたかと問われると断トツで金平糖ですって言える。胸張っていえる。


よく私が金平糖を好きだと知っていて誘い手口に使ってきたな。やはり鬼人族族長の妻、恐るべし……。


「……ミア、いかないのか?」


くっ……。ちょ、、っと待ってくれ。まだ金平糖とのお別れが出来てないの。下手すると一生お目にかかれない代物感があるし……かといって今ヒヅキさんとお茶してると真面目に日がやばい気もするし……。


「はあ……。母上、申し訳ありませんがその金平糖とやらを少々ミアに分けてもらえませんか」


「あら、いいわよ。面倒かけたお詫びはこれくらいで足りるのかしら」


「はい。おそらくミアにとっては充分すぎるかと」


私の口に変わってトウカが代弁してくれる。

ああ、本当に私のことがわかりきってる友人ってなんて頼もしいのだろう……。すべて私の心の中を読んでいったかのような代弁で……。


トウカの一言で着々と準備は進み、いつの間にか私の手の中には可愛らしい金平糖が収まっていた。


「残りの分は空間収納の方に入れておいたぞ。今は少ないがそれで我慢しておけ」


「あ、ありがとーー!!」


思わず感激のあまりトウカに飛びつく。

トウカはぐわっと後ろへ倒れ込みそうになったもののしっかりと私を支えてくれた。


一つ金平糖を口に入れるとほんのりとした甘みが口の中に広がり、溶けていった。

ほわわと一人なっていると後ろからトウカの咳払いが。


……ごめんごめん!!

感動で自分の世界へとダイビングしてしまっていたようだ。


この後は深々とお互いにお礼を言い合い、何事もなく(?)鬼ヶ里を出ることができた。

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