66 やばい、泣きそう……
皆さん知ってますか?
学生にはテストというものが存在しているんです……。
赤点取ったらやばいので一週間お休みをいただきます。ごめんなさいm(_ _;)m
次話は21日土曜日です。
そしてこの文章を2度見ている方、本当に申し訳ありません……。
この話を投稿しているつもりでした。疲れているのだと思って許してくれると嬉しいですm(__)m
カンッと音がしてジンさんの木刀は遠くへ飛んでいき、私の木刀は綺麗に真っ二つに折れた。
「…………」
「…………」
どう、しよう。
折れちゃったら試合できないよね……。
どうしたらいいかわからず、ただ呆然と真っ二つになった私の木刀を見つめる。
ああ……。今回はちゃんと木刀を壊さないように慎重に行こうと思ってたのに……!! わざわざ何かしらの特殊な加工までしてくれているのに申し訳ない……。
やっぱり私の力だと普通の剣は耐えられないんだな。私の力っていうよりも魔法に? そんなバカ力ではないと思うし、私。
ここに来て改めてウィスターとチェスターのありがたみを知る。ふたりとも普段出してあげられなくてごめんね。広いところに行ったら存分に遊んであげるからそれで許して……!
「流石……ミアさんだ。まさかこの木刀が折られるとは思ってもいなかった。気づいているかもしれないがこれは簡単に壊れないよう、私が特殊加工しているやつでね」
やっぱりか!
私の予想は間違っていなかった。
「すみません……。つい力の入れ方を間違えてしまい……」
とりあえず許してくれと頭を下げる。
「はは、気にしないでくれ。折れたのならこの加工がまだまだ脆かっただけの話だ。それよりも今は、魔石の件ではないか?」
そう言われ、はっと思い出す。おいおい私!! 何故そんな大事なこと忘れてた? 一試合した理由って魔石渡してもらうためだったよね。
これは……渡してくれるのだろうか。決着がつく前に木刀が折れてしまった。これが本当の戦いになると、自分の剣が折れてしまっては話にならない。こちらが相手側の剣を弾き飛ばしたとはいえ不利になるのは明確だ。
あ、いやでも魔法でカバーできるかも。できるな。何なら普段あんまりウィスター達使ってあげられてないし。
ただそれは私個人のことであってジンさんがどう思うかはわからない。
久しぶりにドキドキしながらジンさんの言葉の続きをまった。
「まあ、最低でも私と互角に戦う事ができているのなら問題は無いだろう。それにミアさんのことだ。悪用しないことは分かっているし……いいだろう。私の、鬼人族の魔石、持っていくといい」
そう言って輝くような金色の石が私の手の中に収まる。
「あ、ありがとうございます!」
お礼をいい、深く頭を下げたその時だった。
「父上!!」
VIP席に座っていたはずのトウカがいつの間にか近くに来ていたらしい。走りながらこちらに向かってきている。
あの謎の美女も一緒である。
トウカがジンさんの目の前に来たところで、いきなりジンさんの雰囲気が変わった。
「トウカ、よく見ていたか。お前は、お前たちはこの少女を助けると言っているのだぞ。お前たちの存在はミアさんにとっても必要なものなのか?」
静かに、諭すようにトウカに尋ねる。
ジンさんの思いがけない言葉にトウカはぐっと言葉をつまらせた。
……ジンさん、いきなり何言い出すかと思えばびっくりするじゃんかよ……。
むしろトウカ達の存在は私の中ではなくちゃいけないものと化してるのだが。でもジンさんは私の意見じゃなくてトウカの意見を、考えを欲している。私がわざわざ横から口を挟むのは筋違いだろう。
少し考え、トウカがゆっくりと口を開いた。
「俺は……正直今の戦いを見てもミアに純粋な力で勝てることは一つもありません。ミア一人でも充分旅は続けられるでしょう。それでも!! ミア一人だといつ危険な目にあうかわからないのです。ミアは目を話すとすぐに自分から危険だとわかっているところに足を突っ込んでいく。私やレーイン、ヴィスタの役目は、そんなミアを止めることだと思っています。ミアの友人として、戦友として、この旅を途中で抜けることはしません!」
ト、トウカ……!!
私、感動して涙が出そう……。そんなふうに私を思ってたのね。純粋に嬉しんでいいのか悲しんでいいのか地味にわからない……。
何かを決心したような、先程までとは違った晴れ晴れとした顔を向けてくるトウカにジンさんはふっと笑みをこぼした。
「お前の心はわかった。ではあの話はなかったことにしよう。ヒヅキもそれでいいな」
ヒヅキと呼ばれた美女は微笑んだまま頷いた。
色々謎は残っているがまずは一番気になることから。
「あの……"あの話"って一体……」
絶妙に良い雰囲気になっているところ申し訳ないけれど私の知らないところでとんでもない話になっているんじゃないかと勝手に想像してしまいまして……。
雰囲気をぶち壊してしまった私に悪い顔一つせずにジンさんが答えてくれた。
「私が準備と称して出ていった時間が少しあっただろう。あのときにトウカとヒヅキを交えて少し話をしていたんだ。今はどう見てもトウカはミアさんの負担にしかなっていないんじゃないかと」
「いえ!! そんなこと絶対……」
「ああ、先程のトウカの言葉を聞いて安心した。その点は心配いらない。自分よりも強いもののそばで日々影響を受けているというのはいい経験だ。私もそこは何も思っていない。けれどもヒヅキがな……」
そう言われ、ヒヅキさん(?)が少し苦笑いにも似た表情で私の方へと振り返った。




