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62 魔石、そう魔石よ

すみません。

ほんとは朝投稿するつもりだったのですが、気がついたら見事に夜。

寝てました。

「順調っ順調っ!!」


本山でのお祭り騒ぎは思いのほか長く続き、私はもちろんトウカ達も疲れ果てていたため一日だけ泊まらせてもらうことにした。私達はこの旅で基本野宿とかはしてないけど、やっぱり仮にも族長の家。そんじょそこらの宿とはわけが違う。

ふかふかのベッドで寝かせてもらい気分上場、本山を去るときにはラトーさんからも魔石を頂いて、事が順調に進んでおり大満足で歩いていた。


ふんふーんと前世で好きだったボカロ(私の趣味でよく聞いていた)の曲が頭に流れたため鼻歌で歌っている私の後ろに、複雑そうな顔をした3人。

おや? こんなにうまく進んでいるのに何故そんな顔をしているのだ?


「どうしたの? 3人とも複雑そうな顔して。ほら、魔石もう2つも集まってるよ。あと1,2……4つ!! このまま進めば一ヶ月もかからないかな」


「なあ、ミア。お前、本当に魔石っていうのを知らなかったのか?」


トウカが冗談だよなと言いたげに尋ねる。何を今更。私が魔石という存在を知らなかったがために恥をしのんでヴィスタに聞いたのに。あのとき皆いたよね? 信じられないような顔してたけど。

でももう教えてもらったもんねー。


「もちろん知ってるよ!! "族長達の魔力が込められた石"だよ」


ヴィスタの言葉をそのまま代用させてもらおう。仕方ない。仕方ないよ、これは。でも大丈夫。もし魔石が私にとって知らなくちゃいけない代物だったら神様達がいの一番に教えてくれるはず。"核"並みにやばいやつでもなさそうだし。

自信を持って答えると、だと思ったとでも言いたそうな顔のトウカに盛大に溜息をつかれた。レーインやヴィスタも同じような顔をしている。

いやヴィスタ!? 私はあなたの言葉をそのままお借りしたんだよ!? これ間違ってたらヴィスタが私に間違ったこと教えたってことでヴィスタの責任になるからね!?


「間違いではない。間違いではないが、それでは言葉が足りなさすぎる。ミアはちょっと魔石について詳しく知れ!!」


何故にそんなお説教モードなのさ。知れと言われましてもねえ。本とかに載ってるのかな? 本で探すよりも神様に聞きに行ったほうが早いか。神様も知ってるのかな。


「トウカ。そう簡単にミアに"知れ"とか言っても無駄だよ。逆に調べに行くほうが何しでかすかわからなくて怖い。いいよ、僕が詳しく教えてあげる」


教えてくれるのはありがたいが私が調べに行くほうが怖いとはどういうことかな? ちょっと聞き流してはいけない案件のような気がするぞ?

と、私の反論は届かずヴィスタの魔石に関する説明が始まった。


「魔石は前も行ったけどわかりやすく言うと、族長達の魔力が込められた石の事だね。でもそれだけじゃない。その魔石はそれぞれ世界に一つずつしかないんだよ」


「!?」


なんですと!? それは初耳……。


「その魔石一つで軽く一つの村は破壊できると思うよ。それくらい強い魔力が込められているんだ。族長たちは自分のあるだけの魔力をつぎ込むからね。だから封印してある。魔力が強い割にはあまり感じないなと思ったでしょう」


確かに。イリアスさんの魔力もラトーさんの魔石もそれぞれ魔力は感じるけど、それも言われてみればああ確かに、となる程度だ。なるほど、そんな事実が隠されていたとは。


「でもじゃあこの魔石はなんのためにあるの? 目的がなかったらわざわざ自分の魔力フルで出して作る必要ないよね」


「ミアもそう思うよね。僕も思う。でも何故かはわからない。どうやって使うのかも。族長自身も知らないみたいだよ。けれど本能的に族長に就任すると作らなきゃって思うみたいで。魔石の謎は解明されてないんだ」


「でも威力は壮絶だろ? だから他の種族のものに簡単に渡していい代物じゃねえ。だからおかしいんだよ。どうしてそうほいほい皆ミアに渡すのか」


説明はヴィスタに任せっきりだったトウカが口をはさむ。

いやいや、おかしいって言われても貰えたものは貰えたしねえ。族長達が何を思ってかは知らないけど終わりよければすべて良しじゃない?


「でも現にもうミアの手の中には2つも魔石があるわ。確かにおかしいけれどだって考えてもみなさい。ミア(・・)よ?」


レーインよ、それはフォローのつもりなのか? 地味にフォローになってないぞ。そしてこら!! そこで2人とも頷かないの!!


「そうだね。深く考えたら考えただけ迷宮入りしそうな気がするよ。でもねミア。今までは運良くだったかもしれないけど次からは少し難しいかもしれない」


まあ確かにね? でもなんとかなるでしょ。あとどこだっけ。

魔人族、鬼人族、エルフ、アラクネ。アラクネと魔人族はなんとかなると考えて鬼人族とエルフか。トウカとヴィスタがいるもののトウカはまだしもヴィスタは一介のエルフにすぎない。対策も少しづつ考えておかないと。


「行き詰まったら行き詰まったでそのときに考えよう。ひとまず次どこに行く?」


行き先を決めるためにヴィスタが地図を開く。その周りを囲むようにして私達は地図をながめた。


「私達が今ここにいるでしょう? エルフの村は魔王城を通り越さないといけないから魔王城に行った後ね。蜘蛛の巣は最後だから……消去法で行くと次は鬼ヶ里ね」


「えーと、魔郷から吸血鬼の洞窟までどれくらいかかった?」


「約一週間」


「じゃあ3日くらいでつくか」


とまあそんなこんなで次の行き先も決まり。

何故か責められているような感覚にもなる質問タイムとむりやりおさらばさせて、私達は鬼ヶ里へと歩きだした。

申し訳ありませんがGW、何故かリアル多忙なので少しお休みです。

9日から再開したいと思います。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

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