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47 やっぱりゲルさんには行動よまれてる。

あれから約一ヶ月が過ぎました。

一週間は何もさせてもらえず、無駄に暇な日々。抜け出そうとしても常にゲルさん、トウカ、レーイン、ヴィスタがそばにいるため成功することはなく。

暇なのかと疑ったがそうではないところを見ると、よっぽど見張っておかないとなにかしでかすと思われていたのだろう。


あの後は何事もなかったかのように進んだ。

私が一人でほぼ全滅の状態にまで追い込んだから、誰一人として人間、天使は魔界に入ってこず。緊急避難速報も解除されて、その日の夜からはまた普段の活気を取り戻していた。

……魔王城ではお説教が続いていたけどね!! 正座させられて足がピリピリしたよ。


……話を戻します。


それで、何人かは生き残ってたみたいなんだけど、あんなのを見たあとだからかすんなり国に帰っていったらしい。らしいっていうのは私が直接見ていないからわからないってことなんだけど……。

まああんなのを目の前で見せられたら戦気は失うわな。さすが私!!


魔界には危険人物? がいると判断されたと思うから当分は襲ってこないと思う。あくまで予想だから常に警戒はしておかないといけないけど。それは私がすることじゃないしね。

あとあの軍団を食い止めたのは私だって言うことは、その時魔王城にいたヒト達と、種族の各長しか知らない。

"私"っていうありえない存在がいるって知ったら民が混乱してしまうそうだ。私自身、自分の力をされけだしたいわけじゃないしそこは全然いいのだけど、どうやってこのことを民に伝えたのかが気になるよね。私には誰も教えてくれなかったんだもん。


でなのよ。一週間、いや一ヶ月かな? ものすごーく暇だったので私は考えました。


"私自身の力について"


今現在、闇魔法と光魔法を使えるのは私しかいない。これからも私以外に現れるかって言ったら物凄く確率は低いと思う。

だってスキルって神様が勝手に決めてるって思ってたけど、実際は何もしてないって言うことが分かったし、これまでに一度も2つの魔力をもったヒトは現れてないんだって。

そう考えたら現れる確率はほぼゼロに近い。


あと少し実験してみたんだけど、数日前に久しぶりに城下町に闇堕ちしたヒトが現れたの。ここでまだ天使たちが諦めてないってわかってイラッとしたのは置いといて。

その時にたまたまトウカも一緒にいたんだけど、少し闇魔法に工夫してみると、なんと闇魔法だけでも治せることが判明!! ただ、闇堕ちさせる際に使った光魔法の倍以上の魔力がいるらしくて治せたときにはもうトウカの魔力はすっからかんになってたけど。

もう少し調べてみたらもっと効率のいい治し方があるかもしれない。

それにどれくらいまでが治せる範囲なのかっていうのもわからないから実践あるのみだと思う。光魔法と闇魔法の両方を使っても時間が経ちすぎていたら治せないし……。


というわけで、私は旅に出ようと思う。


唐突すぎるって? ノンノンノン。

暇すぎる一週間のうちにもう計画はしていたのだよ。……まだゲルさんには何も言ってないけど。


「これから言いに行く!!」


「誰に何を言うつもりだ?」


ひやああっ!!


席を立ったところでドアにゲルさんが寄りかかっていて尋ねてきた。

ドンピシャすぎる……。ほんとにたまに私の行動が読めてるのか? って行動してくるから心臓に悪いよ……。

今もまだ心の準備が……。


そんなことはお構いなしにスタスタとこちらに歩いてきて、私の前に座る。反射的に私も自分の席に座る。

これ、話さなきゃいけないやつだ……。


「で、誰に何を話すって?」


「ええっとですね……ゲルさんに私のこれからをお話しようと……」


もう言い逃れなできないと悟り、意を決めて計画のすべてを話すことにする。

何も言われなきゃいいのだが……。


「旅に出ようと思うの!!」


「却下だ」


瞬殺……。

まだ何も行ってない!!(一番大事なことは言ってしまった)


「だってもう充分休んだでしょ?」


「まだ一ヶ月しか立っていないし、休んだからといって何故いきなり旅に出ようとするのかがわからん」


ごもっともなのですが!! オッケーしてもらわないと話が進まないという……。


「ほら、私の力が大きくなりすぎてるでしょ? 多分もう総合値、ゲルさんと同じくらいあるよ?」


そうなのだ。あのときの大量虐殺で人間は弱すぎてあんまり大した数字にならなかったけど、天使はザックザックだった。それが約1万ときたらスキルも総合値もうっはうはになってたわけで。一番初めにパッと見ちゃったときは目玉が飛び出るかと思った。

まず桁が違うかったもん。


「確かにミアの力は強大だが……私や長たちが総動員でかかれば抑えられないこともない」


なにそれ物騒な!! 要らんことしなければそんなことはしないよね。え、しないよね?


「各地の闇堕ち治しにいかないと……」


ピクッとゲルさんが反応する。

今回の旅の目的は自分の力も知っておきたいっていうのも勿論だけど、一番は闇堕ちだ。

治し方も分かったし、できるだけ早いほうがいいだろう。それに闇魔法だけで治せるんだったらゲルさんくらいの魔力があれば誰でも治すことができる。

助かる命も多くなるはずだ。

それに他の地域のグルメも知っておきたいし……。


ね? お願いと必死に頼む。闇堕ちの件は少しでも早いほうがいいだろう?


「…………。はあ。分かった……」


「ありがとう!!」


「だが、、トウカ、レーイン、ヴィスタもつれていけ」


おお……。それは私への監視役かな? 

申し訳ない……と思っても一ヶ月前にもっと頼れと言われたところなので断ることはできず。それにもし嫌だとでも言ったら意地でも連れて行かせてくれないだろう。

決して4人で行くのが嫌なわけじゃないからね!? 申し訳ないというか……。


グダグダ考えている間に、ゲルさんは私の返事を聞かず3人を呼んだ。

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