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40 真実、、めっちゃムカつくんですが……

「魔族はな、総合値が高いんだ」


「魔族だけ総合値が高いの?」


「魔族だけというわけではないが……三族の中では最も高いだろうな。けどそれも上位種族に限ってだ。下位種族は人間と同じくらいになっている」


「人間は基本同じくらいだよ。稀に勇者とか聖女みたいな子たちが他の人の数倍の力をもったりすることはあるけど……」


「でもどうしてそれが闇堕ちにつながるの?」


「闇堕ちはね、意図的に作られたものなの」


は……??

とんだ爆弾発言降ってきたんですけど。

どういうこと? どうして魔族がそんなことされなきゃいけないわけ?



「私達神がやっているわけじゃない。天使族が、作り出しているんだ」


アイテール様が苦虫を噛み潰したような顔で答えた。


「闇堕ちは、魔族が長時間光魔法を浴びるとそれに耐えられなくなって、闇の魔力が暴走するんだ。光の魔力は俺たちにはない魔力だから抵抗できない」


だから光魔法使ったら魔族の皆は苦しがったのか。


私の理論上、自分の持ってる魔力しか耐性はできない。火魔法しか持っていなかったら火魔法耐性しかない、、みたいな。

そして光魔法を持っているのは人間の一部と天使族。


自分の中で何かが繋がるような気がした。


「私達は直接下界には干渉できないのぉ。干渉できなくしたって言うのが正解かなあ。昔、色々あったからあ……」


「闇堕ちすると自我を失う。そうすれば仲間を呼べなくなる。流石に天使族も多数の魔族相手だと分が悪いからな。だからわざわざ闇堕ちという状態を作り出すんだ。しかも闇堕ちにすると下位種族でも総合値が高くなる。天使族からすれば効率よくレベル上げできるというわけだ」


「そして極めつけにはその一部を、主に下位種族だけど人間界に送り出しているんだ。人間に魔族はこういうものだというイメージを持たせるために」


なんか……腹立ってきたな。

天使族って、、これでいいイメージもてとか言われても不可能だろう。


「あっ、じゃあもしかして今まで交渉のために送り出された魔族って……」


「ああ、全員闇堕ちにされて人間界に落とされた。天使族は今も足りなくなると魔界から魔族をさらっている」


絶対殺す。

はあ!? 何なのマジで?

自分勝手極まりないじゃん!!


さらっていくって、そのヒトたちにも家族があるわけだよね? こっちの都合はお構いなしって?


「これは早々に手を打たなければいけないと、ミアを呼んだのだ」


なるほどね……。

大体は分かった。

グレイアムと頃闇落ちが増えたのって時期的に"最悪の日"の50年ほど前。

だから多くの魔族が闇堕ちにされて人間界に落とされていたのか。人間に悪い子イメージを持たせるために。

今も多数の闇堕ちが人間界にいるのだろう。



「闇堕ちは……直せないの?」


「できるよ」


できるの!?

ちょっとそれはやく言ってほしかったなー。

えっ、じゃあ今まで殺しちゃったヒト達も戻ったかもしれないの?


「とても確率は低いけれど……ミアにならできるかもしれない」


「教えて」


できるならやりたい。

だって自分から闇落ちになりたくてなっているなんてこと、少なくても大半はそうじゃないと思う。


「ミアちゃん、一度鬼人の子が戻ったでしょう? あの時みたいにするのぉ」


「でも……あの時は結局死んじゃった」


「闇堕ちは数百年経てばもう手遅れなんだ。戻る可能性があるのは百年前くらいまでのやつだな。その点あの森に入れられていたのはもう何千年も昔のやつがほとんどだったから結局は戻らなかったんだ」


エレボス様は私の心を呼んだかのように答えた。

百年前まで……。人間界にもまだ直せる魔族たちはいるのだろうか。


「ミアは光魔法と闇魔法を両方使えるだろう? 闇堕ちは光と闇の両方の魔力がなければ治すことはできない。だからミアにしかできないんだ」


「そうなるように神様達が仕組んだんじゃないの?」


「スキルは私達は操作できないのよぉ。私達が決めたのは名前と種族だけ。スキルっていうのはそのヒトに合うものが勝手につくようになってるのよぉ。ミアちゃんは面白いスキルをいっぱい持ってて楽しいわぁ」


そうなの!?

てっきり「∞」とか「運命操作」とかって神様達がつけたんだと思ってた。未だにこれらは何かわからんけどね。


「だからミアは奇跡なんだよ。光魔法と闇魔法を両方持っているっていうのは今までに始めてみた。普通は2つの魔力が反発しあって体が壊れるから」


さらっと恐ろしいこと言ったな。

体が壊れるって何よ? 数年後に壊れるとか言わないでね?


「みたいな感じよぉ」


うん。なんとなくわかったようなわからないような……。

でも闇堕ちが治るかもしれないっていうのは分かった。加減を間違えたら大変なことになりそうだけどこれは研究あるのみだと思う。もうちょっと森にこもってみてもいいかもしれないな。


「あ、それとミアちゃんの持っているウィスターは私の愛剣だったものよぉ。大切に使ってあげてねぇ」


「チェスターは俺のだったやつだな。言うことは……まあ聞くと思うがなんかあったらまたもってこい」


アルテ様のとエレボス様のね……。

ゲルさんから宝剣って言われたら時点で薄々予想はしてたけどいざ言われてみると……。

大切に使お。



「あらぁ、ミアちゃん。下界の子たちが心配してるわよぉ」


「え!! ちょっ、すぐ帰る!!」


「了解〜。また来るのよぉ。一年以内に来なかったら強制でこっちにこさせるからねぇ」


「強制……分かった。努力する……」



ふわふわと体が浮くような感覚がして睡魔に襲われる。

遠くでアルテ様の声が聞こえた気がした。

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