36 こいつはヤバい、ガチでヤバい
キーーーーン
!?!?!?
何か……感じる。
いきなり過ぎて皆まだ気づいていない。
この感じは……"警戒"。ヒロさんのときもおんなじような気配がした。でも今の私はあの頃よりもレベルも上がってる。
だったら……ヒロさんよりも相手がとてつもなく強いということだ。
「!?!?」
レーインも気づく。
レーインは3人の中でも一番魔力の質が高い。もしかしたら私の上までいくくらいに成長した。
恐らく探知のスキルも持っているのだろう。
「ミア…………この気配は……何?」
震える声で尋ねてくる。
私でさえ結構きついのだ。レーインにとっては相当だろう。
「どうした?」
「何か……感じるの?」
トウカとヴィスタはまだ気がついていない。まだ近くにはいないのだろうか。でもこんなにも力を持っている相手……私達が気づかれるのは時間の問題か。
「3人とも、よく聞いて。レーインは気がついたからわかったと思うけど、闇堕ちが近くにいる」
「闇堕ちだったらいつもみたいに殺ればいいだろ?」
「そう簡単に行けばね。でも……私の感だから信用し過ぎたら行けないけど、たぶんヒロさんよりも強い。それもとても」
「はあ!? ヒロよりもって、ヒロは鬼ヶ里でも父上に続く実力者だ!! それよりも上って……」
「トウカは少し黙って。ねえ、僕達はどうすればいいの?」
どうすればいいのだろう。
このままここにいたら絶対に危険だし、気づかれるのも時間の問題。ただ逃げたとしたらその分私達の気配が濃くなってしまう。私は行けるとしても3人はまだ消音歩行のスキルを持ってないから。
これこそ自殺行為になるだろう。
「僕達、なんのために訓練してきたの? こういうときに使えないと意味ないよ?」
「でも……まだ足りない」
「4人でかかればどうにかなるんじゃねえか?」
4人で……。
相手の詳しい情報がわからない。でも……いけるか……、いや、いけなきゃいけない。
「わかった。でも命の危険を感じたらすぐに逃げるよ」
「ああ、わかっている」
「ミアを危険な目には晒せないわ!!」
この選択が悪くないことを祈る!!
じっと相手を待つ。
どんどん瘴気が濃くなって、代わりに鳥の鳴き声等が一切しなくなった。
瘴気に、当てられてるんだ。
オーガやゴブリンみたいな下位種族が闇堕ちしても、瘴気は放たれるがそこまでひどくはない。
人間にはかなりの毒かもしれないけど私達上位種族にとっては空気と同じようなものだ。
でもヒロさんのような上位種族の闇堕ちが発する瘴気は……尋常じゃない。
前もかなりきつかったけど今回はこんなに離れていても感じ取ることができる。
これは……長期戦は必ず負ける。瘴気に負けてしまう。
ズンッッッ
大きな振動が地面を伝ってこちらまでやってくる。
ついには正気の渦巻いている中心が見えた。
よし!! この距離からなら相手のステータスを見ることができる!! ただし……相手の総合値が私よりも上だと見ることはできない。
やっぱり難しいか……!! ダメ元で!!
【種族 魔人 名前 グレイアム Lv99
HP 39800(39800)
MP 30000(30050)
SP 42180(42200)
総合値 111980 (112050)
スキル 「体術Lv8」「剣術Lv7」「槍術Lv9」「格闘術Lv9」「護身術Lv10」「打撃耐性Lv9」「斬撃耐性Lv9」「貫通耐性Lv8」「落下耐性Lv8」「破壊性Lv8」「物理耐性Lv9」「魔法耐性Lv9」「毒耐性Lv9」「麻痺耐性Lv8」「疲労体制Lv9」「酸耐性Lv8」「状態異常耐性Lv9」「即死耐性Lv8」「痛覚耐性Lv10」「痛覚無効Lv5」「恐怖耐性Lv10」「恐怖無効Lv5」「火魔法Lv9」「水魔法Lv9」「土魔法Lv8」「風魔法Lv9」「闇魔法Lv10」「火魔法耐性Lv9」「水魔法耐性Lv8」「土魔法耐性Lv9」「風魔法耐性Lv8」「闇魔法耐性Lv10」「闇魔法無効Lv5」「魔力探知Lv10」「魔法探知Lv9」「害意探知Lv10」「殺気探知Lv10」「危機探知Lv9」「気配探知Lv10」「急所看破Lv10」「罠探知Lv6」「気配遮断Lv10」「隠密Lv9」「消音歩行Lv10」「消音走行Lv8」「消音飛行Lv8」「鑑定妨害Lv6」「攻撃妨害Lv8」「魔法妨害Lv9」「察知妨害Lv7」「HP自動回復Lv8」「MP自動回復Lv9」「SP自動回復Lv9」
称号 「同胞殺し」「龍の殺戮者」「エルフの殺戮者」「蜘蛛の殺戮者」「天使の殺戮者」「人間の殺戮者」「闇の使者」「覇者」「魔王」 】
ステータスやばっ!!
私のどんだけ上なのよ!! 軽く2万はいってるよね!?
見たことないスキルと称号もたくさんあるし……。
ん? ちょっとまって。
ステータス、私よりも全然上だよねえ?
何で鑑定できた???
レベル……はこれ以上上はないし総合値だって私こんなに高くない。スキルの数も断然相手の方が上だ。
わからん。でもたぶんここにいるみんなに聞いてもわからん。
でもその前に、1つ気になるスキルが……
「魔王?」
そう口にした瞬間、ヴィスタははっとしたように何かを思い出した。




