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28 か弱い、か弱すぎる……!

受験去っていきました。

喜びをかみしめてます。

あれから約一週間が過ぎた。

特に変わったことはないが、強いて言えばジンさんと一緒にトウカが遊びに来たくらいか。

初めはガッチガチに緊張してたけど少ししたら慣れて私とも普通に接してくれるようになったし。いかんせんこっちでは初めての友達だからね。


そんなこんなでのほほんとした日々を過ごしていたわけですね。ずっとこのままダラダラしていたいなーと思いながらもそう簡単にはかなわないわけで。





「突然ですまないが耀黒山(ようこくざん)に行ってもらう」



ほれきましたー。

仕事ですよ仕事。こんなピッチピチの8歳児が仕事に駆り出されるという現実。泣きたくなるねぇ。

まあ、断る理由もないからいつも承諾してしまうのだけれども、、。


「急にどうしたの?」


「ああ……先程ラトーの奴が血相変えて魔王城に飛び込んできた。あ、ラトーは龍族の族長だ。耀黒山の下級龍達が手に負えないことになっているらしい。薄々は感じ取っていたがいきなり爆発したそうだ」


……言いたいことはわかるけど細かいところが全くわからん。

族長? しっかりしろよ!

下級龍? 龍にも下級とか上級とかあるの今始めて知ったし。

"薄々は感じ取っていたが"? ならその時点で対策しろ!!


ツッコミどころ満載じゃん!!



要するに……ヘタレ(仮)な族長が龍を抑えられなくなってゲルさんに緊急ヘルプして、それが今私に向かっているということだね?

理解したよ。


「今?」


「今だ」


……仕方ない。

即答って言うことはゲルさん、澄ました顔してるけど相当焦ってるでしょ。

ふっふっふ、長年(まだ数年)一緒にいたらわかるのだよ。

ニヤニヤしているとゲルさんにピッときつい視線を向けられた。


わかったよ!!

もうっ、ちょっとからかっただけじゃん! いけばいいんでしょ、行けば!!


渋々ながらいつもの魔女っ子戦闘服に着替える。

それじゃあちと行ってきます……。



◇◇◇


時間がないからウィスター達の転移で行く。本当は行ったことがあるところじゃないと行けないんだけど、チェスターが行ったことがあるみたいで余裕で解決した。


降り立ったのは荒れた山。あたり一面健康な木がない。でもこれ……枯れているというよりもなぎ倒されている……?

もしかして……もしかしなくてもここがゲルさんの言ってた耀黒山かな。

思ってた以上に荒れてた。



「ミア殿!!」


どこからか声がする。


「ミア殿!! こちらです、上です!!」


上? 見上げてみる。

あ、いた。


特徴的なのは鋼のような鱗? なのかな。詳しくはわかんないけど。それが右腕と左足にエメラルドグリーンに光っている。あとは鱗と同じ光を放った長い髪かな。


うーん……。

綺麗な顔立ちはしてるんだけどねぇ。なんか今ひとつというか……。いや、綺麗なのよ? 見た目は高校生くらいかな。ちょっと中性的な感じで、きっと日本にこんな人いたら女の方たちが黙ってないと思うんだけど。


なんせゲルさんよりも薄い。何ならジンさんの方がもっと綺麗。もっともっといったらトウカの方が将来見込みあると思う。


みんな常識外れの顔面偏差値してるからラトーさんくらいが落ち着くといえば落ち着くんだけど……、各種族の長とかで開いている会議とかで浮いてないのかな。


頭の中で失礼なことを考えているとラトーさん(あってると思う)が降りてきた。


「すみません、無理言ってきてもらって……。それにこんなに幼い子だって言うことに凄くびっくりしてしまって……。本当はもう少し前に事を片付けて置くべきだったんですけど急に下級龍たちが闇堕ちみたいな症状になってしまい……」


やっぱりヘタレだ。(仮)消えた。

弱々しい……。本当に族長とかやっていけてる!?

ああ、なんかこっちが悪いような気が……。


「わ、私で良ければ手伝います……」


「本当ですか!! ありがとうございます!!」


し、尻尾が見える……。龍ってもっと威厳のあるプライドの高い種族のイメージあったわ。

なんか……守ってあげたくなる雰囲気醸し出してる。

これはこれで逆らえない。



「じゃあ、あまり時間もないので説明しながら向かいます。あ、自己紹介が遅れました。もう知っているとは思いますが、私は龍族の族長、ラトーです。よろしくお願いします」


「こちらこそです。私ミアです」


「ふふ、知っていますよ。では私についてきてください」


そう言われ、大人しくラトーさんの後を追う。

さっきも思ったけど結構この人、律儀だ。ゲルさんとは大違い……、案外ラトーさん好きかもしれない。


「えーと、先ずは私達の種族について少しお話を。龍族は私達のように人型の個体、上級龍と、喋れるけれど人型になれない中級龍、そして今暴走している喋ることができない下級龍の3つに分れています。上級龍、中級龍は里を作ってそちらに暮らしているのですが、下級龍は知能が低いため耀黒山に住んでいて……。今までほっておいてしまったのがこの現状です……」


「な、なるほど……」


明らかに肩を落とす。

ああ、ものすっごく頼りない感じ……。

でもだから方っておけないこの感じ……。これがあるから周りの人に助けてもらえてると思うけどなかったら今頃族長っていう圧に押しつぶされていると思う。てかなんでこの人が族長なんてなれたの?


「それで…、あ!! 付きました!!」


そこは予想以上にひどかった。

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