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165 〈夢〉セシリア視点

眠たい。だるい。動くのがしんどい。


そもそもなんで僕は天使族幹部になんて属しているんだろう。僕は只々眠っていたいのに。誰にも指示されることなく、ぼうっとしておきたい。

でもいつもそんな願いを抱いていても結局叶うことはない。誰かに命令されることが嫌だから努力して誰にも何も言われない地位へついた。その環境では僕が一番上だったからこれでようやくゴロゴロできると思った。

矢先にミファエラ様からの勧誘。正直もの凄く断りたかったけど、ミファエラ様からの勧誘なんてほぼ命令と一緒。だから仕方なく入ったのに、入った途端に今まで以上に力は入んなくなるし、この前だって鬼人相手にして死にかけたし。せめて完全体で行かせろって話だよ。


あぁあ。あのときに死ぬ気で断っとけば今こんな変な弓矢に追われることなんてなかったのかな。あのときに努力せずに下っ端のまま働いとけば今みたいにこんな死ぬような思いしなくてよかったのかな。


そんなことを思想しながら考えられない方向に飛んでくる弓矢に追われている。

てか何なの、これ。弓矢って一回飛ばしたらそのまま真っ直ぐにしか飛ぶものじゃないの? 魔法かなんかで操ってるのは知ってるけど、なんで姿が見えないところで僕をこんなに追い詰めれるわけさ。もうこれは弓矢としては機能してないよ。立派な武器だよ。


そろそろ逃げ回るのも疲れてきたのでギッと向き合って弓矢を叩き折ることに専念する。幸いにも今の僕はほぼ完全体。いつの間にか奪われていた力も元に戻ってるし、これくらいなら薙ぎ倒せるだろう。ただ莫大な魔力をここで一気に使いそうだけど。


でもなんだかんだいってまだミファエラ様と繋がってるんだよね。正直に言うとミファエラ様は僕の上司に当たるわけだけどさ、力を返された今敬いたいとも思わないし。どうせならこれが終わったら翼をもいで何処かに逃走しようかなとも考えている。もうボロ雑巾みたいに扱われるのは嫌だ。

繋がってるってことは、、僕があの2人(・・)を倒しても総合値は全てミファエラ様に持っていかれる。それはしゃくに触るなあ。彼らを倒すと莫大な総合値が入ってくるのは目に見えているし……。そもそも倒せるかだけどね。


僕が連れてきた天使達はエルフと龍、それに人間達によって次々と倒されている。人間、なんであんなに強くなってんの? 僕が知ってる情報と違うんだけど。

はあぁ、、。だるい。


バキッと音を立ててギラギラ光っていた目の前の弓矢がぽとりと落ちる。ああ、これで僕の魔力は半分くらい減ったからいっぱいの総合値がミファエラ様に換算されたかな……。


どうするか、と考える。

ここであのエルフと人間の2人を倒すとしよう。そうすると総合値は全部ミファエラ様に持っていかれるけど、一応ここは勝利に終わるわけだ。でも利点といえばこれくらい。あとは倒せる確率が30%くらいなのと、倒したとして、自分はこれからまたこき使われるわけだ。しかもこき使われるだけならいいけどまたしも力を奪われて捨て駒に、、っていう可能性もある。


じゃあ倒さずに交渉に持っていく場合は?

まず頭は使うけど体は使わない。そして嘘でもなんでもついてもらって僕が死んだってことにすればこのまま逃げられるのでは? でも魔族が許すかだよねー。今ここにいる魔族の代表ってエルフでしょ。

……エルフならあるかも? 鬼人とか魔人とかはあんまり話聞いてくれなそうだけどエルフは頭いいって聞くし。単純に弓で攻撃してくるってことはたぶん近距離戦に弱い。僕が一気に近づいて行けば行けるかな。

残った天使はどうする? それにガルヴィンは絶対なんにも考えてないけどアリエル、ミファエラ様がどう出るかだなー。まだミファエラ様とは完全に切れてない。て言うことは僕が逃げたとしてもまだ生きているっていうことはバレると思うし……。


取り敢えず交渉かなあ。なんとも言えないけどね。そろそろこんなに考え事してたら次の矢が飛んできたし。


一気に2人がいる方へ近づくと、一瞬だけ驚いた顔をしたもののすぐに近距離の戦闘モードに入ってしまった。なんだ近距離戦出来そうじゃん。じゃあもう勝ち目なんてないよ。それにエルフの横にいる人間って勇者パーティーの魔導師じゃない? 人間あんなに強くなってんのにもとからそこそこ強いやつ来たらさ……。

あれ、ちょっと待って。この顔どこかで見たことあるよ。

、、ああ。前に僕が死にかけたときにいたやつじゃん。てことは魔族と人間の綱渡しをしたのはこいつ? 面倒くさい……。



「どうも。久しぶり」


「こんにちは。そんなに優雅に挨拶していても良いのですか?」


エルフが落ち着いた声で少し口角を上げながら僕に問うてくる。

いや、良くないよ。これでも一応天使族の幹部とかやってるからさ。挨拶くらいは一応ね。

エルフ達はもう次の攻撃を仕掛けようとしている。今度は魔力を直接込めてなんかするつもりだな。これ、直でくらったら僕、ひとたまりもないねえ。もう逃げるの間に合わないから無理だけど。



「ねえ、相談があるんだけど、、聴かない?」

2023/03/22追記:

皆様、次話を投稿できなくて本当にすみません。

忙しいのと、全く物語が上手くかけないのとが重なり話を投稿することができていません。あと10話と少しくらいで終わる予定なのですが、来週の29日(水)から毎日投稿するため、それまでは投稿をお休みさせていただきます。

自分勝手な都合ですが、ご理解いただけると幸です。

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