152 そういえば問題児だった
寝落ちしてました……。
ちょっと短め。すみません(_ _)
「一時はどうなるかと思ったけど……」
全くもって本当にそうよ。だって何したって?
玲央がふった(急で向こうからの一方的な縁談だとは聞いたが、ふったことは間違いではない)カーディス国第2王女が傷心中なのに、そこに畳み掛けるようにしてまた惚れさせたって?
武に関しては人一倍誇りをもっているフレスタイト国民(しかも国王)の愛剣をおってそのままセリフ吐き捨てて帰ってきたって? おまけにフードとってその素晴らしい金髪と美貌もお披露目してきたらしい。まだレーインは比較的人間族の容貌に近いからいいけどさ。
もう何がいやかってそうしている姿を想像できることよ。
その分仲良くもなったってことだけど!
相変わらずといっていいものなのか、トウカとレーインはやっぱりなんかやらかしてた。いや、下手したら来てくれないかもしれないからね。やっぱり交渉に血の気の多いこの子達を向かわせるのは失敗だったのではないだろうか……と思ったのもつかの間。無事、3日後には各国の全王がガリレイド国王城に揃っていた。
玲央の方もうまくことが進んでいるみたいで、明日の午前11時に王城近くの広場に招集をかけている。民衆にも貴族にも。流石勇者というべきか、信頼度は高いようだ。広場と言っても前世日本のような、子供たちが和気あいあいと遊んでいるようなところではない。中心に王や貴族、それに見合った身分の者たちが何かを宣言する時に使うひときわ大きな高台。そこを中心にして何メートルもタイルが広がっているような造りになっている。日本では見られない造りだけどヨーロッパの方とかにはあるのだろうか。
まあどっちにしろ明日はそんな塔の上で立たなければいけない私。玲央とかトウカとかもいるけど一応メインは私になるわけだから、、、ずっと後ろに隠れておくわけにもいかないし……。はあ、それなら学校とかでみんなの前で作文発表とかの方だマシだよ。前世何もしてきてこなかったむくいかな。
「そういえば、美凪はちゃんとラムライト国の国王に渡してきたの?」
美凪のことだからあ、忘れてたとか言ってそうなのだが……。しかも他の4人(桜子はそういうの得意だから大丈夫)は力でも話でもどうにかして話をつけてきそうだけど、美凪はわからん。何気に一番心配だったのだが、ヴィスタの次に帰ってきたというのが驚きだ。
「おい都。それは軽く俺をディスってるのか?」
「軽くじゃないわ。都、結構ディスってるわよ」
桜子のつっこみが入ったことで美凪が頭を抱える。
「いやいや、ディスってるわけじゃないって。でもトウカやレーインは何かあっても力で解決しそうだし、桜子とヴィスタは話し合いが上手そうだから大丈夫だと思ったけどそういえば美凪って何かあったっけって思って……」
「やっぱりディスってるじゃねえか。俺の存在意義とは……。ちゃんとラムライト国国王は到着してるだろ!」
あ、そういえばそうだ。いや違うのよ。そういうことが言いたいんじゃなくて、、
「まあ正直ラムライト国以外だともうちょっと時間かかってたかもしれねえけど。ラムライト国の国王ってこの前世代交代したの知ってるか?」
「いいや」
知るわけないでしょう。ただでさえ私、人間界のことには疎いのに。
「現国王、エルネストには俺が小さい頃よく世話になったことがあってな。爺さんの付き添いでよく王城に行ってたから、その影響」
なるほど。それらしい理由があり納得する。
「ま、そもそもウラトリス国王の、ガリレイド国国王の手紙があるだけで誰が言っても無視できないと思うけどな」
そりゃそうだ。
美凪と私の会話のおかげか少し場の空気が緩んだ。多分明日のことで皆知らない間に気を張っていたのだと思う。私は勿論そうだけど、トウカやレーイン、ヴィスタは大勢の前に立って論破するなんて経験したことがない。いや、あの3人は産まれたときから常に注目を浴びていた子たちだから多少の事には慣れているんだろうけど、、そもそも私達は人間とは種族の違う者たち。それにプラスして今まで受け入れられなかった魔族だ。宵闇知名度パワーが少しでもうまく働いてくれたらいいけど。
桜子や玲央は勇者パーティーの一員だからね。意外と国民の前に出ることが多かったみたいだからガチガチというわけではない。トウカ達が緊張しきっているってわけじゃないけど。
ふうっと息を吐いた。
そして私達は明日の確認をもう一度し終えると、早く就寝するべく玲央の部屋を後にし、準備された部屋へと戻っていった。
魔族4人組の部屋は早急に準備されています。




