151 〈力〉ミア視点、レオン視点
初めてミア視点なんて書きました。
そして……評価pt 400pt突破しました!
皆様ありがとうございます(_ _)
もう少しで総合評価が1000ptいきそうです!
◇◆◇
あーでもないこーでもない。
みんなが各国の王に手紙を届けに行くために部屋を出てから数十分。私はあることに悩まされていた。
どうやって洗脳解除を広範囲にかけるかだ。
今回は人間界全体にかけなければいけない。それも人間だけと限定したところで。いや、前に闇堕ち治したことはあったよ。人間界全域のね。でもそれとこれとはどうも違う。
まずそもそも人間と闇堕ちの違い。
ざっくりいうと闇堕ちしてしまった魔族は思考回路が単純だし、動きもあまり考えていない行動を取るので色々と楽だ。それに比べて人間はややこしい。どうやら少し人間と魔族の脳の作りが違うようで、はじめ知ったときはびっくりした。どうやって知ったかって? 魔法を使ったのだよ。(あまり深くは聞かないでおくれ)
まだ私の中には人間だった時の記憶をもってるのと、あまり人間と大差のない姿の魔人だからかそこまで変わらないが、だが違うものは違う。とにかく面倒くさい。
うーんうーんとさっきからずっと頭を抱えている。
そこでぱっと頭に何か繋がったような感覚がした。お! これは来たか?
「…………」
むやみに語りかけるわけにもいかず、少し様子を見るためじっと構えておく。すると……
『あら、これは誰に繋がっているのかしらぁ? こんなことが出来るのは……ミアちゃんかしら。もしも~し、聞こえてますかぁ?』
………………お前かい。いやいや、口が悪うございました。
貴方様でしたか。
「……アルタ様、私です。繋げるつもりはなかったんだけど……」
カクカクシカジカ……
今までの出来事を話す。
「……って言う感じになってるの。ちょっと失敗しちゃった」
『失敗で神である私達に繋げるのはすごいわねぇ。でもこれでミアちゃんはウィスターとチェスターを介さなくてもいつでも私達と連絡が取れるということよぉ。良かったわぁ』
それは良かったことなのだろうか? まあ出来ないよりは断然いいか。
私は思わぬところで神との念話を手に入れた!
そしてまた数十分後、何かコツを掴んだ私は各国に広がっている皆の頭に語りかける準備がととのった。
◇◆◇
僕は自分の家や勇者がもつ権力をフル活用して自国の貴族に収集を呼びかけている。別に国王がしてもいいのだが、ウラトリス王はウラトリス王でやることが多いらしく、何か違うことをしているらしい。それに勇者である僕が収集をかけるということは暗に魔族、天使族と何かあったと疑いながら集まってくるだろうという気持ちもあった。
あと僕が残っている理由としては都の監視と手伝いなんだけど……さっきからずっとうんうんと部屋で唸っている。どうやらうまく行かないみたいだ。かと言ってここで僕が手伝うよと言っても結局何を手伝うのかという話になってくる。だから最終的には僕は都がやりすぎないように監視をしているしかない。
トウカ達は流石と言っていいのか、幼い頃からよく一緒にいたと言っていたため、都の事をよく知っている。一つのことをやり始めたらすぐ周りが見えなくなるところとか、あまり後先考えずに突っ込んでこっちがヒヤヒヤするとか、どうしても一人でなんでもやってしまおうとするためやり過ぎてしまうこととか。だからこその僕の監視役なんだけど。
魔族と人間の和解、か。僕自身前世の記憶はあれど16年ちかくもこちらの世界にいればれっきとしたこちら側の人間である。確かに魔族に対する人間族の意識には多少疑問を感じていたが、都が魔人だと知らない限り必ず魔王を倒そうとしていた。結局今の僕だと力量が違いすぎて話にもならないんだけどね。
僕達がこうして動いている理由として、やはり都が大きく関わっているだろう。特にサクラはそうだ。
都の一言で色々なことが変わっていく。本人は無自覚だし、僕たちも自然とそうなってしまうんだけど、、。
そんなこんなしている間にどうやらミナギ達が帰ってきたようだった。都も覚醒したようで疲れてはいるもののやりきった顔付きをしていた。
「お帰り。無事渡すことができた?」
意外と早かった帰宅時間に少し驚きつつもヴィスタに尋ねる。
「うん、僕はね。ミナギとサクラコも大丈夫だったんじゃないかな。問題は……」
そう言って流された目線の先にはレーインとトウカ。ふたりとも暴れた様子はないけど……。
「、、俺は何もしていない。ただ元を辿っていくと原因はレオだ」
いきなり話を振られた。いや、僕が原因ってどういうことだろうか。トウカが言っていた国は……あ、カーディス国……。
「何? 玲央、カーディス国と揉めたことなんてあるの?」
「揉めた……わけではないと思うけどその、、カーディス国の第2王女から縁談の申込みが来ててね。それで断っただけなんだけどその後第2王女があまり外に出れていないことが噂されているってことは……」
そう。風の噂ではあるがこんなことを聞いたことがある。それが本当だったら申し訳ないけど……でもかと言ってあの縁談を受け入れようとは思わない。
「縁談……。私には縁のない言葉かもしれない……。で? レーインは?」
「私は何もしてないわよ。ただフレスタイト国の国王の剣を折っちゃったくらいで、、」
やってるやんかい! と都のツッコミが入る。
折った……。フレスタイト国といえば武術、武器と武の方で優れている者たちだが、逆に言えばそちら面ではプライドが高い。そう考えると……、うん。もう考えることをやめよう。
こうしてこんな不安を抱える中、各国の王がガリレイド国王城へと集まり始めた。




