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150 〈自分の役割〉ヴィスタ視点、ミナギ視点

ジェネスタ国に行く前に少し考え事をしていた。


僕がミアと出会ったのは幼い頃。あのときは僕が何か面白そうなことをしているのを見つけ、後をついていった日からずっとあの3人と一緒にいる。あの頃の僕は退屈していたのだ。数百年に一度の神童だと騒ぎ立てられ、与えられたことはなんでも理解でき、刺激という言葉が僕の世界にはなかった。そこで突如現れた謎の少女。そりゃあ気になるだろう。

そして案の定今僕は退屈とは無縁の人生を送っていた。ていうかミアといると予想外のことが起こりすぎて逆に怖い。ミアが何しでかすか分からない分余計に。


今回のこの魔族・人間の初めての和解を試みるなんて数十年前では考えられないことだ。だって僕たちには人間族と仲良くして何になるという考え方のものしかいない。なんなら人間と天使は魔族にとっても永遠の敵だという者までいるのだ。

そんな考えの中で誰が人間と和解しようなんて言う。でも結論から見ると絶対に力で解決するよりもそちらのほうが断然いい。歴史上そうなのだ。流石にミアも天使族には無理だったみたいだけど。僕も天使族と言葉で和解して仲良くしようなんて提案されていたら、いくらミアでも反対していたところだ。天使族は……無理だ。僕らの恨み辛みの根源は全て天使族にある。それに天使族の目論み、あれは放っておく訳にはいかない。



転移が完了し、ジェネスタ国の王城につく。


時々僕は思うんだ。

僕はあの中で役に立てているのだろうか、と。

ミアは言わずもがな、あの中のリーダー的存在で常に僕たちを引っ張っていく張本人。いい意味でも悪い意味でもね。トウカは武に優れ、それに頭も回る。レーインは全女性にとって憧れの対象であるみたいだし(信じられないけど)、魔眼、魔術使いとしてはミアも認めるほどの才能を持っている。

それに比べて僕はどうだろうか。ただ少し頭の回転が速いだけではないか。今回僕は色々な面で多くの助言をするという立場にいる。今みんながそれぞれ散らばっているところも僕が適当に指定した場所だ。それにこの計画だって。

失敗したらどうしようとか、ここが間違っていたらどれくらいの犠牲が出るかとか、毎日考えない日はない。


僕は僕なりの力でミアの力になりたい。そう思う。


僕の特技、うまく丸め込む話し方が出来るおかげか、スムーズにジェネスタ国王にウラトリス王からの手紙を渡し終え、できるだけ早く準備してもらい、明日にはこの国を出発するそうだ。


僕の仕事はこれで終わりだとガリレイド国の王城へと帰ってきた。行く前に集合だと決めていた場所に人がいないのを見ると、どうやた僕は一番らしい。皆やらかしてはいないだろうか。サクラとミナギはきっと大丈夫だとは思うけど……トウカとレーインはやらかしてそうだな。うまく言えればいいが。


そんな胃がキリキリするような感覚を覚えながら皆の帰りを待つ。

それから数十分後、僕たちが各国に散らばってから1時間くらいだろう。全員が揃った。



◇◆◇


俺がフレスタイト国に配属されたのは意外とラッキーだったかもなと心のなかで思いながらチェスターを使い転移をする。

ミアもえげつないことをやるもんだ。それでもついていこうとするヒトが一定数いるから可能なことなんだけど……やっぱりすごいなと改めて思う。


ラムライト国国王は最近代替わりをして今は成人したての国王がその席についている。俺は何度かお忍び、、と言っても爺さんがいたが、よく遊んでもらった記憶があるのだ。とても話しやすい人で、最近はあってなかったからちょうどいい。


チェスターにラムライト国国王、エルネストの目の前に転移するようにしてもらう。


「おわっ!!」


「よお」


びっくりさせたのは悪いが、一人だったので邪魔させてもらう。久しぶりに見たエルネストは昔と変わらず、近所に住んでいる兄さんのような風格だった。(もちろん顔は抜群に良いが)


「えっ、お前なんでここに? どうやっていきなり現れたんだ……? まあいいか。とりあえず、久しぶりだな」


そう言って笑顔でハグしてこようとする。ハグには答えるが、、国王としてまあいいかはどうなのだ。これがもし王城のセキュリティに問題があるとかだったら大問題だぞ?


「久しぶり。あんま時間ないから手短に話させてもらうな。今、俺の親友が結構どえらいことしてんだよ。それで俺はその手伝い。この手紙見たらすぐにガリレイド国に来てくれ」


疑問に思っている様子を見せながらもエルネストは早速手紙の封をあけ、中を見る。その中身がガリレイド国国王のものだとわかった瞬間、一気に王の顔つきへと変わった。




「…………お前、国を動かせるくらいの親友いたのか? 勇者か? 王女か?」


エルネストは俺が勇者パーティーに所属していることを知っている。知られたときはお前が勇者パーティーとかって散々笑われたけど。


「いや、あと一人いるんだ。そっち。勇者も王女も、今は全員がそっちを手伝っている状態」


「いや、勇者パーティーもそうだけどこんな文書かせるそいつすげえな……。ま、ひとまず要件はわかった。すぐに準備するよ」


そう言うと使用人を呼びつけ、何やら打ち合わせを始める。その後は特に何もなかったのか、少しの間雑談をしていた。

ヴィスタ視点、ずっと書いてなかったのに途中で美凪視点ぶっ込んで、さらにこんなほわほわな感じでいいのかと思っている最中です。

でも思った以上にヴィスタの話が膨らまなかったのでごめんなさい(_ _;)

ご希望があれば頑張って書きます。



それとお知らせです!!


新作を投稿し始めました!

ばりばりの恋愛小説ですが、いつもとは違った感じで書いてます。ご興味のある方は是非。

切ない系(?)女の子です。

URL貼っときます!↓↓

https://ncode.syosetu.com/n0404ib/

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