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147 説得します

今めっちゃ書きづらい……。

軽い気持ちでこれ書いてたのにこういうことになるなんて……。

01/24に名前被ってたので変更しました。

ひとまず、さっきと同じ質問を問いかけてみる。


「ウラトリス王、先程と同じ質問ですが、あなたは魔族についてどう思いますか? まだあなた達の敵ですか?」


「……? 当たり前であろう…魔族は……、……っ!! ……確かに魔族に殺された国民もいないわけではない。憎くないといえば嘘になる。だが……先程までのどうしようも言えない嫌悪感は、、抱かない。これは一体……」


「それが天使族の洗脳です。私達に魔族を絶対的悪だと思い込ませ、戦わせる。だっておかしいと思いませんか? 私達人間は魔族と激しい戦いを繰り広げているのに必ず生き残って返ってくる多くの者は天使族ばかり。人間は天使族と比べて色々な面で劣っている物が多いかもしれませんが、天使族に私達を思う気持ちがあるのであればこれ以上戦況が酷くなる前に撤退も出来るはずです。それでも私達は気づかなかった。死んででも戦うべきだと疑わなかった。それこそ天使族の思惑なんだと思います。捨て駒にするための人員」


ウラトリス王は玲央の話にじっと耳を傾け、眉間に皺を寄せている。色々と信じられないのだろう。それに洗脳が溶けたばかりでわからないとはいえまだ頭が辛いはずだ。あまり無理はしないほうがいいと思うが……。


「しかし3万の軍が帰らなかった日、あの日は共に行っていた天使族も誰一人として帰ってきていないはずだ。帰ってきたものの精神的におかしくなっているやつが多く、まともなやつはそれこそバリスだけだと思うが」


「ああ、あれは私がやりましたから。魔界にいきなり侵攻されて誰が平気でいられましょう。出来るだけ魔界に侵入される前に食い止めたかったというのがこちらの意図です。天使族も人間族も、誰一人として逃さないつもりでしたが……残ったのは予想外でした」


私の言葉に衝撃を受けたのか騙ってしまった。うーん、これ以上どういったたいいものだろうか。





「失礼しまーす」


場の空気が重いまま脳天気な声が部屋に響く。……美凪君、それはどうなのだ? ていうかなんで今来た? 連絡したっけ。そう思ってスマホを開けると桜子が数分前、ちょうど私が洗脳を解き終わったくらいに連絡いれてる。


「あれ、今だめだった感じ? それなら連絡入れといてほしかったんだけど……」


失礼しますって言いながら返事も聞かずに部屋に入ってくるあんたもあんたよ。普通は駄目だからね。女子の部屋と王様の部屋は特に!


「いえ、いいところに来たわね。座るところは……」


ないね。この部屋、4人しか座れないようになっているんだけど……、仕方ない。と、私の空間収納から美凪、トウカ、レーイン、ヴィスタの分の椅子を出す。私の横と後ろに並べるようにおいた。


「で、今どんな状況?」


「ウラトリス王の洗脳を解いて天使族が何してたかを話してたところ。なかなか進まない」


ヴィスタの質問に玲央が必要最低限の量で伝える。なるほどと軽く頷いたところでヴィスタの説得が始まった。


「ウラトリス王、私達も魔族です」


いきなりの告白と同時にヴィスタ、トウカ、レーインが一斉にフードを取る。いや、情報多々すぎるだろ。いきなりいくのか。


「そこにいるミアはまだしも私達は明らかに風貌が違うでしょう。そして不思議に思いませんか? あなた達の魔族への概念と明らかに異なるところ」


はっと気づいたようだ。そういえばその手があった。


「誰が魔族は赤目で瘴気を纏っているといったのですか? 私達魔族は誰しも生まれた頃からあんな風貌をしていません。あれは天使族が意図的に作ったあなた達人間のための魔族の姿。あの姿、闇堕ちしてしまった魔族は誰も正気でいられなくなる。だから人間や天使を襲うのです。そしてより人間に魔族に対する憎悪感を増幅させるように仕向ける。これが天使族の意図です。これでわかりましたか?」


もうこれ以上説明の余地はないと思うが……。


「……確かに、私の目の前の事実と今まで教えられていたことが異なっている事は分かった。このことを素直に受け入れられるのもきっと混沌の魔人……ミア殿が洗脳とやらを解いたからであろう」


少し沈黙が訪れたあと、ウラトリス王は宣言した。


「…………分かった。今はそなたらに協力しよう。私も今となっては天使族のやり方に疑問を感じるところもある。それにもしそなたらが言っていることが本当であればそれは許されるべきではない。だが私も一国の王。そなたらが私達を騙そうとしていると判断した際にはすぐさま天使族との同盟を取り戻し、魔族を滅ぼさんとする」



よしっっ!! うまく行った!!

協力の証として私とウラトリス王は握手をする。なんか教科書に乗ってる感じでむず痒いな。


「ウラトリス王、先程ミファエラが来ていたと仰ってましたね。軍を集めなければいけないとも。それならば他5カ国の王をこちらに呼び集めてもらうことは可能ですか?」


「ああ、可能ではあるが……」


一体どうしてもそれが必要なのだと言いたげな様子だ。

そこからヴィスタが中心となって私達が考えている計画を話しだした。ふむ……とひとつひとつ理解しながら聞いている様子である。



「……なるほど。理解はできた。私もその方法でいいとは思うが……私が各国の王に向けて収集の文を書いたとしてもそれが届くまでに軽く見積もって2日。そこから準備などを進め、王たちがガリレイド国に来るには今から最短でも5日は予定していた方がいい」


こちらはあまり時間がないため、できれば早めの方がいい。魔族側はさっきの一連の会話を録音してゲルさんに送ってあるからあちらはあちらで軍の収集など、なんとかしてくれるはずだ。


「手紙は私達が転移で今すぐに送り届けます。それで時短にはなるでしょう」


まあ詳しいことは大丈夫だとヴィスタが言い、疑いながらもウラトリス王は便覧にかく準備を始めていた。

ウラトリス王が5枚の手紙を書き終えた頃と同時に、5人は私達の前から消えた。


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