144 I did it(日本語訳:やっちまった)
遅くなってごめんなさい(_ _;)
ちょっと今週忙しすぎて更新が難しく……。
次回の更新来週になるかもです。すみません(_ _)
ガリレイド国の王城内部、どこだかわからない部屋に移動させられた。
「チェスター、ここ誰の部屋?」
『レオの部屋だよー。さっき送っていったときにここがいいって言われたの。だからミア達もこの部屋に転移させたー』
流石、できる子は違うわ。ありがとうとお礼を言うと嬉しそうにくるくる周り姿を消した。
「……さて。とはいったものの勝手に人様のプライベート空間に居座るのはどうなのだろうか」
「うん。それは大いに賛成するね」
「別にいいんじゃないか? 見たところやましいものや特別散らかっているわけでもなし」
私、ヴィスタが落ち着かずにそわそわしている一方で、トウカとレーインはまるで自分の部屋のようにくつろいでいる。この違いはなんだ……? 育ちか?
待つこと数十分間、ぱたんと扉が開いた。
玲央以外だったらまずいと思い、急遽隠密スキルを私を含めた全員にかける。が、杞憂に終わったようだ。玲央が少し疲れた様子で椅子に座ろうとしていた瞬間、パチンと隠密スキルをとく。
「やっほー、玲央」
「うわあっっ!!」
あ、やってしまった。
そりゃそうか。いきなり現れたら誰だって怖い。反省反省。
「ごめんごめん。もし玲央じゃなかったらやばいと思ってさ。隠密スキルをかけてたの。ここ、今から誰も人こない?」
「来ないけど、、あ、サクラとミナギも呼んでくるよ。都達は適当にそこに座ってて。あと誰が来ても開けないでね」
はーいと手を降って送り出す。サクラとミナギを呼んでくるということはふたりとも城内にいるのか。サクラは自分家だからまだしも美凪なんて部外者そのものだと思うが、、まあ玲央もこんな立派な部屋もらってるし勇者パーティーというだけで王城での生活権を与えられるのかもしれない。
玲央が桜子と美凪を連れて戻ってきたのは出て行ってから数分後だった。
「じゃあ早速だけど本題に入ろうか。でも都、もう少し遅かったら危なかったよ。さっきまでミファエラが来ていたから。ていうか数十分間いたなら被ってるんだけど。気づいていた様子はなかったけど、、」
おっと。知らない間にガンガン危ない橋を渡っていたではないか。
「たぶん私達のローブのおかげだと思う。このローブ、私達が魔族であることは勿論、気配も遮断してくれるから。ミファエラは気づかなかったんだよ」
なるほどと目の間の三人が頷く。
しかしもうミファエラが動いたのか。思っていた以上に早かった。これは……ヴィスタの考えがあっている可能性が高くなってきた。
「ミファエラがいたのを知ってたってことは玲央もその席に同席してたってこと? だってきっとミファエラの訪問は決められていたものじゃなかったはずだから」
「うん、そのとおりだ。やっぱり都達が宣戦布告してきたからなんだね。勿論僕も、サクラもミナギもその席にいた。すぐにでも魔界に襲撃できるように軍を集めておくようにと、それもガリレイド国だけじゃなくて6カ国全ての軍を、だ。全面戦争でもする気なんだと思う」
確かにそうだな。
普通警戒だけで6カ国全ての軍を収集するなんて言わないだろう。玲央の言う通り全面戦争をするという考えでいってもおかしくはないだろう。
「でもだったらこれからの計画、私が皆の洗脳を解く際に各国の王を呼んでもおかしくなくなったね。なんせ全国の軍を集めなきゃいけないんでしょ? だったら全国の人達が不自然に集まっててもそれは不自然にはならない」
ミファエラの異様に早い判断は気になるけど、これでもっとやりやすくなったのは間違いない。まずはウラトリス王の洗脳解除が先だけど、、
「ウラトリス王の洗脳解除の前に僕からのプレゼント。連絡手段、これで確実に効率が上がると思うから」
────そう、なんと、あのスマホが。私達の手元に……!!
玲央達もびっくりしすぎて自分たちの手元にある渡されたものを凝視していた。気持ちはわかる。うん。私もはじめはそうだった。
「これ、、なんでこんなところにあるの?」
「成田充さんっていう人がエルフ族のところにいたらしいんだけどね。本人の書いた手紙には異世界転移って書いてあったんだけど、、その人が書いてたものをヴィスタが再現したの。残念ながら本人は何百年も前に他界してしまったらしいけど」
「成田充さんってあの成田充さん!? 日本を代表する有名な人だよ。でも時間軸がおかしいね。成田さんは僕達が死ぬ前まで生きていたはずだ。おそらく彼が転生したのは早くて16年前後、遅くても僕たちが転生したよりも後のはず。それなのに数百年前にこの世界に存在したっていうことは、転移の際に空間的なものが歪んだんだろうか……」
…………うん! ややこしい話はよくわかんないけどきっとそういうことだ。そしてやっぱり成田さん、有名な人だった。私が知らなかっただけでした、ごめんなさい。
「……すまない。さっきからミア達は何を言っているんだ? 転移? 転生?」
あ、そういえばトウカ達がいたんだ。玲央と話してたらすっかり前世気分になっちゃって。
とりあえず、とりあえず、、
うん。やらかした。




