138 個性的な自己紹介の集まり
部屋の中を見渡すと改めて面白いメンバーだなと思った。
魔族側が私、トウカ、レーイン、ヴィスタ。(私を除いた全員が族長の子供達)
人間側が勇者の玲央、聖女で王女の桜子、一応国一番の魔導士美凪。
揃うものだねえ。
「どうしてここにお前らがいるんだよ」
トウカが玲央たちに対してびっくりしたような、あまり歓迎してなさそうな声色で言う。
「ほんとにその通りだわ。お花畑もいるじゃない」
「ふ、こんにちは。久しぶりでもないわね。誰がお花畑ですって? 都の隣で笑うことしかしていない貴方には言われたくないわ」
レーインの嫌味たっぷりの言葉に負けじと桜子も言い返す。
うーん……。まあ、あんまり仲がいいという感じでは百歩譲ってもないね。特にトウカと玲央、レーインと桜子の関係が月と太陽くらい距離があるように感じる。その隣ではヴィスタと美凪があーあ、という感じにこの様子を見つめていた。私も2人に深く同意である。
「…………ま、4人ともそれくらいにしておいて、今日は喧嘩するために来たんじゃないでしょ? なかなかないよ、こうして集まれるのは。どうする? 先に自己紹介でもしておく?」
そういえば玲央達の紹介は私の知り合いだということしか言っていない。しかもトウカ達のことも私が急いで説明しただけで本人達の口からは言っていないわけだし……。
「じゃあまずは私から。改めましてこんにちは。魔人のミアだよ☆ 混沌の魔人らしいけど、掘り起こさないでくれるとありがたいな! 好きなものは周りを気にせずに剣を振り回すことと、いっぱい食べることだよ! みんな、よろしくね!」
暗すぎる場のテンションをむりやり上げるべく、わざと明るすぎるくらいに言う。たぶんちょっと語尾に星なんかもついてたと思う。正直私は自己紹介なんていらないんだけどさ。こうしないと始まらないじゃない?
「……そのテンションで言ったら疲れるのは都だぞ? まあいいか。俺はアルミナ・アナガリス。魔導師だ。俺も自己紹介は必要ないかもしれないが、、」
「ええっ!? ミナギ、お前アルミナっていう名前だったのか??」
「おい、トウカ。俺はお前達に会った一番初めに名乗ってるぞ。忘れんな」
ミナギには申し訳ないけど私達魔族側は全員同じ意見だ。
しかもこの場だったら誰ひとりとしてアルミナって呼ぶ人はいないから余計ね。ミナギの自己紹介は十分な必要性があった。なんでみんな美凪って呼ぶようになったんだっけ。…………ああっ、そうだ。私がそう呼んでたからだ。原因私か。
玲央も桜子も呼び方どうしようかなあ。……でも別に2人に関しては本名と対して違いはないし今まで通りでいいだろう。
「トウカだ。鬼人族」
必要最低限しか喋っていないトウカ。ブレないのは流石だなと思う。どうやら先に魔族側から名乗っていくそうだ。だったら美凪はちょっとKY(くうきよめない)だね。
「レーインよ。吸血鬼族。どこぞのお花畑さんとは違ってちゃんとミアの役にたっているわ。親友面としても戦力面としてもね」
はあ? と桜子が言い返す。……取り敢えず無視だ無視。
「エルフのヴィスタです。僕の目を見ると危ないよ? 動けなくなるかも」
えっ!? と私を含めた6人が一斉に下を向く。そんな話は初耳なのですが。
「冗談だよ。冗談」
ははは、と笑うヴィスタの心理はよくわからない。しかもなんかヴィスタが言ったら本当のことなのか嘘の事なのかわからない。それにヴィスタの瞳は不思議な雰囲気を醸し出しているから余計。たぶん本人はそれを自覚してさっきの言葉を言っている。確信犯だ。ほんとに心臓はき出しそうになるから素直にやめてほしい。
「今代勇者、レオンハルト・コンフォードです。一応侯爵子息だけど、、たぶんここでは位なんてなんの意味もないね」
「聖女、サクラシア・ガリレイドよ。ガリレイド国の第一王女だけど、、レオンと同じで爵位なんてここではなんの意味もないかもしれないわ」
これで、、一通り終わったかな?
まあまだ雰囲気はよろしくないかもしれないが……時間がないからね。学校に入学したての頃みたいな感じではじめはなかなか馴染めないものよ。たぶん。たぶんっていうのは私自身がずっと生まれたときから玲央達3人が隣りにいて、尚且つなんでかわからないけど10年間一緒のクラスだからね。もはやここまで来たら奇跡というよりもなんか裏で小細工してるんじゃなないかを疑うほうが普通だ。
そんなこんなでそんなうぶな経験はしたことがない私だが、、今も周りの人がなっている感じだ。
私はここにいるみんなと結構仲いいからね。
みんなには……頑張ってもらおう。
ほんとにどうでもいいですが、アルミナという名前についてです。私自身、この名前は語呂でつけたのですが、よくよく考えてアルミナって女みたいな名前だなと思って調べてみました。その結果です。
【アルミナ】
アルミナ(Al2O3)セラミックスは、古くから研究され、物性面、製造技術面においても安定しており、 酸化物系セラミックススの代表格。 高硬度、絶縁、耐熱性に優れ、常温での機械的強度のバランスが良い。
でした。色々と省いていますがこんな感じです。
まあ……内容はこんな感じなんで、自分的には美凪につけても大丈夫かなと思いました。
あとついでに、レーインの名前誕生日秘話は私が昔の歴史のテストでソ連初代指導者レーニンをレーインと書き間違えたからです。なんだか記憶に残っててそれを使いました。




