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134 《決意》

当分レオン視点です

分からない。

何故都があんな場所にいたのか。何故都は自分を混沌の魔人だと認め、あのような自信で自分を貫き通せるのか。

久しぶりの再会は何か霧がかかってしまったような形で終わってしまった。このもやもやがずっと晴れない。


「都は……自分が間違いではないと思ったことは最後まで貫き通す人よ。あれだけ自分の意志がしっかりしてるんだもん。もしかして魔族によって何かの特殊異常状態にかかってないのかなって思って調べてみたんだけど多分(・・)違う」


「多分?」


サクラの鑑定は絶対だ。普通の人が使う鑑定は相手の総合値やスキルを見ることができるだけだが、聖女が使うことのできる鑑定は、その相手が特殊状態にかかっていないかを見ることができる。その確率はほぼ100%と言っていいほど精密にできているのだが、多分という言葉を使うということは明確ではないということ?


「分からなかったのよ。私が鑑定をしようと思うと弾き飛ばされたわ。なにか大きな壁があるみたいに。どれだけ頑張って見ようと思ってもちっとも見えないの。一緒にいた他の3人もそうだった。あんなの初めて」


はあ、とサクラが大きなため息をつく。


「まあ、そりゃそうだな。鑑定は自分よりもスキルが高いやつには出来ない」


「いや、レベルが私より高い人でも私、鑑定できるよ」


「そういう人も稀にいるらしいが、その場合だと都とサクラの総合値が桁外れに違うのが問題だろうよ。ちなみに俺も見れない」


え!? と二人で驚く。

だって美凪のレベルや総合値は僕たちよりも桁が違いすぎる。その美凪が見ることができない……?

僕の疑問に気づいたのかふっと美凪が小さく笑った。


「あいつ、やばいぜ? 俺は2万くらいだろ? 都は20万くらい。ちょうど俺よりも0が一つ多いんだよ」


20万!?!?

まって。それはあの都がってこと? 


「どうしたらそんな数字になるのよ」


「あいつもあいつなりに努力してんだよ。宵闇あっただろ? あのパーティー、昨日あった奴らで全員なんだけどリーダーは都だ」


宵闇のリーダー。ということは噂による化け物級の強さの人だ。


はああぁぁ、と大きな息をついた。

都が今までどこを探していても見つからなかった理由。美凪が僕たちほど必死に都を探していなかった理由。どちらもきちんと繋がった。

そういうことだったんだ。



「ミナギ、私はまだあなたのこと許してないからね。都の居場所知ってるのなら早く教えなさいよ」


「でも魔族だっただろ? 魔族だとお前たち、とくにサクラが色々と言いそうで言うに言えなかったんだ」


「そんなのはじめだけよ。それに一緒に旅してたんでしょ? あの金髪何?! ほんとに腹たつ。私が今まで都の隣にずっといましたみたいな顔して」


「レーインは都ラブなところ強いからな。ま、サクラなら対抗できるんじゃないか?」


そういう問題か? でも今のサクラを見ると負けてられないわ的な顔してるから多分そうだろう。


「ねえミナギ」


なんだ? とこちらに向く。サクラはもういいようだ。


「ミナギはさ、どこまで知ってるの?」


天使族の事とか、混沌の魔人の事とか、本当に僕は何も知らなかった。


「俺もほんとに知らねえんだよ。前に話したことが全部。ああでも、ティナを助けに行ったことがあるって言ってだろ? あれは天使界にさらわれたのを宵闇で助けに行ったんだ」


「天使界にさらわれた?」


「そ。最近増えてるそうだ。酷いだろ? 俺も出来るなら止めたいと思うんだがな……。どうやればいいか分かんねんだよ」


そうだ。僕達は魔王討伐のためのパーティー。

決して対天使族ではない。


「まずは手始めに情報収集なんてどう? まずは動かなきゃ。天使族に対抗するとしても色々な情報とか必要でしょう? それに都はまた魔王城でって言ってたわ。魔王城に行かなくちゃ何も始まらないんじゃないの? それに最近になってさらわれる数が増えてきてるってことはあまり悠長に迷ってなんていられないわ」


確かにサクラの言うとおりだ。動かなければ何も始まらない。魔王城に行く方法もまだ定かではない。天使族について何も知らない。そんな状態では駄目だろう。



「なら手始めに王立図書館にでも行ってみるか。あそこなら何かそれらしい文献があるかもしれねえし」


王立図書館とは名前の通りガリレイド国が誇る大きな図書館だ。国が直接取り扱っていて童話、詩集、歴史書、小説、専門的な本に至るまで様々な種類がおいてある。

その上誰でも初めの身体検査を受ければ入場可能だ。まだ前世のような貸し出しは行っていないがそれでも本の価値が高いこの国では平民も本が読めるというのは良いことだろう。


僕達は明日に備えて、早くに就寝した。


【鑑定について】

鑑定を使える人は多いがその精密度は違う。

 ➀自分より高い総合値でも見ることができる。

  (±10.000くらいまでなら)←サクラここ

 ②自分より高いレベルでも見ることができる。

  (総合値が違いすぎたら見れない)

 ③同じくらいのもの又は自分よりも下のものしか見れない。


みたいな感じです。一応111話と112話の間のスキルについてというところにも足しときます。

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