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132 〈行き詰まり〉ゲルディアス視点

久しぶりのゲルディアス様視点

「集まったか」


数百年に一度、必ず魔界の幹部が集まらなければ行けない日がある。今回はそれが今日だ。

何も話すことがなければただの雑談会で終わる。その程度だ。


「なんだか数十年前まではなかなか会わないのが普通だったのにねえ。私達の娘達のおかげか、こうして顔をあわせる機会が増えたわ」


「私の息子もゲルディアス様の娘様にはお世話になっているようだ。いつも楽しそうにしている」


「いや、絶対に世話しているのはジンの息子の方だろう」


あいつがあの中でジンやイリアス、ヴィルクの子供たちの世話しているとは思えない。どちらかといえばああいうタイプは突っ走って周りに止められて迷惑をかけるタイプだ。


「私もミア様にはお会いしましたが面白いお方ですね。絶対に出来ないだろうということを難なくやり遂げていらっしゃる」


「闇堕ちを治すとか規格外でしたし……私の一族も大変お世話になりました。本当に頭が上がりません」


「僕もミア様に解読していただいた歴史書のお陰で開発がとても進んでいます。最近は毎日が楽しいですね」


あいつは一体何をしているのだろうか。ミアは解読なんて技術持っていたのか? それすら初耳だが。

そういえば魔石集めなんてものもしていたな。それで各族長とも認識があるのか。つくづく規格外なやつだ。


「それで? 今日話すことはあるのかしら」


イリアスからの言葉に皆一斉に面持ちが変わる。


「ああ。最近は天使族に攫われるものが増えすぎている。どれだけ警備を強化しても、魔族に注意喚起しても、あいつら、天使族はその間をすり抜けて攫いに来る。ミア達にも攫われたものの救助を行ってもらっているがそれでも間に合わない」


「そうだな。一人に頼ってばかりだと必ずいつかは亀裂が入る。永遠ものもは絶対に作れない」


かといって何かの案が出るわけでもない。この問題は数百年前からも続けられてきた。今はとくに酷い。ミアがこちらの世界に来てからも急激に酷くなった。が、ミアが来た分もとに戻せることもわかったが、天使族にとってはおそらくミアは未知の生物。


「レーインも色々とやっているそうね。そういえばこの前まで人間とも一緒に旅していたそうじゃない? 魔族が人間といるなんて、そして本当に一部だけど受け入れられているなんて、これはきっとすごく大きな変化だと思うわ」


人間と交流。そういえばそんなことも言っていたような言っていなかったような。私達では考えられないことだ。そもそも人間も天使も無闇矢鱈と関わるものではないと思っていた。


「変化は必ず違った結果に繋がりますからね。それが良い方向か悪い方向かは分かりませんが、、」


ジンが言う。


「良い方向か悪い方向かはこれからの私達の行動で決まっていくでしょう。だからこそここで間違えるわけにはいかないと思います」


ラトーが珍しく意見する。ラトーが少し変わったのもミアの影響があるのだろうか。


「私はあまり天使族に近づきすぎるのは良くないと思いますね。失敗したときのリスクが高すぎます」


「ケリスナの意見は最もですがここはあえて近づくべきではないでしょうか。皆様も先程言っていたように変化が起きている今こそチャンスだと思います。いつものように"何もしない"だったら変らない。私は研究ばかりしていてるのであまり情勢は分からなないので偉そうなことは言えませんが……」


これでは堂々巡りだ。私自身もどうするのが最善か正直分からない。また面倒なことが増えたと、皆頭をかかえる。


誰も言えない、何の案も浮かんでこない。


会議としては最悪の状態に陥ってしまった。

しんっと沈黙が訪れる。




───この沈黙を破ったのは予想外の人物だった。


短くてすみません。前回ちょっと長めだったので許してください。

きりが良かったのでここできらせてもらいました。


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