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127 《再会3》

「ねえ、あなたは何なの? ミアとどういう関係かしらないけど勝手に自分たちの世界作らないでくれる? 私もミアもあなたみたいなお花畑にはかまっている暇がないのよ。用事がないなら今すぐ私達は出ていいかしら? もちろんミアも連れて行くわね」


イライラとした表情を隠そうともせず都の隣りにいた金髪の美少女がサクラに言い放つ。その言葉にカチンと来たのかサクラとその美少女との言い合いが始まった。


「はあ!? あんたに何が分かるっていうのよ。それにミアって何? 都は都。私の、私達の都を勝手に取らないでくれる?」


「取るって何? あなたの方こそ何なのって話よ。ミアは小さい時からずっと私達の仲間だったわ。あなたなんて初めて見た顔だし、見た感じミアのこと何も知らないでしょう。どんな生活してたか、何が好きか、好きなタイプは何か、足のサイズは何センチか、寝る前の寝ぼけていった寝言はちょっと笑えるとか」


「え、それは私も知らな……」


「は!? 好きなこと、タイプ、寝る前の寝ぼけたとこなんて何回も見てるし!? じゃあ知ってる? 都は意外と寝てたら収まりがいいのよ。どうせ一緒の布団で寝たこともないんでしょう」


サクラはフンっと勝ちきったように鼻で笑い飛ばした。

……一体何の争いをしているのか?


「……ねえねえ。当事者の私が入っても大丈夫?」


おそるおそるというように都が話に入ってきた。


「えーと、サクラ、久しぶり。私はね、こっちも世界ではミアって呼ばれてるの。是非とも混沌の魔人とかいうちょっと痛い名前で呼ばないでほしいなー。なんかこんな登場の仕方になってしまってごめんね? 今は忙しいからまたゆっくり話せる機会があれば。レーインも!! もう、なんであった初っ端喧嘩吹っ掛けるの」


「腹が立ったわ」


「……正直なのはいい事だけどさ」


「ミア、そろそろ時間やばくないか。これ以上引き伸ばしてたらゲルディアス様に色々言われるぞ」


後ろで赤と白のグラデーションの青年が都に声をかける。


「え、もうそんな時間? ……ウィスター達使うからさ、あと何分大丈夫?」


「最高30分だ」


「ありがとう!」



くるっと都がこちらに振り返る。


「こっちの世界では初めてだから軽く自己紹介。名前はミア。魔人やってます。で、金髪が吸血鬼のレーイン、赤白が鬼人のトウカ、人間離れしてるのがエルフのヴィスタ。多分これから何度か関わりあると思うから」



「都、、会ってすぐ悪いし、本当はこんなこと聞きたくないけど、、」


けれどどうしても聞いて置かなければいけない。あまりに予想外すぎてこんなことは想像もしていなかったから。

都も何を聞かれるのか薄々感じ取っているのだろう。全て知っているような笑みで僕の言葉を待っている。


「ここにいる騎士の人達は全員都達がやったの? 大量発生したらしい魔族も見当たらないし、それに何故数年前に人間と天使を虐殺する混沌の魔人になんてなったの?」


少し時間があく。どんどんと空気が重くなっているのは気の所為ではないだろう。けれどもここで諦める訳にはいかない。国のためにも僕のためにも。


「…………そうだね。この人達は私達がやったよ。でもまだ息はあるから連れて帰ってあげたら時間もたたないうちに目が覚めると思う。本当はこんなことするはずじゃなかったんだけどね。魔族を魔界に送り返そうとするとこの人たちが邪魔してきて邪魔だったから。それと、、混沌の魔人の件ね。あれは別に私が悪いとは思っていないよ」


「どうして!? だって3万人もの命が……」


僕の必死な叫びにただにこりと笑って言い放った。


「それがどうしたの? 怜央は何か勘違いしているみたいだけど、あれ、実際は魔界は奇襲に合うはずだったんだよ。私が早くに気づいてとめに行ったけど。放っておいたら数百年前の"最悪の日"のようになるところだった。数十万人の命がなんにもやってないのに、ただ生きているというだけで殺される。何故それを私が見逃すと思うの? 何故そんなことをしてくる奴らに私が慈悲なんて見せなきゃいけないの?」


都の言葉にただ固まるしかなかった。


「怜央達はね。まだ知らないことが世界にはいっぱいあるのよ。知ってる? 私達がどうやって暮らしているか、どんな文明が育っているのか、何故こんなにも人間と天使に敵対されなきゃいけないのか。私がもう答えちゃったら意味ないから怜央達が分かったら魔王城に来て。そこからが怜央達のスタート」


そう残して都は他の3人の方へ歩いて行く。どうやらこれで今話したいことは全てらしい。


「ねえ、都って魔王……なの?」


「魔王じゃないよ。勇者パーティーは魔王の討伐に来てるんでしょう。じゃあやめておいたほうがいいよ。ゲルさんは怜央達の何倍も強い。詳しくはミナギに聞いて」


ばいばい、と手を上げると4人の周りをいつしか見た黒と白の狐がくるくると回ってすうっと4人は消えてしまった。あの狐たちは都のだったのか。




色々なことが分からなくなってしまった。わからないけど、わからないからこそ僕達は調べるんだ。


そしてもう一度都に会いに。

ここでひとまず怜央視点終わりです!! 次回からはミアに戻ります! お待たせしました……m(__)m

それと次回からは"終章"に入ろうと思います。いよいよ終わりが見えてきました……。最後まで頑張っていきたいと思います!


面白いな・続きが気になると思った方は、評価、ブックマーク、感想ぜひぜひお願いします!!


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[一言] ミアは神様達に闇落ち等、教えてもらってるくせに上から目線で何なの?
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