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10 可憐な女子高生は卒業なのね……。

あーーお腹いっぱい!


さっき間違えて肉の実をもいじゃったせいで急遽バーベキューを開くことになった。


いやー、見事だったね。

ちょっと開けた場所に出たと思ったらいきなり座らされてそこからゲルさんの魔法劇場!


土魔法でバーベキューコンロみたいな形のものを作り上げて、錬金術で金網をセット。

自然魔法で木を出してコンロの中に設置。

火魔法でその木を燃やしながら風魔法の微妙な調節で絶妙な火加減に!!

そこにさっき間違えて私が出しちゃったお肉を風魔法で細かく刻んだら金網に並べて焼肉セットの完成!!


素晴らしい。

もうこれ見たら魔法はこのためにあるんだと言っても過言ではないね。

私今は光魔法と闇魔法しか使えないからまだまだ先の話だけど。


とまあ、ゲルさんの魔法に感心しながらお肉(多分牛みたいな味だった)を美味しく頂いて、現在またまたゲルさんの腕のなかです。

日も落ちてきて黄昏時になってきたから帰っている途中です。


いつもいつもすみませんねー、ゲルさん。

だってさー、絶対3歳児の足で歩くよりも早いもん。

しかも私、自分で言うのもあれだけど羽のように軽いからそんなにお荷物にはなっていないはずだよ! だってゲルさん、片手で私のこと持ってるもん。何なら指1つでも大丈夫そう。



特にこれといった会話もなく、今日の朝いた城下町に早戻ってまいりました。

しかしついさっきまで賑わっていたはずが、様子がおかしい。



ん??

なんだか向こうのほうが騒がしいような……。




「おーいっ!! 早く逃げろ!! "闇堕ち"だっ!!」


ワッツ、ヤミオチ??

ここからじゃ逃げる人たちが邪魔で向こうがどうなっているのか見えない。

闇堕ちって言葉の響きだけでもヤバそう……。


「ゲルさん、闇堕ちって何?」


「ミアは闇堕ちを見るのは初めてか。闇堕ちとはその言葉のまま、闇に墜ちてしまった者のことをさす。人間や天使どもがこちらに攻撃を仕掛けだしたあたりから闇堕ちする魔族が増え続けているのだ。今回もその一種だろう」


人間と天使が攻撃?

そこらへんよくわかんないけどとりあえず行ったほうが良くない? 急がないとここらへん滅茶苦茶にされるよ?


「そこにいく」


「ああ、どうやら今回は大型の種族が闇堕ちしているらしいな。門兵では止めるのが難しいだろう」


二人で(私はゲルさんに抱えられて)騒ぎの中心へ向かう。













「ガルルルルッッッッ!!!!!」



おおお、すっごい迫力。

なんの種族かはわからないけど大きな熊みたいな者が真っ黒の霧におおわれて、目だけが爛々と赤に光っている。


「見てみろ。目が真っ赤になっているという事は自我が保てていないということ。あの黒い霧は闇堕ちする際に自分の中の魔力が合わさりあって自らを蝕むようになっているのだ。よく覚えておくといい」


冷静な解説はいりましたー。


「わかった。このあとはどうするの? ある程度周りに人はいなくなったと思うんだけど」


「そろそろ始めるか。…………いやまて、ミア、今回はミアがやってみろ。あれはまだ闇堕ちして間もない。簡単にやれるだろう。殺しても構わないぞ」


えええーー!!

あんなヤバそうなのをこんな小さな子に押し付けると。

闇堕ちした者を見るのも初めて出しなおかつ戦うのも初めてだぞ? 何なら外に出たのも初めてだぞ? そんな危険な状態で任せると。


ほらーー。門兵の人たちも必死な形相になって止めてるじゃん。


あっ、押し返したな!! そこまでして私にやってほしいか。

うわー、ゲルさんニヤニヤしながらこっち見てる。

なーんか腹立つー。いいよ、殺ってやろうじゃないの。



一度息を整える。

正直恐怖はない。まあ一度死んでるしね。

改めて相手を見てみる。


相手は我を失った魔獣。それに比べて私は考える力を持った魔人。

一応鑑定


【種族 アウルベアー  名前 ディス  Lv30

 HP 350(350)

 MP 112(120)

 SP 430(500)

 総合値 892 (970)

 状態 闇堕ち


 スキル「体術Lv2」「投手Lv2」「火魔法Lv3」「火魔法耐性Lv3」「打撃耐性Lv3」「病気耐性Lv1」                     】



余裕じゃね? 数値私よりもだいぶ低いし。

魔法とか使い方わかんないからとりあえず物理攻撃から攻めてみるか。



向こうも私の行動を察したのかすっと攻撃の構えに入る。

と、私が動く前に飛びかかってきた。


私はそれをかわし…………ません!!

相手の50分の1くらいの小さい体を生かしてお腹の近くへと滑り込む。


とりあえずパンチを一発。



バーンッッッと派手な音をさせて相手が吹っ飛んだ。



えええ…………。



吹っ飛んだ方へ近づいてみる。

相手は見事にみぞおちのあたりに直径50センチくらいの穴を開けて倒れていた。


どうしよう。

殺してもいいっては言われたけどこんなあっけなく終わるとは思ってなかったもん。


ええ、、門兵さん。そんな化け物を見るような目でこっち見ないでよ……。ちょっと傷つくよ。


と急に目の前に文字が広がる。


〈個体、アウルベアー ディスを倒しました。

スキル、火魔法を入手〉

〈スキル、火魔法を入手しました。スキル火魔法耐性を入手〉

〈個体、アウルベアー ディスを倒しました。

スキル、投手を入手〉

〈条件をクリアしました。Lv1からLv2になりました〉


これって倒しちゃった感じ……?

いっぱいスキルもらえたけど……。




派手に血しぶきが飛び散った周辺と穴の空いた魔獣。その近くには返り血をたっぷり浴びた小さな少女と唖然とするギャラリー。そこに1人笑いをこらえきれておらず、肩をぷるぷる震わせている人。


おおい、ゲルさん笑ってないでこのカオスの状況をどうにかしよう? 

これはどうしたらいいの? 解体? 身内の方に引き渡す?

ここまでするつもりはなかったのよ? だから許してちょ。




怪我人(アウルベアーを除く)はいなかったし一件落着じゃない?




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