1 せめてトラックが良かった……。
間違えて消してしまいました……。
タイトル変えただけなので、内容は全く一緒です。
新作です!
どうぞ最後までお付き合いください(_ _)
次話は今日の8時頃更新予定です。
「ねえ、今日新作のクレープが出たの!! 一緒に食べに行こーよー!」
「桜子……今桜子が持ってる両手のクレープは私の見間違いか……? 玲央どうしよう、私勉強のしすぎでついに目までおかしくなってしまったかもしれない……!」
「大丈夫だ都。俺にも桜子が右手にチョコメロンパンホイップクリームクレープと左手にフルーツたっぷりカスタード特盛クレープを持っているのが見える」
「うえー、お前そんなの食べながら新作のクレープの話ししてたのかよ! しかも名前なんだっけ? チョコメロンパン……あー! わかんね!! 玲央よく知ってるな」
「姉さんが好きだ」
「なるほど……。ところで桜子、お前学校でなんて言われているか知ってるか? "高嶺の桜子様"だぞ!! うっけるー!! 学校生活どんなふうにしてたらそんなふうに言われんだよ! てかそんなに食べたら太るぞ」
「もう、失礼ね!! 私は食べても太りませーん! 全部胸に行きます!! 残念でしたー!」
「玲央……桜子一発殴ってもいい?」
「わーー!! ごめんって!」
と、いつも通りにお喋りをしながら帰っていた4人。
私、一宮都。
この中に入っていると、なんの取り柄もなくなる高校1年生。唯一の趣味は書店巡り。
隣でクレープ食べてる一見清楚系女子が本城桜子。
私達と話しているときはいつもこんな感じだが、絶対にクラスでは私達以外とは口をきかない。極度の人見知りとも思ったが、中学校までは普通だったため謎が深まるばかり……。
というかこいつは太らないのだろうか……。胸にばっかりいきやがって!!
完璧人間の超人、百瀬玲央。
文武両道、スポーツをやらせれば天下一、何か国語もをマスターしてるとかしていないとか……。
お姉さんが通訳士でその付き合いで何度も練習相手にされていたらしい。
顔も綺麗に整っていて、バレンタインのチョコはまさかの3桁!!
お調子者担当の倉井美凪。
彼、桜子と付き合ってる噂が跡を絶たないんだけど、本人たちいつも笑い飛ばしてるから真相は分からず……。
毎回空気を盛り上げてくれるのも、落ち込んでいるときに慰めてくれるのも彼なのでとても助かっている。
私達はマンションが同じで、昔から両親同士の仲も良かったため幼馴染として育てられてきた。
お互いのことなら何でも知ってる、そんな仲だった。
16歳の夏、夏休みに入る前の期末テストが終わって"久しぶりにどこか遊びに行こうぜ"、と美凪が桜子のチョコメロンパン……なんたらにかじりつきながら提案したその時だ。
一瞬の出来事だった。
どこからか飛び出してきた大型バスが私達に猛スピードで突っ込んできたのは。
逃げなきゃ……! と思うヒマもなかった。
気づいたときには4人とも空中に放り出され、景色がスローモーションになる。
さっきまでうるさいなと思っていた蝉の声も今はとても遠くにいるように聞こえ、ジメジメした暑さも感じない。
今は真夏の7月なのに、おかしいな……? と暑さを感じないことに対して場違いなことを考えていると走馬灯が走った。
初めて歩けるようになった頃のこと、4人で雪合戦をした記憶、一昨日の晩ごはんは美味しかったなど。
昔のことから今まで、大きい記憶から小さい記憶まで次々と頭によぎる。
みんな昔は可愛かったなー。あ、私もか!
そういえば走馬灯って"今まで経験した中でどうやったら死から逃れられるのか方法を探している"みたいなのを聞いたことがある。
あれってほんとかな? 仮に本当だとしても私今まで車になんてひかれたことないし、ましてや大型バスだ。
あれ? こういうのって普通トラックじゃないの? ラノベおなじみの……。
まあそう都合よくいくわけないかー。
ここまでの回想約3秒。
どさっと地面に落ち、4人はかろうじて息がある状態でお互いに視線を合わせる。
私達が落ちた場所にはどんどん血が広がっていき、4人もいるせいかちょっとした血の水溜りになっていた。
結構グロいっすね……。
ちょっとそこの奥さん。悲鳴をあげてないで救急車呼んでもらえませんか?
いや、怖いのも気持ち悪いのもわかりますし、パッと見ただけでも絶対もうダメだろーっていうのはわかりますけど一応ね?
バスの運転手は顔面蒼白で突っ立ってるだけだから多分当分は動きそうにないし。なんかぶつぶつ言ってる!! 怖っ!!!
ああ、どんどん意識が……。
「…………みんな……っ、まだ、生きてるか……! 俺たちは……もう時間が少ない……。死んでも、俺たちは……どこに行っても一緒だ……!」
玲央が苦しみながらも私達に話しかけてくれた。
ああ、これで玲央達と一緒に過ごすのも最後なんだ……。
そう自覚すると一気に悲しみが波のように流れ込んできた。みんなの目からどんどん涙が零れ落ちていく。もちろん私からも。
寂しい、もっと一緒にいたい。でももう無理だっていうのはみんなわかってる。
玲央以外の他の3人はもう声も出せない。
だから笑顔だけを向けた。それでも充分すぎるほどに分かる。何年も一緒にいたのだ。
徐々に視界が暗くなっていく。血が足りないのだろう。どこからか救急車のサイレンが聞こえた。誰か呼んだのだろうか。
視界が暗くなっていき音だけが最後に残り、ゆっくりと意識が薄れていった。
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