ドラゴンのステーキ2
ドラゴンとしては小ぶりだったが、解体するとその肉の量は二人分には多すぎた。
サニーはステーキの分をよけて、干し肉を作ろうと下準備を始めた。
レイニーは、持ち帰ったドラゴンの頭を焼き始めた。
「レイニー、本当に食べるのかい?」
「そうよ、サニー。目玉なんてなかなか食べられないわよ」
嬉しそうなレイニーを横目にサニーはやれやれと首を振って、干し肉作りの続きをした。
レイニーは料理が得意ではない。というか、塩を振って焼けばできあがりだと思っていた。
サニーはレイニーの大胆さが気に入っていたが、同じものを食べるのはちょっと遠慮したかった。
「なかなか焼けないわね」
レイニーはそう言いながら、たき火に薪をくべて、ドラゴンの頭を焼き続けている。
サニーはこっそりと解毒の魔法を、ドラゴンの焼かれている頭にかけた。
「サニーは順調そうね」
「ああ」
そう言いながらサニーは干し肉と、スモーク肉という長期保存に適した加工をテキパキとこなしていく。そしてサニーはステーキを焼いた。
しばらくすると二人とも作業は完了し、肉汁のしたたるドラゴンの頭とステーキが食卓に並んだ。
「レイニー、料理は僕がするよ」
白目をむいたドラゴンの頭をみながらサニーは言った。
レイニーはわかったわ、と言ってドラゴンの頭にフォークを刺した。
二人の新婚生活は始まったばかり。
これからうまくいくのかは、神様しか知らない。
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