ハトもたまには役に立つ。
鼻をつつかれる感触に目を覚ます。目を開けると、1日共に歩いた相棒と目が合う。正確にはずっと頭に乗っていたのだが。
目が覚めたら実は夢だったっなんてことはなく、異世界生活2日目の朝は訪れた。
昨日はスポドリを飲んだ後、疲れていたのですぐに寝ることにした。地面は硬くて寝心地は悪かったが、かなり疲れていたのですぐに寝てしまった。
「おはよう、ホワン」
ホワンとは我が相棒である白いハトの名前だ。昨日森の中を歩く途中につけた。white pigeon、略してホワン。いい名前だろ?
「よし、今日も街を目指して頑張るか」
(そういえば、スポドリ昨日で思わず全部飲んだまったんだよな)
すると突然、ホワンが飛び立ち、少し遠くの木の枝にとまり、こちらをじっとみてくる。
(なんだ、まさかついて来いってことか?)
ホワンの方へ歩いていくとまた少し離れたところにとまり、こちらをみる。やはり、ついて来いと言うことだろうか。これを数十回か繰り返すこと体感1時間ほど、だんだんと目の前が開けてきて、そしてついに、森を抜けることに成功した。
「やっとだ!!やっと森を出れたぞ!!」
俺は感動に震えた。そして、
森を出てすぐに俺の目の前に広がった光景は、
俺の肩くらいの高さの木の柵に囲まれた小さな村だった。