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戦場の詩

さいはての地に蝶を夢む

作者: 奥島左珠

かくも寂しき東の果てに

などて君は赴きて

君を育てし父母の

ただ誓いてし恋人の

待つ幾年を知りもせで

熱き血潮を捧げたる



吾が心はあくがれて

彼の銀の水底の

貝の黙に君を泣く

彼の荒野の半日花の

蝶の夢幻に君を知る

ある筈もなき青筋鳳蝶

背に乗せたる勾玉の

移らふことなき貌に

宿せし日々のいたはしさ



届く影のその横に

女の一人もあらんをば

泥のひとつもなかりせば



ああなどて君は赴きて

応う言葉を知りもせで

熱き血潮を捧げたる



まだみあはらぬ君を待ちて

老いたる吾が身も忘れきて

たうに失くした両の目は

さいはての地に蝶を夢む

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