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The Dark Side of The Moon 14

 あの若い男が行方不明になってからしばらく経ったある日。


 エセ文学少女ヒロリンこと立花博子一家が住むボロアパートの隣にある広大な敷地を持つ東京のある資産家が所有しているという噂はあるものの真相はよくわからず、地元住民から「幽霊屋敷」として呼ばれる戦前に移築されたともいわれる黒レンガ造りの洋館の一室では男たちが主に内緒で会議をおこなっていた。


「南校に入れた影からの情報、それから南校と仲介しているチンピラのアジトからの情報で一連の盗撮者の客は南校理事長の次男で間違いないです」


「さっそく、その変態を埋めましょう」


「いや、お嬢様の友人をつけ狙うそのロリコン盗撮写真愛好者だけでなく南校幹部を全員埋めるべきだ」


「私もそう思います。お嬢様が楽しい高校生生活を送るのに支障になると思われるものすべて排除すべきでしょう。だいたい女子高校生のスカートの中を盗撮した写真を見ることを生業としているような変態が運営に関わる学校など百害あって一利なしです。いっそのこと学校も焼いてしまいましょう」


「それはいい。自らの学校と一緒に火葬されるのであれば本望であろう」


「まったくです」


「そうは言っても、それだけ盛大にやれば怪しまれるだろう」


「もちろん、そこは抜かりなくやります。まあ、バレても田舎の警察程度なんとでもなる」


「私が言っているのは警察などではない。お嬢様だ。この件に関しては自分が仕置きするから我々は手出し無用と念を押されている。お嬢様の指示に従わなかったことがバレれば、この前のガキどもを沈めた硫酸のプールに我々自身が入ることになる」


「しかし、たとえそうなってもお嬢様が楽しい高校生生活を送るのに支障になる可能性があるものを事前に排除することこそ我々の務めでしょう」


「そのようなことはおまえに言われなくてもわかっている。とにかく現在我々が許されているのは南校内の情報網の構築までであり、お嬢様の指示があるまで学校関係者を始末するのは許さん。ただし……」


「ただし?」


「学校関係者以外については特別な指示は受けていない。私の言いたいことはわかるな」


「学校関係者以外は自由に狩ってもいいということですか?」


「この件については詳細を説明したうえで当主様の許可を取る。せっかく、このような田舎にこれだけのメンツが揃っているのだ。この町のゴミ掃除くらいはしてやろうではないか」


「いわゆる社会貢献というわけですね」


「そうだ」


「まずは盗撮を仲介したチンピラどもですか?」


「そういうことだ」

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