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小野寺麻里奈は全校男子の敵である  作者: 田丸 彬禰
第七章 その恐ろしき料理の名は
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橘恭平 妄想日記 Ⅳ

 今日初めてヒロリンの料理を食べた。


 それはとてもひどい出来であったが、そこは「ザ・パーフェクト」の異名を持つ俺である。


 約束した完食をきっちりと果たし、おかわりまでしてやった。


 麻里奈の馬鹿は俺が弱音を吐くと思っていたらしいが、残念ながらそうはならず非常に悔しがっていた。


 春香や恵理子先生も俺の有言実行ぶりに感心していた。


 もちろんまみも。


 それにしても、ヒロリンはよくあれほどまずい料理をつくれるものだと感心してしまう。


 せっかくだから、あれがどのようなものであったかを少しだけ書いておこう。


 そもそもの間違いは、出来もしない生パスタをつくろうとしたことだ。


 材料が違う。


 分量はいい加減。


 つくりかたは適当。


 これで出来上がったら驚きだ。


 もちろん、出来上がったのはパスタとは縁もゆかりもないものだった。


 だが、これだけでは終わらない。


 麺よりも問題なのはソースだ。


 元々つくるべきものはカルボナーラだ。


 なぜ、トマトソースになる。


 いや、本物のトマトソースならいい。


 出来上がったものはトマトソースでもない。


 それどころか、人間が口にすべきものですらない。


 名門北高男子の鑑である俺は普段は他人の悪口は言わない。


 だが、ここはあえて言わせてもらう。


 あれは人間の食べ物ではない。


 さすがにここまで書いてしまうと実は俺が料理を食べきれず残したかのように思われるので、誤解のないようにもう一度書いておくことにする。


 俺は見事に完食した。


 完食したのだ。

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