がーるずとーく Ⅴ
千葉県の田舎にある千葉県立北総高等学校通称北高。
その敷地の端にポツンと建つ古い木造校舎の一室では、この部屋を部室として占拠している関係者たちが日々唯一の男子部員の人間としての器の小ささにガッカリしながらとりとめのない会話を楽しんでいた。
それはまったく中身のないものである。
しかし、彼女たちのことをよく知るすべての北高関係者は口を揃えてこう言う。
「部活動がおしゃべりをしているだけ?結構なことではないか。彼女たちがお菓子を食べて雑談しているだけで済むなら我々にとってこれほど幸せなことはない」
彼女たちが属する組織。
その組織こそ悪名高き創作料理研究会であり、それを統べるのが小野寺麻里奈なのである。
さて今回は、あの日すべてが終わった後に麻里奈の「ねごしえーしょん」の被害者たちが交わしていた会話であり、サブタイトルも本来は「がーるずとーく」ではなく、「GGトーク」とすべきものである。
では、聞いていただこう。
彼らの恥ずかしい会話を。
「……教頭先生、私のものと交換しないかい」
「教頭先生の写真が一番のアタリですかね。一番見えているし」
「いやいや、事務長のものもいいじゃないですか。校長先生のだってなかなか捨てがたいですよ。この白いのがチラっというところがなんとも」
「チラリズムですね。では、全員分をコピーするというのはいかがでしょう」
「それがいい。もちろん最高級の写真用紙で頼もう。それから、言うまでもないことですが、他の先生には内緒ということで」
「当然です。いや~それにしても松本まみの手作りチョコか。バレンタインデーが楽しみです」
「まったくです」
「彼女も結構大胆だね。小野寺麻里奈の話では、彼女は私たちのためだけにこのようなサービスショットを撮らせてくれたらしいが、彼女には感謝の念を禁じ得ないな」
「まったくです。生徒たちから没収したものにはこれほどの逸品はありませんでしたから、このような写真を持っているのは私たちだけですよ。優越感に浸れます」
「まったくだ。だが、こうなるとやはり欲が出るな。まだあるのかな。彼女の水着姿の写真も欲しいな」
「いやいやいや。もしかしたら小野寺麻里奈なら水着どころかもっと過激なものを持っているかもしれませんよ」
「欲しいものだな」
「まったくです」




