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小野寺麻里奈は全校男子の敵である  作者: 田丸 彬禰
第二章 ふたりの新入部員
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チョコレート戦争 Ⅳ

 ……ある中学校の男子生徒たちの会話。 


「おまえたち、何個もらった?」


「俺はひとつ。しかも、小さい。典型的なバラマキ用の義理チョコだ」


「俺もひとつ。ただし、おまえのよりは大きい。よって俺の勝ちだ」


「くそっ」


「去年は先輩から貰えたが、それがなくなった分減った。後輩からは今年もゼロだ。まったく気の利かない後輩どもだ」


「俺はふたつ。去年より三つも減った。片山は?」


「八個だ」


「相変わらず、すごいな」


「まあな。だが、やっぱり納得がいかない」


「あれか」


「そうだ。あれだ」


「我が『麻里奈教被害者の会』の会員全員分よりも多くないか?」


「間違いなく多い。しかも本命チョコ。そして、数が少ない我々にはすべて義理チョコ」


「小野寺麻里奈は実は女装癖のある男ということはないのか?」


「今日だけはそう思いたい」


「まったくだ」


「おい、見苦しいぞ」


「だけど異常だよな。やっぱり」


「もちろんだ。バレンタインデーにひとりの女子にチョコを渡す女子がこれだけいる中学校は日本中探したってないぞ」


「というか、小野寺麻里奈は全校女子の本命チョコを独り占めしているのだろう。そんなに本命チョコを食ったらデブになると小野寺麻里奈に教えたい」


「そういえば、さっき聞こえてきた女子の話だと、チョコ以外のものを小野寺麻里奈にプレゼントしているやつもいるらしい」


「何だ?チョコ以外というのは」


「チョコレートケーキとかだろう。さっき、松本まみが持ってきたような」


「いいな。あれ食いたいよな」


「まったくだ」


「それで、何だと思う?」


「知るか」

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