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小野寺麻里奈は全校男子の敵である  作者: 田丸 彬禰
第二章 ふたりの新入部員
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チョコレート戦争 Ⅲ

 ……ある中学校の女子生徒とその友人との会話。 


「あ~明日か」


「そうですね」


「ヒロリン、私は明日腹痛で学校を休むから。代わりに受け取っておいてよ」


「いいですよ。ついでに、まりんさんがズル休みをしたことも伝えます。自宅でお待ちしていますとでも言っておきましょうか」


「まったく友達がいのないヒロリンだよね」


「明日のためにお小遣いを貯めていた子たちのことも考えてください」


「嫌なものは嫌だよ。だいたいバレンタインデーというのは、女子から男子にチョコをあげる日でしょう。私は立派な女の子だよ」


「まりんさんのバレンタインデーの定義が微妙に間違っていますが、とりあえず女子から女子へもありです」


「それは都会の女子高とか宝塚の話でしょう。ここは田舎のしかも男女共学の中学校だよ。田舎は田舎なりのことをすべきでしょう。こんなことだから私は全校男子の敵とか言われる」


「ということは、まりんさんは男子にモテたいということですか。そういうことであれば、男子にチョコでもあげたらどうですか?たとえば恭君とか」


「それはない。というか、それだけはない。なぜ、この私が下等生物代表であるあのゲス野郎なんぞに媚を売らなければならんのじゃ」


「まあ、とにかく諦めてください。すでに整理券を配ってしまいましたから」


「……聞いたことがないよ。バレンタインデーのチョコを渡すための整理券なんか」


「仕方がないでしょう。授業に差し支えるからと先生たちに言われたのですから。それから明日は一時間早く迎えにいきますからね」


「なぜ欲しくもないチョコをもらうために早起きしなければならないの?箱にでも入れてくれればいいのに」


「そうはいきません」


「いっそのこと、バレンタインデーのチョコを禁止すればいいのに。先生たちはなぜそうしないのかな」


「先生たちだって人間です。まみたんの手作りチョコが欲しいということでしょう」


「それならば、女子から女子へのチョコだけを禁止すればいいじゃない。よし、今から職員室に行って提案してくる」


「まりんさん、往生際が悪すぎです」

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