チョコレート戦争 Ⅱ
……ある中学校の女子生徒たちの会話。
「あんた、今度のバレンタインデーにはまりんさんに何をあげるの?」
「ザ・愛」
「わかった。じゃあ、愛だけあげなよ。私はおいしいチョコあげるから」
「私は愛の詰まったチョコをあげる」
「噂によると、松本まみはチョコレートケーキをあげるらしいよ」
「本当に生意気だよね。男にだけ媚びを売っていればいいのに、まりんさんにまで媚びるとは」
「松本まみのどこがいいのだろうね。男子の気がしれない」
「そういえば、松本まみはこの前まりんさんに告白して振られたらしいよ。これで三回目らしい」
「いい気味だ。まあ、私も二回撃沈しているけど」
「それでもあきらめないで、松本まみはチョコレートケーキをつくるということなの?」
「本当にあきらめの悪い女だよね。私もそうだけど」
「松本まみがまりんさんに告白するたびに、やきもちを焼いた男子たちからのまりんさんの評判が悪くなる」
「それは本当にいい迷惑だよね」
「とにかく、今年は松本まみよりインパクトのあるものをあげたいのよ。私は」
「私だってそうだよ」
「何かないかな?」
「じゃあ、あんたたちが今履いているパンツでもあげたら?インパクトだけなら最高にあるから」
「いいね、それ」
「……いやいや、いかんでしょう。それは」




