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小野寺麻里奈は全校男子の敵である  作者: 田丸 彬禰
超番外編 小野寺麻里奈が異世界にやってきた Ⅰ
107/130

プロローグ

 千葉県某所。


 その部屋の主と思われる少年が古い書物を手に暗い笑みを浮かべていた。


「ようやくこれまでの恨みを晴らすときがきた。やっと習得したこの魔法陣と呪文で貴様と子分どもをまとめて異世界に追放してやる。松本まみも一緒に飛ばすのは少し惜しいが、この際やむをえない。とにかく、あの時に僕が受けた辱め、そしてそれから三年にわたる数々の屈辱を思い出すだけで腸が煮えくり返る。だが、それも今日までだ。なにしろ貴様の転移が完了したら、僕からも貴様の忌々しい記憶が消えてしまうのだからな。貴様が異世界で辱めを受けて、のたれ死ぬ様子を楽しめないのが残念だが、とりあえず異世界でタップリ辱められろ。小野寺麻里奈」


 彼がその儀式の最後の呪文を唱えようとしたその時、予想しないことが発生した。


 突如、この場にいてはいけない人物が現れたのだ。


「こんにちは。自称大魔術師さん。私たちをおもしろい場所に飛ばしてくれてありがとうございます」


「おまえ、なぜ僕だと……いや、その前にどうやってここまで来た?僕の魔法で小野寺麻里奈と一緒におまえも異世界に飛ばされたのではなかったのか」


「飛ばされる途中で、私だけがここに立ち寄らせてもらいました」


「なぜ、なぜ、おまえがそんなことができるのだ?」


「あなたはどうやらこの魔術をやっと覚えたようですが、あなたよりも格上の魔術師などいくらでもいることを自覚したほうがいいです。大変な苦労と努力をしたあなたにこのようなことを言うのは大変申し訳ないのですが、私に言わせればこの魔術は初歩の初歩です」


「な、なんだと……」


「さて、血の滲むような努力をしたあなたに敬意を表して、あなたの名前でやってもらいたいことがあります。もちろんあなたの力ではそれをおこなうのは難しいでしょうが、私がお手伝いするので心配はいりません。では、始めましょうか」

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