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4.
不審船のサイズがわからないから、回収後どの解体業者に分解をお願いできるかわからないな、と様々なドックの写真を見比べて考えていると後ろから声をかけられた。
「リュウ。」
ルイさんはいつもに増して真剣な口調だ。
「なんでしょう、ルイさん。」
「さっきの会議だけど……なんか妙じゃなかった?」
妙?
そういわれても思い当たる節がない。
「そうですか?わたしにはわからなかったですね。」
納得いかない表情のルイさんが先ほどの指示書を差し出す。
「これを見て欲しいの。」
手渡された資料に目を落とす。
間違い探しをする子供のように、目を皿にして読み込む。
そして気が付く。
「……!これは……。でも……ルイさん、さっきあなた……。」
「きっとロイは気づいているはず……。問題はレイね。まだ若いし、副隊長はあのジューダスだし……。」
第二部隊の副隊長ジューダスという男はどうも信用が無いようだった。不吉な名前をしているからなのか、その理由はわからない。
俺の知らないことがこのSPACE軍には多すぎる。