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3.
先程の会議は終了し第三部隊船は現在、天王星に向かって航行中だ。
艦長は久しぶりに飛ばせるとわかって大喜びだった。
偵察に行くと決まれば、用意しないといけないことがいくつもある。
偵察用の機体をすぐにでも発進できるようハッチに持って行ったり、真空中を活動できる宇宙服の点検もしなくてはならない。
「なあ、ライ。」
忙しいときに何を、と思う。嫌がらせで呼び止めたなら明日起こすときは氷水を用意しようと決心して返事をする。
「なんですか?」
振り返ると、神妙な面持ちで隊長が乾燥させた小魚を朝ご飯代わりに食べていた。
「おかしくねえか?」
「何がです?」
「いや……さっき俺が受信した資料だが」
端を折り曲げたページを差し出してきた。
「このデータを見て、ルイとレイがあんなに落ち着いていられる理由がわからない。」
いったいどんなデータかと身を乗り出す。
「……!これ……は!」