055 (閑話)フェルの業務日誌
業務日誌 著:フェル
今日はベロアさんがお休みでいないので、私が代わりに日誌を書いています。最近メニスさんやベロアさんに文字の書き方を教えて貰ったばかりなので、書き間違いがあるかもしれません。ごめんなさい。
業務日誌と言っても何を書けば良いのかわかりませんが、ベロアさんに起床から仕事終わりまでの出来事を書けばいいと言われたので、その言葉を信じて書こうと思います。
まず私の一日は、朝日が登る少し前に目を覚ますところから始まります。最近は平日も働いている事もあって、布団から出るのが億劫になります。でも、朝ごはんを作らなくちゃいけないので、頑張って起きます。
「よいしょ」
声を上げた勢いを使って、何とか布団の誘惑を断ち切って、起きあがる事ができました。部屋を見渡すと、布団とタンスがあるだけのシンプルな部屋が目に入ります。いつも通り、私の部屋です。
実は少し前まで、お母さんと二人でひと部屋だけの家に住んでいたのですが、私がお金をたくさん稼げるようになったので、3部屋ある家に引っ越したのです。部屋はキレイだしキッチンも大きいので、家で過ごすのが楽しくなりました。結構なお値段しましたが、ドートルで働いたお金で何とか買えました。雇ってくれたマリーさんとはじめさんに感謝です。
【キィ】
私はお母さん達を起こさないように、そおっと部屋の扉を開けました。まだ皆には寝ていてほしいですからね。
そうしてキッチンへと移動した私は、朝ごはんを作り始めました。メニューは昨日マリーさんに作り方を教えてもらったサンドイッチです。パンにバターを塗って食材を挟むだけなのに、凄く美味しくなるので大好きです。私はまだマリーさんほど美味しくは出来ませんが、お母さん達に早く食べてもらいたくて、今日の朝食に選びました。
私も早くマリーさんのように料理上手になりたいです。でもこの事をマリーさんに伝えると、「私ははじめのレシピ通り作っているだけだから」と言っていました。という事は、はじめさんはマリーさんよりもっと料理が上手いのかもしれません。そうなるともう味が想像できません。
「よしゅっ、出来た!」
考え事をしながら料理していると、あっという間にサンドイッチが完成しました。
私はサンドイッチを5個作り、木のコップに水を入れて朝食のセッティングを終わらせます。ちなみにこの水は、店の営業用にストックしてあるはじめさんが出したウォーターボールの水です。初めて一緒に料理した記念にって、マリーさんが分けてくれました。このお水は、水なのに何故か甘みやツルンとした喉越しがあったりして、凄く美味しいのです。これを飲んだお母さんたちの反応が楽しみです。
「みんなー!朝ごはんの時間だよ!!」
まだ寝ているお母さんたちに、大きな声をかけて起こします。
お母さんと二人で暮らしていた時は、体を揺すって起こしていたけど人数が増えてからこの方法に変えました。
「フェル姉ちゃんおはよー!」
「凄い美味そうな匂いするぞ!」
「おはようございます!」
私の声に反応して、いとこ達が起きてきました。
そう、実は一ヶ月ほど前から三人のいとこ達とお母さんと私の五人暮らしをしているのです。
なぜ一緒に住んでいるかというと、叔母さん(お母さんの妹さん)が一ヶ月前に病気で亡くなってしまったからです。その時に、親戚の中で比較的余裕のあったうちで引き取る事になったのです。
私が働き始める前だったら、間違いなくうちで引き取ってあげることは出来ませんでした。ひょっとしたら、孤児院に行ってしまう事になったかもしれません。本当に働いていて良かったです。
「私はあちょチョットしたら出るから、早めに食べちゃってね」
「えー!今日も働きに行っちゃうのー?」
「にゃんでー?僕フェル姉ちゃんと遊びたい!」
「こら、わがまま言っちゃだめでしょ」
私の言葉に、いとこ達が三者三様の反応を返してくれました。
最初に声を上げた男の子は、シャムって名前の次男坊です。まだ五歳で遊びたい盛りのようです。
二番目に声を上げた男の子は、長男のミケルです。ミケルもまだ小さく六歳で、この子も私と一緒に遊びたがります。
最後に二人をたしなめたのが、長女のノーラです。ノーラは八歳なので私とあまり歳が変わらないうえに、頭の良い子です。なので、私が働いている理由も察しているらしく、わがままを言うシャムとミケルをよく止めてくれます。
そう、私が平日も働き始めた理由は、この三人の生活費を稼ぐためなのです。
三人を引き取る前は、私の給料が結構高いこともあって、お母さんと二人で余裕を持って暮らしていました。一時期働きすぎで病気になってしまったお母さんも、すっかり元気を取り戻し、二人でかなり裕福な暮らしをしていました。
でも、一気に三人増えた事で、少し生活費が足りなくなってきました。もちろん、三人が来てくれて凄く楽しいのですが、お金が無いことには生活できません。
最初は母親が仕事を増やして何とかしていたのですが、また体調を崩しがちになってしまったので、私が代わりに沢山働くことにしたのです。
「あと半月くらいで平日はあしょべる様になるから、その時まで我慢してね」
ノーラの援護を受けて、私もシャムとミケルを諭しました。
そう、平日働けるのはあとすこしだけなのです。
なので、この間にお金を沢山貯めておく必要があります。ドートルの給料は高いので(しかも今は平日手当という謎のお金も貰えます)、あと半月働けばかなりの間、余裕が出来るはずなのです。
「おはようフェル。朝食を作ってくれてありがとね」
続いてお母さんも起きてきました。
最近は働く量を減らしたのが功を奏して、体調が戻って来ています。お母さんが元気だと私ももっと元気になるので、このままでいてほしいです。
「お料理ちゅくるの楽しいから平気だよ!それじゃ、食べよう」
「「「「「いただきます」」」」」
私たちは朝ごはんを食べ始めました。
「このパンで挟んだやつ、めっちゃ美味い!!」
「流石は僕達のフェル姉ちゃん!」
「フェル姉さんみたいに料理上手になりたい!」
「あら?なんだか水も美味しいわね」
私の作った料理とはじめさんの水は、凄く好評でした!
こんな感想が貰えるなら、毎日サンドイッチが作りたいと思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・
朝食を食べたあと、私はドートルに向かいました。
ドートルは私の家から歩いて10分位の位置にあるので、すぐに着きました。今日は始業時間の20分前に来る事が出来たので、早い方です。
扉を開けて中に入ります。
「おはようございましゅ!」
「筋肉!」
「おはようございます」
私が挨拶をすると、先に到着していたメニスさんとベロアさんが挨拶を返してくれました。
ベロアさんの筋肉挨拶に、最初は面食らってリアクションに困りましたが、今はもう慣れて違和感がなくなりました。・・これが良いことなのかは分かりませんが。
それから三人でメニューの確認や椅子や机の掃除をして、開店の準備をしました。
そして、始業時間になるとベロアさんが表に立て看板を出します。
喫茶ドートル、開店です。
「いらっしゃいませ」
開店と同時に、沢山のお客さんがなだれ込んできました。
よし!今日も元気に働きます!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ちゅかれた・・」
ようやく閉店時間の1時間前になりました。
今日もお客さんが多く、注文に配膳にと働き詰めでした。なぜだか日に日にお客さんの数が増えているような気がします。
まぁ、お給料が良いので忙しくてもへっちゃらですが。
【チリンチリン】
あ、お客様だ。
「いらっしゃいましぇ!」
私は挨拶をしながら入り口の方を見ました。するとそこには、少し疲れた様子のはじめさんが立っていました。
はじめさんは最近、昼の間に何かの修行(?)をしているらしく、大体この時間に顔を出します。よく分かりませんが、大変な修行みたいです。いつも大量の壊れたパンツを持って帰ります。本当によく分かりませんが。
「フェル!おつかれ」
はじめさんが右手を軽く上げて挨拶をしてくれました。はじめさんは店長なのに偉そうにしない、珍しいタイプの店長さんです。
「おちゅかれさまでしゅ」
私も挨拶を返します。
すると、はじめさんが何かを慈しむような、慈愛を持った目で私のことを見てきます。優しい表情なので悪い気はしないのですが、なんだか子供扱いされているような気分になります。
まぁ子供なんですけどね。
でも家ではお姉さんですし。
「あれ?そう言えばフロアはフェルだけか?他のやつはどうした?」
はじめさんが店内を見渡しながら、そんな事を聞いてきました。
「メニシュさんは買出しに言っていましゅ。チャーリーさんとベロアさんは・・・どこに行ったんでしゅかね?」
そう言えば、5分ほど前から姿を見ていません。
お手洗いに行ったのでしょうか?
【チャ〜、チャチャッチャ♪チャッチャチャチャン・チャッチャチャ♪チャッチャチャチャン・チャッチャチャ・チャチャッチャチャ・チャチャン・ドゥドゥンドゥンドゥン】
と、突然上の方から楽しそうな音楽が流れてきました。
この音には聞き覚えがあります。たしかチャーリーさんが考えたラジオというトークショーのようなものだったはずです。私も一度(半ば強引に)出演したのでよく覚えています。
でもおかしいですね。今日みたいにお客さんが多い日は、ラジオをしないように止められていたはずですが。
「あいつら、言いつけ破りやがったな・・・止めてくる!」
そう言って、はじめさんは階段を上がって二階へと消えていきました。
どうやらチャーリーさん達を叱りに行ったようです。
【あらためましてこんばんは!さぁやってまいりました、オールナイトファンタジスタ!お相手はわたくし筋肉担当王子ことマッスル・ベロアと】
【お笑い担当事務次官ことビリケン・チャーリーや!】
しかし、はじめさんが止める前にラジオが始まってしまいました。
どうするんでしょう?
【さて、三回目となる本番組!最初の企画は・・・またまた、「街角・お悩み解決人」です】
【街角にいる人に聞いたお悩みを、この場で私達が解決しちゃおうって企画やな。ってかこの番組、これしかやってへんな】
【コラお前ら!お客さんが多い日はラジオ禁止って言っただろ!】
お、はじめさんが止めに入ったようです。
珍しく二人を叱っているようですし、今日はこれにてラジオ終了ですかね?
【お、今日はスペシャルゲストが来てくれました!このお店の店長である、はじめです!】
【今日のお悩み解決人は、はじめやな。遠い故郷日本の知識を披露して、悩みを解決してくれるらしいで】
チャーリーさんとベロアさんがはじめさんを巻き込みにかかりました。巻き込んでしまえば怒られないと思ったのでしょうか?
でも、はじめさんはいま説教している最中ですからね。
強い意志を持って断るはずです。
【どうも!日本文化振興会会長、ジパング・はじめです!】
乗っかった!乗っかっちゃった!
はじめさん、意思弱っ!
【じゃ、三人で進めていこかー。ちなみにベロアとはじめの声質がよう似てて区別しづらいから、ベロアは言葉の最初に筋肉ってつける事にしようや】
【筋肉!了解したぜ!】
【鬱陶しいルールだな!】
チャーリーさんとベロアさんの二人だけでもかなり賑やかなラジオだったのに、はじめさんが加わったとなると、どんなことになるか想像できません。
【それじゃお便り読むでー。ラジオネーム:日記以外に思い出を残す方法を知りたいさん(21歳男性)からのお便りです。「最近、自分の周りで嬉しいことが沢山起きています。友達の結婚や、旅行での出会いなど、どれも忘れたくない出来事ばかりです。なので、記録を残すために日記をつけているのですが、少し飽きてきてしまいました。日記をつける以外に、思い出を効果的に残す方法は無いでしょうか」】
【このお便り、ラジオネームが全てだったな】
たしかに。
【さてはじめ。ぜひはじめの故郷日本の知識を生かして、このお悩み解決して欲しいとこやけど、どんなアドバイスするんや?】
【そうだな・・よしっ、日記以外に思い出を残す方法を知りたいさんには、俳句をおすすめするぜ!】
【ほう、俳句・・難しそうやな】
【そんなことは無いぞ。基本は五・七・五のリズムに合わせて自分の気持ちや情景を言葉にするだけだからな。まあ季語とかの難しいルールは今回なしにしよう】
【筋肉!うーん、ちょっとイメージ付きにくいな。例を出してくれないか?その例を参考に、俺達も作ってみるから】
【オーケー。それじゃ日本で有名な俳句を例として紹介するぜ。「五月雨を 集めてはやし 最上川」】
【ほう・・これはどういう意味なんや?】
チャーリーさんはピンときてないみたいです。
かくいう私にも少し難しくて、理解が追いつきません。
【これは5月に雨が降り続けたことで水かさを増やした最上川が、ゴーゴーと流れている様子を表した句なんだ】
なるほどです。そう言われて改めて俳句を読み砕いてみると、増水して流れが早い川の情景が浮かんできました。
はじめさんの解説で、俳句の楽しさが少し分かった気がします。
【あとは、「松島や ああ松島や 松島や」って言う句も有名だな】
なんとなくだけど、松島っていう場所に行った時の感動が伝わってくる気がしました。
俳句って面白いな。
私もやってみたいです。
【大体分かったわ!出来たで!】
【お、早いな。それでは、お願いします】
【「最上川 最上もがみが 最上川」】
【違う!その2つ合わせちゃダメ!】
流石はチャーリーさん。謎の句を生み出しました。
【これは最上川に行った最上もがを見た時の句で】
【やっぱり最上もがって言ってたか!噛んだのかと思ってスルーしたが・・俳句ってそういうんじゃないんだよ!】
はじめさん、めっちゃ興奮してます。
【筋肉!できたぜ!】
【ああ!?ああ、ベロアか。うん、チャーリーのはもういいか・・それでは、お願いします】
【「筋肉を 鍛えてわろし 最上川」】
【最上川ってワードは必須では無いからな!!】
はじめさんのツッコミがキレッキレです。
【あと言葉初めの筋肉縛りがあるせいで、実質ベロアが考えたの「鍛えてわろし」だけじゃねぇか!大体なんだ?鍛えてわろしって!】
【筋肉を鍛えていると、思わず笑いが噴き出るだろ?つまりそういうことだ】
【分からねぇよ!】
私も分かりません。
【出来たで!】
【チャーリーか・・今度はマシなの頼むぜ。お願いします!】
【「正直な 十七文字じゃ おさまらん」】
【それを収めるんだよ!!俳句全否定してるじゃねえか!】
はじめさん、忙しそうです。
【筋肉!出来たぜ!】
【ベロアか・・・俳句のときだけ、言葉初めの筋肉縛り無くしていいから!良いのを頼むぞ】
【「僧帽筋 大内転筋 三角筋」】
【筋肉の名前言っただけじゃねえか!情景とかを読むんだよ!品詞を並べてる場合か!】
ベロアさんの筋肉信仰は相変わらず凄いです。
【もう例を出すのは止めよう!あとは、日記以外に思い出を残す方法を知りたいさん自身で試してくれよなっ!】
丸投げしました。
その気持ちはわかります。
チャーリーさんも俳句が飽きたらしく、次のお便りに進み始めました。
【それじゃ、お次のお便り読むでー。ラジオネーム:カッコよくなりたいさん (15歳男性)からのお便りです。「いつも見ています。前回の放送、凄く面白かったです。」
前回の放送って言うと、私が出たやつですか。
・・ふふっ、何だかそう言われると悪い気はしませんね。
思わずにやけてしまいます。
「僕の隣の家には、僕が昔から好きな幼馴染の女の子が住んでいます。休日は毎日遊ぶような仲です。ただ、その子からすると、僕は可愛い系らしく恋愛対象に入っていないようなのです。どうにかかっこいいところを見せて、僕の事を好きになってもらいたいです。かっこいいと思われる方法を伝授して下さい」】
【なるほど。この歳の男子になると、可愛いは褒め言葉じゃなくなってくるからな】
そう言うはじめさんの言葉には、なんだか実感がこもっている様な気がします。はじめさんも可愛い系のお顔をしていますし、同じような体験をしたのでしょうか?
【そうやな。しかしこれだけ仲いいとなると、結構奇抜な手打たんと意識は変えれそうにないな・・はじめはどうアドバイスする気なんや?】
【よしっ、ここは日本でカッコイイと言われている、ラッパーの真似をしよう!】
【筋肉!ラッパーってのは、どんなやつなんだ?】
【ラッパーってのは、こう・・同じ響きの言葉を繰り返してリズムに乗せて言葉を喋る人のことだ。韻を踏むっていう技術なんだが】
【これも少しイメージ沸かへんな。例を見せてくれるか?】
【うーん、有名なやつだと・・・「俺達は猛吹雪を毛布抜きで越えてく」みたいな】
あ、何か分かりました。
同じ響きの言葉をつなげるだけで、なんとなくクレバーでカッコイイ印象になるんですね。驚きです。
【大体分かったわ!出来たで!】
【本当か?これ結構むずかしいんだが・・それでは、お願いします】
【「俺のダチの西東は山を踏破する硬派な男」】
【お、良いぞ。その調子だ】
【「やつは何踏んでも韻ふんで解決!ウンコ踏んで♪韻ふんで!ウンコ踏んで♪韻ふんで!」】
【ちょっとおかしくなってきたな。繰り返せば良いってもんじゃないぞ】
【ウンコ踏んで♪韻ふんで!ウンコ踏んで♪韻ふんで!】
【しつこいわ!何も思いつかんなら止めて良いんだぞ!?】
【筋肉踏んで♪韻ふんで!筋肉踏んで♪韻ふんで!】
【お前のは言葉としておかしいわ!筋肉踏むって何だ?】
筋肉を踏む。
ついにベロアさんが新しい概念を生み始めました。
【もう例を出すのは止めよう!あとは、カッコよくなりたいさん自身で試してくれよなっ!】
また丸投げしました。
気持ちはわかります。
【さて、私ビリケン・チャーリーとジパング・はじめ、マッスル・ベロアによってお送りしたオールナイト・ファンタジスタ、いかがでしたでしょうか。楽しんで頂けたなら幸いです。それでは最後に、はじめが歌うこの曲でお別れしましょう】
【私がブラックバイト(コンビニ)で働いていた時に作った歌です。それでは聞いて下さい。「ワンオペドラマティック」】
【行こうか逃げようか 僕は迷っている 行ったら最後 ワンオペドラマティック
咲こうが摘まれる 僕の絶望こそ こんな時代か ワンオペドラマティック
自分の空き時間 スプーンにひとすくい 店長に喰わせるたび 貰える給料を
電卓叩きながら 足りていない給料に 「助けて」という投書は 出来んようだ
いつも感じている 寒く深い闇の この場所がもう既に ブラックバイトの中
働きすぎたのか 不幸なこの頭が 退職方法を探している
君の「大丈夫」が 僕に「助けて」と 確かに聞こえた
同期が辞めたぞ ついにオレ一人 どうやってももう ワンオペドラマティック
格好つけて 言うわけじゃないけれど ここには僕だけしかいないみたいーーーー!!!】
【テッテテテテッテ〜、テ〜テ〜テ〜、テッテテテテッテ〜、テ〜テ〜テ〜♪】
どうやら番組は終わったみたいです。
私のときよりも、かなり激しい感じの内容でした。
このあと、二階から降りてきた三人は、「お客さんが多い時に遊ぶな」とマリーさんに叱られていました。
三人とも、随分と反省したみたいです。
やっぱりこのお店で一番偉いのはマリーさんですね。はじめさんもしょっちゅう怒られていますし。
と、こんな感じで私の一日は過ぎていきます。
ファンタジスタで働くのは楽しいですし、何より給料が良いのでいとこ達を養うことが出来ます。
私はそんなファンタジスタが大好きです。これからも精一杯頑張ってこのお店を繁盛させて行こうと思います!
PS:半月後以降も、出来たら平日働きたいです。




