027 Eランク昇格試験
第二章スタートします!
二章は3日に一度くらいのペースで書く予定です。
あれから、俺とマリーは喫茶店経営と冒険者の二足のわらじ生活を続けていた。
喫茶店の方は、紅茶やカフェオレの味が口コミで広がったらしく、かなり盛況だった。初日と同じくらいの売上が毎日続いている。もう喫茶店経営だけで暮らしていけそうだ。
売上を給料に還元しているので、従業員のフェル、ベロア、メニスも元気よく働いている。良い流れが出来ているな。
冒険者としての依頼も順調にこなしている。
ゴブリンだけで300体は倒したと思う。そして、そんな俺達の活躍を認めてくれたのか、ギルドからEランク昇格試験の案内がきた。
「Eランク昇格試験はキリマウンテンに生息している、とある魔物を討伐できれば合格です」
折角なので昇格試験を受けておこうということで、俺達は冒険者ギルドまで来ていた。
ギルドに入るとリリーさんが受付に居たので、試験の詳細を聞いているところだ。
「意外とシンプルな試験なのね。監視役とかはいないの?」
「Eランク昇格試験ではいないですね。Cランク以上の昇格試験では、上位ランクの冒険者が監視役として同行するのですが」
なるほど。まぁDランク以下の冒険者は数が多いし、そんなもんなのかね。
「ちなみに討伐する魔物はどんなやつなんだ?」
気になったので聞いてみた。
試験の基準にするくらいだから、そこそこ強いやつなのかな?
「今回討伐していただく魔物は、バ・ヌンボボ・バギです」
「「バ・ヌンボボ・バギ?」」
なんだそいつは?聞いたことが無いな。
横を見るとマリーが首を傾げていた。
どうやらマリーも知らない魔物のようだ。
「バ・ヌンボボ・バギは獣系の魔物で、ゴリラのような見た目をしています」
「なるほど、ゴリラ型の魔物か」
「はい。キリマウンテンの西側にいけば、【ウホホッ】という鳴き声が聞こえるのでそれを目印に見つけてください」
「ほう」
ゴリラみたいな鳴き声だな。
「冒険者を見つけると、胸を叩いて威嚇してくるので注意してください。あと興奮するとウンコ投げてくるので、気をつけてくださいね」
「それただのゴリラじゃね!?」
ゴリラとの違いが分からん!
討伐してきても、実はただのゴリラでしたーってなったら悲しいぞ。
「ゴリラとの違いとしては、身体能力が異常に高いことと、胸にバナナ型の魔石をつけていることですね」
「バナナ型の魔石ね」
それなら何とか判別できそうだ。
とりあえずゴリラっぽいものを見つけたら、倒して魔石を確認するスタイルで行こう。
「バ・ヌンボボ・バギの討伐証明はこのバナナ型の魔石になります。2日後までに5つ取って来る事ができたら、試験合格です」
そう言って、リリーさんは俺達の前に2枚の羊皮紙を差し出してきた。
「これがEランク試験の受験誓約書です。一番下の欄に今の時刻と名前を書いてください」
羊皮紙を見ると、一番上に【Eランク試験受験誓約書】と書いてある。
誓約内容としては死んでも文句言わない、とかその程度のことしか書いてない。
死んで文句が言えるはずもないので、多分試験開始時刻を記録しておくのが目的なんだろう。
「おっけー」
「わかったわ」
俺とマリーはためらいなく誓約書にサインをした。
「Eランク試験の説明は以上です。バ・ヌンボボ・バギの討伐、がんばってくださいね!」
「おう!キリマウンテンにいる全バ・ヌンボボ・バギの首、取って来るぜ!」
「バ・ヌンボボ・バギ、必ずぶっ倒してくるわ!」
こうして、俺達はバ・ヌンボボ・バギ討伐依頼を受けてキリマウンテンへと旅立った。
待ってろよ、バ・ヌンボボ・バギ!
キリマウンテン中にいるバ・ヌンボボ・バギを一掃してやるぜ!!
今回ちょっと短めです。




