表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2 「転生?」《1》

「レスアール?異能?学園?」

 この状況は、一体どういうことだろうか。まさか、死ぬ前の学園に入学して大人しく生活したいというのが叶ったのだろうか。


 ただ、色々な工程が飛ばされているせいで。この世界はどのような世界なのか。異能ということは、この世界もまた、魔法の様な事が横行しているのか、俺の力はどういったものか、そういったことが全く分からない。

 異能力として「属性付与師(エンチャンター)」が受け継がれているのだろうか。それとも俺は他の能力があるのか。 

 うーん、取りあえずここで立ちっぱなしも不自然だ、情報を得るためにも目の前の門に入ってみるか。

 歩き出そうとしたら、後ろから声が聞こえた


「ねぇ、あんた第一体育場ってどこか分かる?分かるなら案内してほしんだけど」


 後ろを振り返る、其処には幼女が大きなリュックを背負って立っていた。顔だちも整っていて、赤毛のツインテールが印象的だ。

 ここで、この幼女からこの世界の基本情報を集めるのも手だが、どうもこの幼女、関わると嫌な予感がする。よし、無視だ。ここで変に割る目立ちするのは良くない。

「ねぇ!!聞いてる!?」


 かすかに、熱気を帯びているその呼びかけは、俺の異質を感じるレーダーに引っかかっていて振り返るなと必死に命令している。


「あんた、二回も無視するなんて、いい度胸してるじゃない、それは私を神園家次女の神園華凛(かみぞのかりん)と知っての事なのかしら!!」

 観念して後ろを振り返り、目線を下げてみる、仁王立ちしている幼女が俺を睨みつけていた。心なしかツインテールが逆立っている。

「やっと、気づいたわね、あんたなんで私を無視するのよ」



「ごめん、小さすぎて視界に入ってなかった」

 これで、怒ってどこかに行くだろう、そう思っていると、神園とかいう幼女は顔を真っ赤にし、こちらを再度睨みつけた、そして指を鳴らした。すると指先に火の玉が出現する。


「もう自分で体育場は見つけることにして、あんたはタダでおかないから!!今まで私の身長について悪口を言ったものは私の異能「小悪魔の業火(ヘル・ファイヤー)」によって消し炭にしてきたんだからっ!!」

 複数の火の玉が俺を襲う、命のやり取りがないっていう方の願いは無採用みたいだな、異世界暮らしの癖で咄嗟に俺は右手を突き出し唱えた。


「全てを引き込む闇よ、我が右手に宿れ」

 火の玉を右手に引き寄せる。そして右手に火の玉が触れた瞬間切り替える。

「炎よ、風へ変われ」

 すると二人の間に大きな風が吹き荒れる。


 この感じ、どうやら俺は「属性付与師(エンチャンター)」の能力を受け継いだままここに居るらしい。

 これは貴重な情報が手に入った。


「これで一歩前進か、まぁ助かったよ、神園、神園?」

 目の前には意識を失った神園が倒れていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ