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6話

感想お願いします。何でもしますから(怒)

 半ば連行気味に王様の元へと連れて行かれる。鉄製の大きな門は軋むような音を立ててゆっくりと上へと上がる。エルは近衛兵の手が気持ち悪いのか時折暴れながらも従っている。俺は別に気にしないから痛いことしないでね。しかしまぁ美形な近衛兵だな。日本人っぽくない顔立ちだ。異世界って外国人風な感じなんだな。


「暴れるな。大人しくしていろ!」

「気軽に触らないでもらえる! 汚らわしいわ!」


 また始まった。いつまで喧嘩しているつもりだよ。近衛兵もいい大人何だからそう怒らんでもいいやろ。なんて思ってしまう俺はまだ子供なんだろな。


 そういやエルの頭の輪っかって、触れるんか?


「輪っかさわってもいい?」

「ダメ。通信以外には使わないようにしてる。それに妨害されると疲れるし」


 輪っかをさわるとその人の情報が頭の中に入り込んでくるらしい。それでキャパシティを越えてしまうと古い記憶から消されるように設定されている。


 道行く人から冷ややかな視線を送られつつも街の外観を見て感激していた。


 中世ヨーロッパ風の建物がずらりと並び、目的地であるギルドの場所も把握できた。家と家の間には路地があり喧嘩している奴らもちょくちょく見受けられる。関わりたくない人種だなとチラ見で見ていたところ親玉みたいなスキンヘッドが睨みつけてきたのでびびってそくそっぽ向いた。危うく混ぜられる所だった。


▽ ▽ ▽


 立派なお城が俺達を出迎えてくれる。クラウス王国の本拠地だ。中庭はビバリーヒルズ並みの広さで中央には噴水が勢い良く湧き出ている。王様はさぞかしいい暮らしを送ってるんだろう。


「ゲル!ニカ! 今度は何しにきたのよ」

「エキドナ様。突然の訪問どうかお許し下さい。このどもが勝手にわが国に侵入している所を発見した次第お連れして参りました」


 黒いドレスに身を包んだ金髪のべっぴんさんが姿を表す。赤色の目は鋭く獲物を捕らえるかのごとくこちらを見据えている。


「分かったわ。 それであなたたちは私の休暇を邪魔してまでの用は何かしら?」


 なんとも貴賓溢れる態度だ。エキドナは金色の髪をてぐしして整える。サラサラの髪が宙を舞う。いい香りがこっちにまで漂ってくる。


「実は私達転移されてきたばかりなんです」

「そうなんだよ。ちなみに俺は勇者として転移させられたんだがみんな知らないのかな~?」


 近衛兵ゲルとニカは、俺のなめ腐った態度に苛立ちが隠せないご様子。エキドナはぽんっと手を叩くと、


「あ! 君が勇者か~! やっとあえたよ。ぱっと見がひょろひょろで気付かなかったよ」

「一言余計ですよ」


 彼女は俺の元へとゆっくり近づいてくる。エルはというと手をくねらせて手錠を外すのに必死になっている。


「名前は?」

「ユウキです」


 エキドナの手は俺の頬を柔らかく包み込む。恥ずかしくて名前を言うのが精一杯だった。それを見ていたエルは


「ちょっとあなた! 私のこと無視しないでくれる。あなたより地位が上なのよ。天使なんだから!」

「あらあらいましたの。妾はこの男のことで頭が一杯で気がつかなかったわ」

「なによー!」


 エルとエキドナが目でお互いを威嚇しあう。その姿は子犬と猛犬のようにも見える。プンすか怒るエルに堂々と物怖じしないエキドナ。端から見ても勝敗は歴然としている。


「貴様らエキドナ様に向かってなんて言葉遣いだ! 礼儀を知らぬのか。立場をわきまえよ!」

「あなたたち。少しでしゃばりすぎではなくて」


 エキドナの声色が変わった。毒気があるようなそれでいて落ち着いたトーン。近衛兵はすぐに身なりを正し土下座をする。ぴしりと揃えられた膝に頭の角度。流石は兵士といったところか。


「失礼いたしました!」

「よろしい」


 ゲルとニカは肩をなでおろし二人して安堵の表情を浮かべる。


「ゲル、ニカ。ユウキの手錠を外してあげなさい」

「はっ!」


 魔法で作られている特性の手錠らしく、物理的に外すのが困難な代物であった。 

これで晴れて自由となった訳だが......

 

「私のも外しなさいよ!」

「あなたまだここにいらしたの? 興味ありませんわ。牢獄にでも連れて行ってあげなさい。分かったわね?」

「ちょっと話が違うじゃない」

「すまないエル。俺が必ず助けてやるからな。それまでの辛抱だ。じゃな」


 あっさりとした俺の塩対応にエルは口を開けたり閉じたりしている。仲間と思えるほどの出来事が俺とエルにあっただろうか。いや断じてない! よって罪悪感まるでなし。それよりエキドナの性格すごいタイプなんだが。


 手錠をかけられたまま二人の近衛兵と共に連れて行かれるのを俺はじっと目で追った。


「ユウキ案内するわ。ついていらっしゃい」

「え、うん」


 いわれるがままに、手をつないで王宮の中へと入っていった。

主人公げすいですね(笑)

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