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灰塵の中から現れ出た矜持の七人。
『どけ、邪魔だぁ!!』
『鉄屑ども!!』
厳つい武装をした一団が廃墟と化した街を我が物顔で闊歩する。
黒煙が、あちらこちらで上り親を亡くした幼子たちが路傍で立ちすくみ泣いている。
戦争の傷跡が至る所で見られる、この街イデアポリスはかつて栄華を誇った都であった。
しかし今や壮麗な建築物も見る影もなく無惨な姿を晒していた。
これは、そんな塗炭の苦しみと灰塵の中から立ち上がった7人の少年少女達の物語である。
生活の糧を得るため鉄屑を拾い集めては街の行商人の元へと荷車で運ぶ、その姿に人々は彼らを鉄屑、スクラッパーと呼んだ。
やがて彼らはその名を大地に驚かせる救世の勇者へと変貌するが今は、まだ小さき者達に過ぎなかった。
少年少女たちは運命の糸を手繰り寄せるように一人、また一人と不思議な力により集められて行く。
この物語はイデアポリスの港へ入る大型母船の甲板の上に立つ二人の人物の会話から始まる。