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勇者は学び魔王は眠る

前回のあらすじ

《私を貴方のモノにして》

__戦士の町

 100年前、勇者一行として旅をした戦士の子孫が居るという町だ。

 戦士は攻撃力に優れ武器なども大きいものを選ぶ。


「戦士ってどんな感じなんだろうね?」


 山道を歩いているとエロエが首を傾げながら聞いてきた。


「さぁな、会ってみないとわからん」

「やっぱりあれかな。すんごい筋肉ムキムキのマッチョな人なのかな?」


 エロエはそう言いながらダブルバイセプスのポーズをとる。


「どうだろうな。戦士といってもそれぞれだ。俺の知っている戦士はそこまでマッチョじゃなかったぞ」

「へぇ…」


 俺があったことある戦士。

 そう、勇者一行の戦士だ。


「それより早く歩け。このままじゃ、明日までに着けないぞ」

「あ、うん」


 エロエは置いて行かれないように小走りで俺の横まで来る。


「ミネはズルイよねー。サタナの頭の上でー」


 ミネは俺の頭の上で寝ている。

 猫モードのミネの体力はまんま猫らしく俺たちのペースに合わせられないようだ。


「こいつは猫だからな。俺たちよりも体力がないんだから仕方ないだろ」

「そうだよねー」


 私も猫だったらなー、と言いながらエロエはミネを見ている。


「俺は二匹も猫を飼うつもりはない」

「うっ、じゃあ、人間のままでいいや…」


 そう、俺はこいつを飼いたいんじゃない。

 復讐したいんだ。


「あーるーくーのー疲れたーサーターナー」


 エロエは山道に寝そべり駄々をこね始めた。


 ……復讐までの道のりは長そうだ。



⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎



 夜。

 あれからエロエをおぶって山を二つ越えた。

 エロエは、相当疲れていたらしくおぶってから数分で寝てしまった。

 あの時は、こいつここに捨てて行こうか、と思ったがぐっと堪え歩いた。


「サタナはさ」

「なんだ?」


 夕飯を食っているとエロエが俺の方を見て首を傾げていた。


「髪、切らないの?」

「ん、あぁ、そういえば長いな…」


 今の俺の髪は目を隠すほど長い。

 復活した時からこうだったから、特に気にしていなかったが言われてみれば長い。


「服もさボロボロだし」

「確かに…」

「次の町に着いたら全部整えたら?」

「そうだな。これではみっともないな」


 俺は戦士の町に着いたらまず髪を切りに行こうと決める。



⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎



 あれから1日経った。

 俺たちは今、戦士の町、《ブラーヴ》にいる。

 幾つもの山々に囲まれた町だ。

 大きさは前の町より小さい。

 町というより村って感じだ。


「やっと着いたねー」

「そうだな」

「にゃー」


 俺たちは荷物を一旦宿屋に預けることにした。


「らっしゃい」

「二部屋食事付き取り敢えず一週間で」

「はい、合わせて21000レイね」


 うっ、思ったより高い。

 一部屋の1日あたり1500レイか。

 金はまだあるが余裕を持って使えるほどではない。


「サタナ、サタナ」


 エロエが俺の袖を引っ張ってくる。


「ん、なんだ?」

「わ、私、同じ部屋でいいよ…」


 エロエが顔を赤らめながら言う。

 なるほど、一部屋なら一週間でも10500レイだな。


「そうか、ならそうしよう」

「え、意外とすんなり…」

(ご主人、エロエを女として見てないですね)


 一人部屋で俺は椅子で寝ればいい。

 俺は得したと思い部屋を取った。



⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎



 借りた部屋に入り、作戦会議を始める。


「さて、これからどうする?」

「私、今日はもう動きたくないよ〜」


 確かに前の町を出てから今日まで歩きっぱなしだしな。


「じゃあ、戦士の捜索は明日からにして今日は休むか」


 正直に言うと俺もかなり疲れていたんだ。

 人間の体にまだ慣れていないのにこの体を酷使しすぎた。


「さんせーい!」


 エロエが両手を上げてやったー、と言っている。


「それじゃあ、俺は少しベットで横にならせてもらう」

「うん、私は本でも読んでおくね」


 そう言いながらエロエは《猿でもわかるん!魔物入門》という本を取り出した。

 おいおい、勇者。

 なんでお前今更そんな本を読んでるんだ。


「なぁ、エロエ」

「なに、サタナ?」

「お前、もしかして」


 いや、そんなことはないと思っているが、


「魔物の事、ほとんど知らないのか?」

「え、うん、そうだけど」


 なんでやねん。


「お前、本当にただの村娘だったんだな」

「うん、特別な力とか感じたこともないよ」


 エロエはニコッと笑いながら言ってきた。

 こいつ、このままじゃ知識がなさすぎて旅に出てもすぐに死んでしまう。

 仕方がない。


「エロエ、そんなの読まなくても俺が分かりやすく教えてやる」

「え、いいの?」


 エロエは首を傾げながら聞く。

 本を読んだって無駄な時間を使うだけだ。

 そんなことするなら知っている者から直接教えてもらう方が早いし理解もしやすい。


「あぁ、面倒くさいが教えてやる」

「わーい、お願いしますサタナ先生!」


 うむ、先生と言われるのは悪い気はしない。


「さて、エロエ。お前は魔物がどうやって生まれるか分かるか?」

「うーんと、なんとなくは知ってる」

「なんとなくじゃダメだ。魔物は基本《魔元素》と言われる全ての魔術、魔法の元になっている元素から生まれるんだ」

「へぇ、魔元素って魔力みたいなもの?」


 魔力の源も魔元素だから近いようで違う。


「近いな。だいたいそんなものだと思っていて大丈夫だ。因みに魔物と魔族は違うからそこも分かっておけ」

「え、魔物と魔族って違うの?」


 この勘違いは多い。

 魔物は魔物、魔族は魔族。

 例えるなら人間とゴリラみたいなもんだ。


「あぁ、魔物は魔元素から生まれるが魔族は交配によって生まれる。だから魔物には知性がなく魔族には知性がある」

「へぇ、魔物って一括りにしてたけど結構違うんだね」

「あぁ、そうだな。魔物は魔元素から生まれる。魔元素が豊富にある場所には魔物が大量に沸く。だから魔元素が多いところはダンジョンというんだ」

「だからダンジョンって魔物が多いんだね」

「あぁ、そして人間は魔物から出てくる魔球と言われる魔力の塊を手に入れるために魔物を倒したりするってわけだ」


 魔球は魔力の塊だ。

 魔球は色々なマジックアイテムに必要なものだ。

 その為、ギルドと言われる場所に買い取りの依頼が引っ切り無しに来るらしい。

 ギルドに加入している冒険者は魔球を売ったりして生計を立てているものも多い。


 そのまま、俺はエロエに魔物の事と魔族の事を教えた。


 教え終わる頃にはすっかり日も暮れて、俺は疲れ切っていた。


「それじゃ、俺は今度こそ寝させてもらう」


 俺は人間の体になって初めて熟睡した。

 ついでに次の日も筋肉痛のため休んだ。

今回は短いですね。

すみません!



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