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勇者は戸惑い魔女は語る

前回のあらすじ

《勇者消える》

 __魔女。

 初代勇者一行の魔法使い、『ハルカ・オノ』は自らを『魔女』と呼んだ。

 『私は魔に恋をしてしまった。私は魔女、私はもう魔以外を愛せない』

 これは勇者一行について書かれた本の中でも有名な一節。

 これを読んだすべての者が『彼女は魔を研究するあまり魔に憑りつかれた魔法使いの鏡』と思ったという。

 それから、『魔女』とは『魔法使い』に与えられる最も名誉な称号となった。



 ・・・・・・・・・



 私、エロエは今、


「師匠、エロエさん、コーヒーと紅茶どっちがいいです?」

「わたしゃはコーヒーでいいよ」

「あ、私は紅茶でお願いします」


 知らないおばあちゃんと向き合ってお茶を飲んでいます。


(あ、あれ~なんでこうなったんだっけ……)

「それにしてもすまなかったね」


 見た目五十歳くらいのおばあちゃんが言ってくる。


「私の弟子の失敗のせいでこんなところに飛ばされてしまって、本当にすまない」

「すみません!」


 おばあちゃんと白髪で白目の女の子が頭を下げる。


「い、いえ、失敗はだれにでもありますよ。私もよく失敗とかしちゃうし」

「そう言ってもらえると助かるよ。ほら『マオ』もお礼を言いな」

「ありがとうございます!」


 白髪に白目の女の子、『マオちゃん』はバッと勢いよく頭を下げる。

 見た目的に年は十二歳程度かな?


「そう言えば自己紹介がまだだったね。わたしゃ『ハルカ・オノ』じゃ。ほら、マオも」

「私はハルカ師匠の一番弟子で『マオ』です!師匠は師匠だけどお母さんでもあるのです!」


 オノさんとマオちゃんが自己紹介をし、私の番が回ってきた。


「えっと、私はエロエ、『エロエ・サクラギ』といいます」

「ん、『サクラギ』じゃと?」


 ハルカさんが少し頭を傾ける。

 「なんだか、聞いたことのあるなじゃなぁ」と言い私の体を見る。


「まぁ、忘れる程度の事なら気にせんでもいいか」

「流石師匠!その思いっきりさ、普通の人にはできません!」

(え、私すごく気になるんだけど……)


 私は少しモヤモヤした気持ちのままオノさんに話を聞く。


「あの、オノさん」

「わたしゃの事はハルカでいいよ」

「えっと、じゃあハルカさん。ここってどこら辺なんでしょうか?私、出来るだけ急いで戻らないといけないんですが……」


 ハルカさんは微笑みを崩さないまま私の前まで来て頭に手を触れる。


「スキル《想像する魔法イマジネーションマジック》」

「えっ!?」


 ハルカさんが私の頭に触れて何かを呟くと、頭の中になんだかよく分からない安心感が湧いてくる。

 なんというか、ここに居ればサタナ達を探すより早くサタナ達と合流できる気がする。


「エロエちゃん、今どんな考えが浮かんできたか聞かせてくれるかい?」


 ハルカさんが頭から手を離して元いた席に座り、優しい笑みを崩さないまま聞いてきた。

 なんというか、さっきよりこの人の事をいい人だと思っている自分がいる。


「え、えっと、ここに居たらはぐれた仲間たちと合流できる気する、て考えが浮かんできました……」

「そうかい、ならエロエちゃんはここに居たほうがいいね」

「そうですね!」


 ハルカさんとマオちゃんは特に不思議に思う事もなかったかのように返した。

 私はあまり状況が理解できていない。というか頭がパンクしそうだよ。


「あ、あの、今のってなんですか?」

「ん、あぁ、説明不足だったね。今のは一種の魔法みたいなもんだと思ってくれればいいよ」

「師匠の魔法は世界一です!エロエさんも安心するといいのです!」


 ま、魔法か。

 魔法の事はほとんど知らないけど魔法ってそんな事も出来るんだね。

 サタナとかだったら使えるのかな?


「そういえば、エロエさんは旅人さんなの?」

「え、違うよ。私は、ね」


 私は話している途中であることを思い出した。

 そういえば、私達の事ってあまり言っちゃダメだったんだ。


「ごめん、やっぱり旅人だよ」

「そうなんだ!だったら、師匠からお話聞かせてもらったらいいよ!」

「え……?」


 マオちゃんはそう言うが普通逆じゃないのかな?

 普通は旅人が旅の途中で見たものや感じたことを聞くんじゃないの?


「私も久しぶりに師匠の昔話聞きたいし!エロエさんも一緒に聞こうよ!」

「マオ、あまりエロエちゃんを困らせるんじゃないよ」


 マオちゃんは大はしゃぎで私の服の袖をつかんでお願いしてくる。


「エロエさんも聞きたいよね?ね!」

「う、うん」


 私はマオちゃんの気迫に押されて頷いた。


「ほら、師匠!エロエさんも聞きたいって言っているよ!」

「はぁ、仕方ないねぇ」


 そう言いうと、ハルカさんは立ち上がり私たちの座っている椅子の前まで自分の椅子を移動してきた。

 マオちゃんも私の横にあった椅子に座り、ワクワクした表情をする。


「それじゃあ、始めるかね」



 __わたしゃが魔法使いだった頃の話を



 ■□■□■



 私はハルカさんの話に聞き入ってしまった。

 ハルカさんは昔、ある魔族を倒すために仲間たちと旅に出たらしい。

 その旅の途中には様々な困難があり、悲しみがあり、優しさがあった。

 そして、ハルカさんは仲間と共に数々のモンスターを倒し、ついに目的だった魔族と戦えるまでの力を付けた。


「じゃが、わたしゃドジでな、その目的の魔族に捕まってしまったんじゃ」

「えっ?」


 ハルカさんがそう言うと今までキラキラした目で聞いていたマオちゃんの目が一段と輝く。

 それを見て私は、これからが話の本番なんだと確信する。


「そうして、捕まったわた「エロエェーーーーー!!!」


 一番イイところで、突然ストップがかかる。

 ハルカさんの家のドアが勢いよく開けられる。

 ドアから入ってきたのは『サタナ』だった。


「さ、サタナ?」

「ふぅ、良かったぞ。まだ生きているみたいだ「今イイところだから邪魔しないで!」……え?」

「すみませんハルカさん、話の続きをお願いします!」


 サタナが来てくれたのはうれしいが今はタイミングが悪いよ。

 正直私は今、サタナよりハルカさんの話の方が気になっている。


「ん、いいのかい?彼は」

「いいんです!」


 私は顔を近づけ、鼻息を荒くしながら言う、



 __話の続きが聞きたいです!と

さて、このおばあさんは一体何者なのか!?

私にはさっぱり分かりません(すっとぼけ)


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