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猫は背負い女神は泣く

前回のあらすじ

≪魔王様強すぎ!≫

 ゆらゆらと身体が揺れる感覚で俺は目を覚ます。


「ん、ん?」

「あ、ご主人起きましたか」


 俺は目を覚ますとミネに背負われ山道を下っていた。

 すぐに降りようとしたが《限定的魔王化(リミット・ウェイク)Level5》の副作用で身体が動かない。


「ミネ、お前あの場に残ってたのか…?」

「はい、私はご主人の飼い猫です。ご主人のそばにいるのは当たり前ですよ」


 ミネは微笑みながら言う。

 ミネは俺の力を見ていたってわけか…


「ミネ、お前はあの戦いを見ていたのか?」

「はい!ご主人の有志をしっかりこの目に焼き付けましたよ!」


 ミネはニャハハと笑いながら言う。

 しかし、笑顔は引きつっているように見える。


「なぁ、ミネ…」

「はい、なんですか?」

「お前は俺が怖いか?」


 俺がそう聞くとミネはピタッと歩みを止め、先ほどまでの作り笑いから真剣な表情になった。


「はい、怖いです…」

「そうか…」


 ミネはでも、と続ける。


「私はご主人の飼い猫です__」


 俺はその一言に目を見開く。


「__だから、私はバカみたいに単純にご主人を信じます」


 俺はこいつの忠誠心に驚きを隠せない。

 俺はこいつの事をあまり信用していなかった。

 だが、こいつは俺のことを単純に信じる、と言った。


「ははっ…」

「あれ、私、おかしいこと言いましたか?」


 俺がいきなり笑ったことを不思議そうにミネは見る。


「あぁ、可笑しいさ。お前はおかしい」

「えぇ…」


 いいこと言ったと思ったのに、とミネは肩を落とす。

 ミネは可笑しい、だが可笑しいくらいが俺のペットには丁度いい。


「決めたぞ。……お前は一生俺の飼い猫だ」

「……え?」

「痛っ!」


 ミネは背負っていた俺を落とし、キョトンとしている。

 いや、いくら驚いたからって落とさないでくれ。


「ほ、本当……ですか!」


 ミネは俺の肩を掴み揺らしながら聞く。


「あ、あぁ、本当だ」


 俺は軽く目を回しながら言う。

 き、気持ち悪い。


「あ、すみません!」


 俺の顔色が悪くなるの見てミネは咄嗟に手を離す。


「だ、大丈夫だ…少し吐き気と眩暈(めまい)と足がガクガクなだけだ」

「ぜ、全然大丈夫じゃないじゃないですかー!!」


 だ、ダメだ…

 意識が遠のいていく__



⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎



 体が登って行く感覚。

 落ちるのではなく、登って行く感覚。

 俺がこの世で一番嫌いな感覚。


「おはよう。そして、久しぶり『魔王ルシファ』」


 俺は目を開ける。

 目の前にあるのは一面の白。

 全てが白で、角がない世界。


「あ、そういえば今はサタナ・アンフェールって名前だっけ?」


 俺は寝たまま、少し視点を変え横を向いた。

 視点を変え見た方向には黄色の髪で長髪の美女がいた。


「あぁ、久しぶりだな。『神食いの女神』」

「私をそう呼ぶのはあなたくらいよ」


 そりゃ、そうだろう。

 こいつは『レイ』、光の神。

 いや、今は全能の神か……


「それで、何の用だ」

「あら、直球ね。もう少しお話ししてくれてもいいんじゃない?」

「冗談じゃない。俺はお前の顔すら見たくないんだ」


 えぇ!?っと驚いたように後ろに一歩下がる。


「わ、私もしかして嫌われてる?」

「あぁ、大大大大嫌いだな」

「なっ、大が四つもついた……」


 当たり前だ。

 俺は正直、勇者一行よりお前が嫌いだ。

 光の神。闇の神と破壊の神から生まれた俺からしたら、真逆の存在だ。

 その上、俺に勇者一行なんていうふざけたもんをけしかけやがった張本神。


「もし体が動いたら、今すぐその首を引きちぎってるぞ」

「そ、そこまで……」


 そう言いながらレイは膝と手を地面につける。

 しかし、すぐに体を起こし俺を指さす。


「そんな事言ってられるのも今のうちよ!私の話を聞いたらそんなことも言ってられないんだから!」

「早く話せよ」

「むきぃ!言うわよ!言ってやるわよ!」


 レイは俺の目の前まで顔を移動し顎を人差し指と親指でつかむ。


「ルシファ、貴方『神にならない?』」

「いやだな」


 レイはしたり顔で俺の眼を見つめる。

 しかし、少しずつ脂汗を書き始める。

 ギギギと効果音のつきそうな動きで一歩下がる。


「い、や……?」

「あぁ、断る」

「えぇ、神だよ!ゴット、トップ、最強!断る理由なんてないじゃない!」

「断る理由その一」

「え?」

「俺はお前の望んでいることをしたくない」

「え、え?」

「理由その二、お前と同じ種族になるなんて死んでも嫌」

「う、うぅ」

「最後の理由、俺には今やらないといけないことがある」

「ぐふっ」


 俺がそこまで言うとレイは膝をつき、少し涙を流しながら俺に小さい声で、


「女の子泣かせたらダメなんだぞぉ……」

「俺はお前を女として見ていない」

「ぐばっ!」


 レイはバタッと倒れる。

「なんだよばかやろぉ」レイがそう呟くと俺の下に光で出来た魔法陣が出てきた。



「ルシファ、次は絶対、私の__


 レイの言葉が最後まで聞こえる前に俺は光に包まれて意識が無くなった。



⬛︎⬜︎⬛︎⬜︎⬛︎



 体に重みを感じる。

 『あぁ、戻ってきたか』と俺は思い薄目で周りを確認する。


「すぅ……すぅ……」


 横でエロエとスズキが寝ていた。

 俺は音をたてないようにゆっくりと起き上がり、頭の中で状況を整理する。

 あの後、気絶した俺をミネが運んでくれたんだろ。

 そういえばミネはどこだ?


「ニャァ……ニャァ……」


 俺の寝ているベットの下にいた。


 さて、これからどうするか。

 いや、次に行く場所は決まっているんだが……


 正直、今日で入ってきた情報が多すぎて整理しきれていない。

 まず一つが魔王教。

 二つ目が女神の今だ。

 言葉にすると二つだがこれは一つがとても大きい。


「魔王教に女神か……」


 女神は昔と変わっていなかったが、問題は魔王教だ。

 何の目的でいったい何のために宗教なんて作っているんだ?


「ん、んん?……えっ」


 俺が考え込んでいるとエロエが起きバッと立ち上がり、俺に近づいてきた。


「ザダナァー!!よかっだー!」

「うおっ!?」


 エロエが抱き着いてきた。

 涙をボロボロと流し少し痛いくらいの力で抱きしめる。


「ん、アンフェールさん起きたのですか!」


 スズキも起きて俺に近づいてくる。

 スズキは少し微笑み、俺の手を握り、


「ありがとうございます」


 俺はそれが何に対する感謝の言葉なのか分からなかったが、感謝されて悪い気はしなかった。

 そう思ったとき俺は外見だけじゃなく中身まで人間になってきてるのか、と思いため息をついた。

 あるアニメにハマってて投稿遅れてしまいました。

 そんな自分が実に怠惰でみじめになってしまいそうです。

 あぁ、怠惰怠惰怠惰怠惰ぁ!!見ている方に、見ている方に報いなければぁ!!!

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