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短いです。
雲一つない青空、そしてその天辺で爛々と輝く、太陽の日差しが木洩れ日になった例年より少し暑い夏の日、私は運命と出会った。
その鱗は木洩れ日を吸い込み何処までも暗く、それでいてどこか澄んだ漆黒。
その爪は全てを切り裂く、白よりも白く輝く白銀。
その翼は、空の支配者たる何よりの証拠。
その尾は、ゆらゆらと揺れていて、どこか好奇心を抑えられぬ猫の様。
その巨大なアギトは、絶対者たる証。
そしてその爛々と輝く双眸は、どこまでも透き通った赤色だった。
だがしかし、そのドラゴンは傷つき、弱っていた。
漆黒の鱗は所々剥がれ落ち、前足の爪も一本欠けている。巨大なアギトは地につけている。
その傷ついたドラゴンは、億劫そうにこちらを一瞥すると、頭の中に唐突に声が響く。
『それで、ニンゲン。我に何のようだ?』
その傷ついたドラゴンーーー、ドラゴンのなかでも最凶最悪と名高い、黒竜がこちらを見ていた。
頑張ります(^^)/