パーティを追放した勇者パーティのその後
「おまえを勇者パーティから追放する!」
「勇者、貴方何を・・・!」
「騎士、後で説明する。今は黙っていてくれ。」
「・・・何も言わないんだな。ではおまえはここまでだ。手持ちのものはそのまま持って行ってくれていい。」
==========================================================================
「俺達が魔王軍を倒すのに必要なものは何だと思う?」
「魔王は聖女の祈りを背負った勇者の力には必ず屈するといいますが・・・」
「それはただ「魔王を」倒す、そのための必要条件だ。それだけじゃ充分じゃない。
魔王軍なんてものがある以上、魔王だけと戦えるわけじゃない。
俺は・・・自分と信頼できる仲間の実力を正確に把握した上で、魔王の下に辿り着くだけの強さを持つことだと思っている。
その為には誰が何をできるかをしっかり知っておかなければならない。」
「だから・・・あいつを追放した。」
「あいつをパーティに入れてから、急に俺達のパーティは強くなった。
初めは今までの戦いで実力が付いた・・・と自惚れたが、落ち着いて考えると何かがおかしい。
何かを掴んで急に強くなることは無いとは言わない、だけど全員が同時期にそうなるか?
そう考えた時に、あいつが何かをしている、ということに気づいた。それが3ケ月前だ。」
「あいつが何をしていたのかはわからない。
そしてその3か月であいつが何をしているのか話してくれれば・・・そのままパーティに居てもらうつもりだった。」
「だけどあいつは追放を言い渡されてすら、何をしているのかを説明しなかった。
そんな奴に命懸けの戦いの背中を預けるなんてことは俺にはできない。」
「聖女には事前に話をしていたが・・・君達はあいつと仲が良かったし、嘘を吐くことができないからな・・・事前に説明できなかった。
もしそれでもまだ手を貸してくれるというなら、一度自分達の実力を確かめなおして、魔王軍に挑みたいと思う。」
==========================================================================
勇者パーティが魔王を倒し、魔王軍が崩壊する1年前の話。
命懸けの現場で情報共有できない奴はどれだけ実力があっても背中を預けられませんよね、という話。
追放する勇者側がまともだっていいじゃない。




