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ラビリンスワールド  作者: 覚之輔
第五章:転換点
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第四章:ユウカとの出会い

カフェには取引所からくると一番近い南側の入口から入った。カフェでスマホを見ながらどうやってお金を稼ぐかを考えていた。

コーヒーを飲み終わり、スマホを見ながら外に出て取引場に戻ろうと数歩あるいたところ、入ってきた入口とは違う入口から出てしまったらしく、来た時の風景とは違っていた。

ここはどこだときょろきょろしていると向いにカジノがあったので、カフェの北側の出入り口から出てしまったのだとわかった。目の前に南側に続く道が見えたのでカフェのか壁沿いに半周して帰ることにした。


カフェの角を左に曲がり南に向かって歩いているとカフェの向いの壁に「出口」と書いた扉を見かけた。カジノとはつながっていないしなんの出口だろうと思って歩いていた。その時フッとラビリンスワールドの出口だと気が付いた。

「あった」と思わず、声がでていた。早速、出口に駆け寄って開けてみようとしたがプッシュボタン式の電子錠がかかっていた。

「なんだよ、そういうことか」とひとりごとをいっていた。

その横に『電子錠にスマホをかざして起動させプッシュボタンで番号を入力しEnterキーを押す。回数は一人1日1回まで』と記載されていた。とりあえず777と入れてEnterキーを押してみたが予想通り開かなかった。

明日にならないと入力できないのか。何桁かもわからないしカンで開けるのは無理だろうと思った。もし、毎日1回ずつゼロから順番に入力していっても1桁で開くなら10日、2桁なら100日、3桁だと2年9か月かかり、4桁なら27年5ヶ月あれば開けることができる。5桁なら・・・計算するのが怖くなりやめた。


俺なら2桁でも開けるのは無理だと思った。ほかに開け方はないかといろいろ探していると、後ろから同年代の女性に声をかけられた。

女「見かけない顔だね。開けようと思ってるのかい。」

ショウ「どうやって開けるんですか。」

女「そこに書いてあるだろ。そのままだよ」

ショウ「開ける番号を知ってるんですか」

女「知ってたら、とっくに出て行ってるよ。でも、いい情報なら持ってるよ」

ショウ「教えてください」

女「じゃあ100ゴールドでいいよ」

ショウ「ゴールドがいるんですか」

女「当り前じゃないか。タダで手に入ると思っちゃダメだよ」どうしても、聞いてみたかったので女に100ゴールド払った。


女「それじゃあ教えてやる。誰にもいうなよ。ここの鍵は4桁以上だよ。0から999まで試した奴が3桁までの数字はすべて試したが開かなかったっていっていたのさ」

ショウ「試した人がいるんですか。すごいな。情報はそれだけですか」

ユウカ「100ゴールドならこれだけだろ。あたしはユウカ。困ったらいつでも相談に乗るぜ。いつもこの辺にいるから探しに来な。」といって歩いていってしまった。そろそろ「銀の剣」が売れているかもしれないと思い、取引所に戻ることにした。


取引所に戻ってバザーで確認したがまだ俺の「銀の剣」は売れていなかった。取引所や武器防具工房でよく見かけるナオキと呼ばれている人に聞いてみることにした。

「すみません。武器を作ってバザーに出店したのですが、80%の出来だったので取引所で売っている80%で出したのですがなかなか売れないんです。なぜだか教えてもらえますか。」

「そんなこと、俺の知ったことじゃない。自分で考えろ」といって教えてくれなかった。

なんだよ、明らかにバザーで儲けていそうなのに教えてくれないなんて、なんでケチなんだろうと思った。

自分で考えてみたが、思いつかなかった。案内係なら知っているかもしれないと思い、案内係に聞いてみたがラビリンスワールドでの基本的な機器の使用方法やアトラクションの使い方の説明はするが、プレーヤーの進め方まではアドバイスできないと断られた。


仕方がないのでさっき出口で知り合ったユウカに聞いてみることにした。再び先ほどのカフェ付近で探していると、女性数人とカフェで話している集団の中にユウカがいるのを見つけた。

「聞きたいことがあるんだが」と俺はユウカに尋ねた

「なんだ」

「工房で作った80%の出来の武器をバザーに取引所の80%の値段で出品したんだがなかなか売れないんだよ。なんで売れないかわかるか」

「教えてやってもいいが、少し高等な話になるから、1000ゴールドだな」

「そんなお金持ってないよ」

「じゃあ、あきらめろ」とユウカはきっぱりいい放った。

「いくら何でも1000ゴールドは無理だ。まけてくれよ」

「しょうがないな。それじゃあ特別に500ゴールドにしてやる。これ以上はまけられないから、いやなら他を探しな」

「わかった。500ゴールドだな。今はないから明日でもいいか」

「ゴールドができたらいつでも来い」

「わかった。」といって俺はカフェを後にした。どうやってゴールドを稼ごうか考えたが、石や枝を拾って稼ぐしか方法を思いつかなかった。今日は疲れたので明日裏庭に石と枝を探しに行くことにした。今日はカプセルホテルに戻って休息することにした。


次の日、早速裏山に向かってきれいそうな石や枝を100個ぐらい拾って取引所に持って行って換金してもらったが、500ゴールドにはならなかった。自分の持ち金を確認し、合わせると500ゴールドを超えたので、ユウカのところに向かおうと思ったが、その前に昨日出品した「銀の剣」が売れているかをスマホで確認した。

しかし、まだ、売れていなかった。ユウカのところに向かった。カフェには見当たらなかったが、服屋にいるところを見つけた。


「500ゴールド持ってきたぞ。なんで、俺の武器が売れないのか教えてくれ。」と俺はユウカにいった。

「わかった。それじゃあ500ゴールドは前払いだ」俺は500ゴールドを支払った。

「バザーで自分の武器と同じ武器がいくらで売られているか見てみろよ。

時間を空けて何回か見てみれば、売れてない武器の値段がわかるだろう。売れてない武器と同じ価値で同じ値段をつけても売れないだろうよ。難しいことはよくわからないが、需要と供給の関係がどうとかとかいうやつだよ」

「バザーで長い間ある商品は売れないから残っているってことか。それよりも低い値段にしないといけないということだな」

「そういうことだよ。まいどあり。また、わからないことがあったらゴールド持ってくれば教えてやるぜ」

俺はバザーに戻ってバザーに出ている「銀の剣」の価格を調べてみた。

80%のできの「銀の剣」の最低金額は3600ゴールドから最高金額は5200ゴールドまで売り出されていた。5200ゴールドで買う奴なんているのかよ。

頭悪いんじゃないかと思った。しばらく眺めていると3600ゴールドの「銀の剣」は売れてなくなっていた。


よし、3600ゴールドなら売れるわけだ。俺は「銀の剣」の出品を取り消し、今度は3600ゴールドで再び出品した。しばらくしてから、スマホに「銀の剣」が売れましたと連絡が入り、3600ゴールドを手にした。

このゴールドで再び銀色鉱石と樫の枝をバザーで買うことにした。今日の価格は前回よりも安く、合計2100ゴールドで買うことができた。


早速、レシピ通りに作ってみたが、今回は失敗してしまった。目の前が真っ暗になった。失敗してしまった・・・これまで苦労して稼いだゴールドが一瞬にしてなくなってしまった。スマホで確認すると残り1500ゴールドとなっていた。このゴールドでは銀色鉱石と樫の枝をバザーで買うことはできなかった。

仕方なく取引所を出て、気力を失いとぼとぼとカフェに向かった。


格闘技場で戦っても負けてばかりでゴールドが稼げない。素材を集めて武器や防具を作っても失敗したらゴールドがなくなってしまう。

一体どうしたらいいんだ、となやんでいたら、ユウカのことを思い出した。またゴールドをとられるがユウカに相談してみるしかないのかと思った。ゴールドがなくなってからではユウカに相談したくてもできなくなると思ったのでユウカを探すことにした。


カフェの近くを探したが見当たらなかった。散歩も兼ねてユウカを探しに庭に出てみることにした。裏山やガーデニングに行くような服装ではなかったので庭の出入り口の工房を覗いてみることにした。

薬屋の隣に薬工房があったので覗いてみると数人の女性と一緒にユウカが工房にいた。仲間の女性に何かを作るよう指示していた。俺はユウカのところに行って話しかけた。

「あのー」

「また、お前か。お前はあたしのストーカーか」

「ストーカーじゃない。また、困ったことになったので相談しに来たんだ。」俺は「銀の剣」が売れてゴールドが入り、その金で再び材料を買ったが、失敗したことを話した。


「それで、俺はどうやってゴールドを稼げばいいんだ」と俺はたずねた。

「教えてやってもいいが、今回の内容だったら1000ゴールドはいただくぞ。前回みたいにまけることはできないぞ。それでもいいのなら教えてやる」

「俺が1000ゴールド以上持っているのを知っていて、いっているな。わかったよ1000ゴールド払うよ」

「よし。ちゃんと1000ゴールド受け取った。それじゃあ教えてやろう。お前はゴールドの稼ぎ方を何にもわかっていない。だから、あたしが教えてやるから、今日からあたしの仲間として働け。安心しろ、働いた分の分け前は与える。」


「お前の仲間になるのか。俺が。」なんでこんな金の亡者の仲間にならなければならないんだと思ったが、ゴールドを稼ぐ方法がわからなかったので、しぶしぶ承諾することにした。

「わかったよ。よろしくな」

「あたしはこのグループのリーダーだ。よろしくお願いしますだろ。それにあたしのことはユウカさんと呼べ。みんなそう呼んでる」

「よろしくお願いします。ユウカさん」くそー。ゴールドを稼いだらすぐに出て行ってやると思った。

「ちょうど、男手がいなくて困っていたんだ。仕事ならいくらでもあるぞ。まずはあたしがバザーで買った、石臼が取引所にあるからと取ってきてくれ。何かあったらスマホで連絡しろ」といわれ俺はスマホで連絡先を交換した。


「わかりました」といって、取引所に向かった。取引所につくとユウカが買った石臼が届いていた。石臼を持とうと思ったが非常に重くて動かなかった。ユウカに電話した。

「ユウカさん、石臼は重すぎて持てません。どうしましょう」

「頭つかってよく考えろよ」といわれたので、しばらく石臼を見て考えていた。

よく見ると石臼は中央付近に横に筋が入っているのを見つけた。どうやら上と下にわかれるようだった。上と下に分けて運べば運べるかもしれないと思ったが、そうはいったものの、上は30kg、下は40kgあった。1時間ほとかけて、やっとの思いで石臼の上を薬工房まで運んだ。下の40kgを運んでいる途中につかれたのでベンチで休んでいると白髪混じりの中年の男性が通りかかって、

「かなり疲れているようですね」と話しかけてきた。

疲れてイライラしていてるのもあり、また、このおじさんにこの重い臼を運ぶのを手伝ってもらうのは無理だと思って、

「今しんどいので、話しかけないでくれませんか」といった。

「これは失礼しました」といって白髪混じりの中年男性は去っていった。

その後再び40kgの臼を持ちあげ、薬工房までなんとか運んだ。非常に疲れて立ち上がるのもやっとだった。

「よし、ご苦労。まだ、あんまり働いていないが、もう今日は使い物にならないな。今日の仕事はこれまでだ。今日の報酬を受け取ってくれ。明日の仕事は通信アプリで指示するから朝9時までに確認しとけよ」

「わかりました。」といって今日の報酬500ゴールドを受け取った。これだけ働いてたった500ゴールドかと思った。


夜寝る前にスマホを確認したら、明日の待ち合わせ場所と時間が入っていた。次の日、ユウカから指定された時間に指定された素材工房に向かった。素材工房にはすでにユウカが到着していて、仲間にいろいろ指示をしていた。ユウカは俺をみるなり、

「よし、来たな。お前には石を拾ってきてもらいたい」

「石ですか。どんな石を拾ってくればいいんですか?」

「こんな石だ」といってスマホで石の写真を俺にみせた。その石は黒っぽい石で細かい白い点が入っていた。

「これはクロムの鉱石だ。拾ってくる場所はこの前の道を西に進んで、裏山に着いたら裏山を登ってさらに西に進むと小さな物置小屋がある。小屋にたどり着いたらそこから北に少し進んだところにクロム鉱石がたくさん落ちているはずだ」

「わかりました。どのくらい必要ですか」

「5kgは欲しいな」

「多いですね」

「このくらいないと商売にならないんだよ。そのための男手じゃないか。昼までに集めてくれ。それじゃあよろしくな」

人使いが荒いなと文句をいいながらクロム鉱石を拾いに出かけた。素材工房を出て西に向かった。


歩いているとガーデニングコーナーの横を通り過ぎた。ガーデニングコーナーには数名の女性がいて各々花やハーブを育てているようだった。

しかし、どの女性も険しい顔をして、一生懸命大量の花やハーブの世話をしていた。ガーデニングコーナーを過ぎると西の裏山に着いた。西の裏山は勾配が急なのでかなり苦労して平らなところまで登った。

平らなところまで来ると簡単に歩くことができた。さらに西に向かった。

しばらく歩くと、物置小屋があったので物置小屋を北に進んだ。この辺だと思い、黒い石を探した。しばらく歩くと小さな黒い石を見つけた。


あったぞ。この辺に違いないと思いあたりを探してみた。ユウカがたくさんあるといっていただけのことはあり、クロム鉱石は比較的簡単に集めることができた。

1kgほど集めたところで持ちきれなくなったので、入れるものを取りに素材工房へ戻った。

「1kgほど持ってきました。また取りにいきますので、袋ください」

「袋なんて何に使うんだ」

「ですから、拾った石を運ぶんです」

「お前、何にもわかってないな」

「はぁ?」

「お前が毎日腰につけているものはなんだ」

「あ、そうかこのウエストポーチに入れればいいのか」と俺はようやく気が付いた。

「どうせ気づいてないだろうからついでにいっておくが、そのウエストポーチの中身はスマホで確認できるから拾った石がクロム鉱石かどうか確認できる」

「そうなんですね」

「やっぱり、気づいてなかったな。どれだけ間抜なんだ。仲間じゃなかったら500ゴールドはもらってたな」

「拾った石はクロム鉱石以外も渡すんだぞ」

「わかりました。」といって、再び裏山に戻った。


そうか、ウエストポーチに入れれば重い思いをしなくて済むのかと思った。まてよ、石臼を運んだ時もウエストポーチに入れれば簡単に運べたじゃないか。ユウカのヤツ知ってて黙って見てやがったな。あいつ性格悪いなと考えていた。

半日かけてようやくクロム鉱石を5kg集めることができた。

「持ってきました。」とユウカにいった。


「ご苦労。よし、それじゃあクロム鉱石はそこの窯に入れてくれ。残りの石は部屋の端の作業台の上に置いてくれ。後で、手伝ってほしいことがあるから、しばらく休憩しといてくれ」そういわれて俺は素材工房のベンチで休息をとることにした。

ベンチでうとうとしているとユウカにたたき起こされた。

「いつまで寝てる。仕事だ起きろ」

「はぁ」

「窯に残っている小石と砂を袋に入れて隣のガーデニングの道具小屋まで持っていってくれ」

「また、力仕事ですか」

「お前それしかできないだろ。黙っていわれたことをしてろ」

「わかりましたよ」そういって、しぶしぶ窯から小石と砂を取り出そうとした。


だがとても熱かったのでスコップや手袋をして作業することにした。いくつかの袋に窯の中にある小石と砂をすべて入れた。その袋をウエストポーチに入れて、隣のガーデニングの道具小屋まで運んだ。

道具小屋の奥まですすみウエストポーチから小石と砂を入れた袋を取り出し壁に沿って並べた。ふと視線を上げると小屋の開いていた窓からガーデニング場がみえた。

色とりどりの花やハーブが咲いていてとてもきれいで、どことなくいい匂いも漂ってきていた。

「あー、いやされるなー」と知らず知らずの間にひとりごとをいっていた。しばらく、花やハーブを眺めていた。


素材工房に戻って

「終わりました。もう、帰ってもいいですか」とユウカにいった。

「まだだ。まだクロムのインゴットを作っただけじゃないか。取引所で仕入れた鉄のインゴットとニッケルのインゴットを使ってステンレスのインゴットを作るんだよ」

「なんで、クロムのインゴットは作ったのに、他のインゴットは買ったんですか。」

「クロムのインゴットは高いんだよ。ここシルバーラビリンスではクロムがたくさん取れるから買うより作った方が早くて安い」

「へー!そうなんですか。ここのラビリンスはシルバーラビリンスっていうんですか」

「驚いたのはそこかよ。そうだよ、銀鉱石だけじゃなく、ところどころ銀色に光る石が多く取れるから、シルバーラビリンスっていうそうだ」

「たしかによく銀色の鉱石は落ちてますね」

「よし、それじゃあステンレスのインゴットを作るぞ」

「なんでステンレスのインゴットを作るんですか」

「ステンレスはさびにくいから服や小物の金属部分によく使用されているんだ。これがないと金属を使うブランド品が作れないからな。ブランド品を作れば高く売れるだろ、そのためだ」

「金儲けするにも大変ですね」

「いいからさっさと作るぞ」


材料がそろっていたのでステンレスのインゴットを作るのにあまり時間がかからなかった。

「よし、できた。続きは明日にするか。後かたづけをして、今日は終わりだ」

後かたづけをした後ショウは今日の給料として1000ゴールド受け取った。

これだけ働いてたった1000ゴールドかよ。しかし、石を拾って売るよりよりはましだと思った。


少しの給料でユウカにさんざんこき使われて、早く出口を見つけてこの世界から脱出してやる。行けるところはほとんど行って、唯一見つけた出口は鍵がかかっているって、いったいどういうことなんだ。

出られる出口なんてないんじゃないか、と考えていた。待てよ、まだ行っていないところがあるな。そういえばレベル18以下は入場禁止(L18禁)のエリアにはまだ、行けていないぞ。

絶対L18禁のエリアに出口があるに違いない。早くレベルを上げよう。今のレベルはいくらだ。スマホで自分のレベルを調べてみた。

レベル3。絶望に近い衝撃を受けた。まだ、レベル3なんて。あとどれくらいこの生活を続けなければならないんだ。気力がなくなり、へたり込んでしまった。


それでも何とかレベル18になれば出口を見つけられるんだと自分にいい聞かせて気力を振り絞った。行ってないところはまだあった。

各種工房の奥の部屋にも行ったことがなかった。素材工房の奥の部屋に行ける条件として『クロム、ニッケル、銅のいずれかのインゴットを10個作製する』と記載されていた。これならすぐにできるぞと思った。


1ヶ月後にはクロムのインゴットを累積で10個作っていた。よし素材工房の奥の部屋に行く権利を得て、奥の部屋に行ってみた。奥の部屋には素材工房にある窯よりグレードの高い窯や道具がそろっていたが、使用するには高額の使用料を支払う必要があり、使えば使うほど赤字となるため、誰も使う人はいなかった。

「まったく使えないな」とひとりごとをいっていた。

使えない装置はどうでもいいので、ラビリンスワールドの出口を探したが見つからなかった。その日はかなり落ち込んだので、早退してカプセルホテルで休むことにした。


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