1/30

神に選ばれなかった者たちへ

古の時代――人は空を仰ぎ、そこに神々を見た。

　火を司る《紅蓮帝プルトン》

　水を律する《白氷神ポセイドン》

　雷と風を支配する《空王ウラノス》

　知と魔を統べる《千智女神アテナ》

　そして、光と秩序をもたらす《輝星神アポロン》

　彼らはかつて、人類を災厄から救うために造られた《神鎧兵（ディヴァイン・アームズ）》であった。

　神々の遺産。機械と魔術、霊魂と意志の融合体。

　だが、永きにわたる時の果てに――彼らは“守護者”ではなく、“支配者”となった。

　セレフタ大陸。

　この広大な地は、五つの大国によって分割統治されている。

　その王たちはすべて、神鎧兵として人の姿を持ち、絶対の力を振るっていた。

　火の国ルグドリア帝国では、紅蓮帝プルトンが、都市を一晩で焼き尽くす灼熱の拳を振るい、

　水のシェルメイア神政国では、白氷神ポセイドンが、信仰を盾に異端を粛清し、

　雷のザンカル連邦では、空王ウラノスが、騎馬軍団と共に大地を轟かせ、

　魔術のネブ＝オルク王国では、千智女神アテナが、民の記憶すら書き換える術を操っていた。

　そして遥か天より舞い降りた“第六の神”、輝星神アポロンは、かつて滅んだはずの黄金の帝国を復興し、大陸の頂点に立とうとしていた。

　世界は静かだった。

　いや――正確には、“支配の均衡”によって凍りついていた。

　誰も神々に逆らわなかった。

　逆らえなかった。

　それが「運命」だと、誰もが信じていた。

　だが――運命を拒んだ者が、たった一人いた。

　彼の名は、アシュレイ・ゼイン。

　北の辺境サリダの村に身を潜め、鍛冶屋の息子としてひっそりと生きる少年。

　しかしその正体は、ルグドリア帝国によって滅ぼされた王国《アルザーン》の最後の王子であり、かつて“焔紋の血を継ぐ者”と呼ばれた存在だった。

　彼は幼き日にすべてを奪われた。

　家族、国、名、そして未来を。

　だが、炎は消えていなかった。

　民の嘆きに耳を傾け、仲間と共に汗を流し、

　無名の青年として生きるその胸の奥で、静かに、確かに、焔は燃え続けていた。

　そしてある日――

　空から、神の使者が舞い降りた。

　焔の村は焼かれ、叫びと血に染まった。

　少年は、再び失う痛みを知った。

　そのとき、彼は誓った。

　もう二度と、神に人の生を弄ばせない。

　この手で、神を討つ。

　奪われた王国を、ただ奪い返すためではなく。

　この世界から「選ばれし者だけが支配する構造」を打ち壊すために。

　かつて、神は人を創ったという。

　だが今、人が神を討つ時代が始まる。

　アシュレイは、共に生きた幼なじみ――

　豪快な戦士ガロン・ベルク。

　冷静な軍師シエル・ルーヴェ。

　二人の仲間と共に、反逆の旗を掲げる。

　それは、のちにこう呼ばれる戦いの始まりだった。

《ユニオン・オブ・アポスト》――五神を討つ者たちの戦記。

　誰に与えられた力でもない。

　誰かに命じられた義務でもない。

　彼らが信じた“理”のために立ち上がった、少年たちの叛逆の物語が、いま幕を開ける。

※本作はAIの補助を用いて執筆しています。構成・物語・キャラクターは作者による創作であり、最終的な編集・表現も作者自身が行っています。