不思議部と開かずの扉 7
結局1時間半も遊んでしまった。ちなみに最後まで先輩には勝ち続けた。この先輩、上達がかなり早い。しかしやりこんでる分のプライドがある。負ける訳にはいかない。
「先輩、そろそろ時間ですが」
「えーでも…あ、そうだね。じゃ、終わりにしよっか」
んーっと伸びをしてそう答えると置いてあったジュースを飲み干した。
「あ、リュック持ってかなきゃ」
「俺が持ちますよ。よいしょっと…おも…何入ってんだこれ…」
まだパンパンに詰まったリュックを担いで玄関の方へ向かう。これ何入ってんだ?てっきり食いもんだと思ってたけど…違うみたいだ。
「リュックの中身はまだ内緒!後で使うから大事に持ってきてね?」
「はぁ、じゃあ向かいますか」
「よーし、しゅっぱつしんこー!」
俺の家から学校までは自転車で15分程度である。近くもなく遠くもなく…そんなところだ。もう通い慣れた道である。学校に自転車を走らせながら飼い猫の話や家族の話をしているといつの間にか到着する。
「着いたね!じゃ、行こうか」
「どこに行くんですか?部室?なら職員室に」
「ん?あの突き当りに行くよー」
「あそこには何も無かったじゃないですか」
「まあ、"一見"なにもないように見えるよね」
「……?」
何を言っているんだ?あそこには本当に何も無かった。
少なくとも、俺には何も見えなかった。何も無い…ように見えた。
「ほらほらー置いてくよ?」
ここは一度大人しく着いていくことにする。いや、もう一度か。部室から連れられた時は遠く思えたあの場所が玄関からはかなり近く思えた。いや、正確に測ったわけではない。ただそう感じた、というだけだ。
「さて、着いたね」
「先輩…やっぱり何も無いですよ」
「"一見"ね、」
「その一見ってのはどういう…」
「ま、すぐに分かるよ」
「それとこの荷物もいい加減重いんですけど…」
「あ、下ろしていいよ。その中にあるもの出して」
「あぁ、そうですか」
ドサリ、とリュックを廊下に置く。ジジジとファスナーを開けて中身を取り出していく。まだお菓子入ってたのか…
そして1番底にあった。恐らくリュックが重かった理由。
どこか見覚えのあるような透明な袋。そこには白い粉が大量に詰まっている。そしてその袋には
「伯方の塩」
と書いてあった。