不思議部と開かずの扉 5
飯風呂寝るで翌日、朝8時に起きました。グッモーニン。
普段なら二度寝するところだが、今日は昼からアレがあるから勘弁しといてやろう。ま、適当に朝メシ食って…昼前まではゴロゴロしてよう。などと考えていた矢先に家のチャイムが鳴った。家に遊びに来るような友人はいないし、そもそも朝だ。宅配か…などと考えつつはーいと返事をして、玄関の扉を開けた。
「おはよー!後輩くん!」
なんでアンタが家を知ってんだよ!
「なんでアンタが家を知ってんだよ!」
「先輩としてとーぜんでしょ?」
声に出てた。てかとーぜんじゃねえよ!やっぱこの先輩怖い…入る部活間違えたかな…間違えたな…やめようかな…
「はぁ…何の用ですか?約束だと昼だったような…」
「ちゃんと約束覚えてるかなーってのと、約束破らないよねーってので!」
「覚えてますし破る気は…まあ…少ししかありませんでしたよ。」
「少し破るつもりあったんじゃん!油断ならないなー」
「それで…用事はそれだけですか」
「それだけだよ?」
それだけなの?
「それじゃ、昼前には向かいますんで…今のところは帰っていただいても?」
「えー?もてなしてよー!」
「はぁ…じゃあまあ、上がってきますか…?」
「はーい!おじゃましまーす!」
邪魔するんなら帰って欲しい。本当に。
「荷物、そこら辺に置いといてください。」
「はーい、後輩くんはもう朝ごはんなんか食べたの?」
「まだなんで…適当に食えるもん食おうと思ってたんですが。」
「じゃあ私もご相伴に預かろうかな?」
「え…マジですか?俺普段から適当なもん食ってるんで…」
「ふーん。普段どんな感じなの?」
「あー、コンビニ弁当とかーカップラーメンとかですかね。」
「良くないなーそれは!体に良くないよ!」
「つっても俺…料理とかできないんで…」
「じゃあ今日は私が朝ごはんを作ってあげよう!」
どうしよう。不安だ。なんかやらかす未来が見える。
「火事はやめてください。」
「大丈夫!私、こう見えて料理は得意なんだよ?」
これはあれだ。止まんないやつだな。
「じゃあ、お願いします…」
「任せときなさい!美味しい朝ごはん食べさせたげるから!」
「あ、でも食材とかないですよ。」
「なら買いに行かなきゃだ。一緒に行く?」
「いや、悪いんで、俺一人で行きますよ。なんか欲しいもんあればリクエストしてください。」
と、言うことで俺は朝からスーパーに買い出しである。別に遠くはない。通学用のチャリで10分くらいだ。
まあ、買い物時間とかも含めて40分程度。リクエストされたモノと飲み物とお菓子。こんなもんだろう。多すぎても持ち帰れないしな。
「ただいま戻りました。」
「おかえりー」
リビングの扉を開けるとポテチ食ってる先輩の姿があった。ソファに座る膝の上に猫が香箱座りしている。ウチの猫まだ俺に懐いてないんだけどな…
「めちゃくちゃくつろいでますね。そんなお菓子とかありましたっけ。」
「これは持ってきたの。」
「あ、そうですか…」
そういえばなんか持ってきてたな。あれの中身もしかして全部食いもんなのか。
「あ、ちゃんと買ってきましたよ。まあ、お菓子は必要なかったみたいですが」
「ありがとー!じゃ、ぱぱぱっと作っちゃうね!」
「何作るんですか?」
「んー、パスタ?かな?」
「食材買わせといて特に決まってないんですね…」
「ま、どうとでもなる!料理は必要以上に精密である必要はないのよ!」
「はぁ、そうですか。じゃあ、お願いします。台所自由に使ってください。大したものはないですが」
「まあ期待して待っててよ!そんな時間はかからないから!多分!」
爆発とかしないだろうな…やはり不安だ。