不思議部と開かずの扉 3
「さて、出発する前に先輩。」
「なに?」
「着替えましょう。」
「えー!せっかく準備したのに!」
「いやいや目立ちすぎますって」
「でも…」
「でもじゃなくて。探偵は隠すもんですよ。知らんけど」
「でもまあそうよねー」
意外と素直?
「これは君に着てもらうわ」
「まてまてまてまて」
なぜそうなる?やはりこの女は頭がおかしいのか
「だって探偵は身を隠すものでしょう?あなたが着れば私は隠れるじゃない。」
人をおとりにしないで欲しい
「絶対着替えませんからね」
「むー…もう、そんな嫌ならいいわよ…」
「じゃ、俺は部室の外に出てますから。制服に着替えてから出てきてください」
言いつつ部屋から出た後、
「はーい」
と言う返事が、扉の向こうからかすかに聞こえた。
「じゃあ今度こそ調査開始!」
「まずは何年から聞きこみします?」
「そうね、まずは…2年生からにしよう」
「まあ、何となく1組から順番に聞き込みしましょうか」
「レッツゴー!」
マジで適当なノリだがこれでいいんだろうか
さっそく第1村人発見だ。
「すみません、少し聞きたいことがあるのですが」
「ん?君、1年生か」
「はい。変な噂を聞いたんです」
「噂?どんなの?」
「開かずの教室があるっていう噂ですよ」
「そんなの聞いたことないけどなー」
「え、有名な話じゃないんですか」
「それ誰に聞いたの?」
「3年の先輩です」
「からかわれてんじゃないの?そんな話聞いたことないよー」
「そうなんですか。ありがとうございます」
うーん、騙された?その可能性もあるだろうが…もう2人ほどに聞いてみよう。
さて、結果から言おう。俺たちは騙されたようだ。出会った生徒全てに聞き込みしたが噂について知っている人すらいなかった。
あの女…まあ明日調査結果を報告する事になっている。
そこで理由を聞いてやってもいいだろう。
「先輩、というわけで俺の方は全く進捗がなかったんですけどそっちはどうです?」
「何の成果も得られませんでしたーって感じね。明日詳しく聞いてみようか」
さて、俺たちは今日の放課後を棒に振ったことになる。
入る部活間違えたかも…
騙されたみたいですね。無様ですね。