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不思議な事が起きたら不思議部へご相談ください!  作者: わいえむじ
不思議部と開かずの部屋
1/16

俺、不思議部に出会う

初投稿作品です

前略 桜の咲く季節になり、俺は高校生になった。


「君たちは今日、 高校生になりました。」


どこかで聞いたことがあるような内容を繰り返す校長の話を聞き流しつつ、高校生活に胸を躍らせていると、校長の話しは終わり、部活動紹介が始まった。俺からすると運動部なんてキラキラしたものよりとにかく楽そうなやつがいいんだけど、あるかな?


野球部やサッカー、陸上テニスにバレー、バスケだなんだと次々運動部が紹介されていく。そして待ちに待った文化部のターンである。


調理部、科学部、茶道部、パソコン部と、いかにもな部活の部員がアピールして壇上を去る。うーん、パソコン部とか、どうだろうか。なんかサボってもばれなさそうだし、万が一参加することになっても座ってればやり過ごせそうだ。なんてことを考えていた。ふと壇上に目をやると可愛い女の人が話し始めた。


「不思議部です!3年生が卒業してから部員は私1人です!1人も入部者がいなければ廃部になるのマジのガチでお願いします!」


めっちゃ切実!ていうか不思議部ってなんだ…?周りがざわざわと何かを話している。


「不思議…?」「そんなのパンフレットにあったか?」「部員1人って…」「あの先輩可愛い…」


疑問は尽きないがとにかく1つ確実なことは、先輩がかわいい、ということだ。可愛いな。うん。それにしても活動内容が分からなすぎるな。などと思っていると部活動紹介の時間は終わり、クラス事に教師に連れられて会場を出ていく。


放課後の時間に各部を見学する時間があるらしい。気になったとこを一通り見学する…が、まずはアレだ。不思議部だ。担任に配られた校内案内図によると不思議部の活動場所は特別教室棟の1部屋だ。なんかやけに隔離されてるというか他の部室が離れてるというか…まあ、行けば分かる事だな。見まわすと既にクラスメイト達は各々見学に行っていた。俺も慌てて例の部室に向かう


さて、ここが不思議部の活動場所な訳だが、やはり遠いな。それにボロい。周りは普通なのだが明らかに1部屋だけ異様な存在感を放っている。ここは行くべきか引くべきか…いや、引こう。怪しすぎるな、流石に。うん。と、自分を言い聞かせながらくるりと後ろを向く。


「あっ!きみ!新入生だよね?見学に来てくれたんだよね?」


しまった見つかった!ひとまず見学するだけして関わらないようにする方向性で行こう。隙あらば逃げ出す方針で…


「よかったよー1人でも来てくれて!これで1歩前進、かな?ささ、入って入って!」


うーむ…何も言わないのに話が進んでいく…さらに部室に入れられてしまった…


「あのー先輩、まずひとつ伺い事があるのですが。」


「ん?なになにー?なんでも聞いて!」


「不思議部とは何をする部活なんですか?」


「んー、まあ簡単に言うと不思議なことを探究するって感じかな!」


「不思議を探究とは具体的には…?」


「決まってない!」


「は?」


しまった。素では?と言ってしまった。本気で意味がわからない。結局何をする部活なんだ。


「うーん、でも本当に何も決まってないの。ポスターでも作ろうかな。」


「じゃあ今日のところはここで…」


よし、もうここには近づかないようにしよう。俺はそう心に決めて帰った。幸い、部活動見学する期間は1週間ほどある。その間に他の候補から何か良さそうなものを見つけよう。やはりパソコン部か?いなくてもバレなさそうだ。


翌日の放課後、俺は不思議部以外の部室を見て回り、ある程度目星を付けていた。


「もう他に見るものはないな。」


さて、帰るか。と思っていたら何やらおかしな貼り紙を見つけた。


「あの話題の部活動室この先→」


あの話題の…?なんだろう。嫌な予感がする。矢印に従ってみるか…曲がり角の辺りになにか見えるな。


「あの話題の超絶楽しい部活動室この先→→」


超絶楽しいと来たか。もう少し追いかけてみるか。


「うわぁ…」


矢印の先、俺が見たのは壁一面の貼り紙だった。


「ここは不思議部」


うん、まあ読めてたな…ポスターってこれか…よくこんなに作ったな。


「あっ!きみ!新入生だよね?見学に来てくれたんだよね!?」


すっげえ既視感。俺は走り出した。


「違います!」


「あっ待って!」


併走してくる!?こいつ…できるっ!


「君、昨日も来てくれてたよね!」


走りながら話しかけてくる!?何だこの超人は!


「ハァ…ハァ…まぁ!そうですね!」


もう…体力の限界だ!


「ゼェ…ハァ…」


「きみ、やっぱり昨日来てくれた子だよね!」


息切れもしてない…俺結構ガチで走ってたんだけど

そして俺は確信した。俺は…この先輩から逃げられない。


「入部してくれるのかな?」


「はい…入部届け…謹んで提出させていただきます…ハァ…ハァ…」


「やったぁ!部員1号確保ーっ!あ、2号か。1号は私だもんね!」


こういう経緯で俺は不思議部とかいう奇妙奇天烈摩訶不思議な部活に入部することになった…

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