表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/39

占い


 みんなは占いとか好きだろうか。俺は結構占いは信じるタイプで、雑誌で特集が組まれていたら密かにエシャーティとの相性を占って一喜一憂したりしていたりする。キモとか言わないでくれよ?

 さて占いの中にも人と人の相性や未来を占うものだけでなく、ペットとの仲を教えてくれるものもあったりする。ということは言葉や思考が通じないイヌネコより圧倒的に話の通じる吸血鬼が相手なら、すんなり占いができるはずだ。


「ゴロ〜、これでいいの?」

「よしよし、5枚取ったな」

「ふかふかも〜」

「はいはい、ふかふかはこっちね」


 ジョーカーを抜いたトランプの山から3人で5枚ずつ好きなように取り、裏返して2枚ずつ他の者と交換する。すると手持ちのカードの数字やら絵やらで他の者との相性がわかるのだ。


「これどうやって見るの」

「まずは絵による相性診断をしよう。カーミラの血液型は?」

「血液型!?」


 血液型がAならスペード、Bならクローバー、Oならダイヤ、ABならハートが自分に該当する。そして場にいる他の者の持ち札に自分の該当する絵が多ければ相性がよく、逆に少なければそいつは相性が悪いということになる。ちなみに俺はA型なのでスペードだ。


「け、血液型なんて分からない...」

「なに? 待てよ、ふかふかも...」

「はぁ〜、占いのチョイスがヘタ」

「精度は落ちるが結果だけ見よう」


 出鼻からグダグダになってしまったが、二人の俺に対する相性が分かれば盛り上がるだろう...


「わー、スペードが5枚だ!!」

「!?」

「ふかふかもスペード5枚!!」

「二人とも俺と相性最高ってことになるな」

「んまっ当然の結果。ねっふかふか〜」


 しかし13枚しかないスペードのうち10枚も引き当てるとは凄まじい確率である。ていうかふかふかよ、お前俺のことが好きだったのか。あとでかわいがってあげちゃうぞ、こいつめ。


「ゴロのはどんな感じ〜?」

「俺のは各種1枚ずつある」

「あっ、スペードだけ2枚」

「八方美人...八方美人だな」

「でもほとんど全部Qだねぇ」


 カーミラが数字に食いついたので、もう一つの占いの方の結果を見よう。こっちは出た絵と数字の合計数を使うので血液型は関係ない。

 俺の持ち札で解説すると、クローバー、ダイヤ、ハートの合計はQ1枚なので12。スペードはQと8なので20。これを他の者の持ち札の合計と比べて相性や優劣を求められるのだ。


「私はスペードが35だね〜」

「ふかふかは...34!?」

「フッ...勝った!」

「すごい引きだわほんと」


 スペードは他の者との寿命差をあらわしていて、多いほうが長生きできるらしい。俺は20なのでカーミラたちより短命ってことになる。逆に二人は1違いなのでほぼ最期まで一緒ってことだろうか。


「ぶーぶー。ゴロなんでそんな低い」

「吸血鬼とモノ相手じゃ分が悪いわ」

「ちなみに他の絵だと何が分かるの?」

「そうだな〜ハートならカリスマの差が、クローバーなら魔力差が、ダイヤなら経済力の差が分かる」

「うう、カリスマでゴロに負けた...」


 いや違う。持ち札にない場合は他の者との差が大きすぎて優劣の差をトランプの数字だけで表せないのだと雑誌に書いていた。それはつまり、カリスマ性と魔力はとんでもなくカーミラが高いが、経済力という点では一国家の英雄であり国王からお金を援助されまくってる俺と比較すると無一文に近いカーミラは低すぎたのが原因だろうか...


「へぇ。じゃふかふかはオール0なんだ...」

「まあそうなるな」

「ふかふかは気分を害した。ゴロ、ふろ!」

「はいはい、洗いますよご主人サマ」


 お気に入りのふかふかが占いに無慈悲な結果を下されて不服なのか、ちょっとムスッとしてる。ブツブツとなにか言っているが、きっと俺には関係ない事だろうから俺は台所でふかふかを洗って聞き流すことにした。風呂場で洗うほうが楽なのだが、カーミラが血浴みの用意してそのままだったので、とてもふかふかには見せられない状態だ。


 ちゃぷちゃぷとふかふかにお湯を掛けて可愛がる。


「...でもふかふかはドラゴンの鱗でおめかししてるから、カリスマはゴロより高い」


 なんか言ってるけど聞こえないなぁ。


「経済力だって、カジノのコインを換金すれば私のほうが...」


 なんか言ってるけど聞こえないなぁ。


「だいたい寿命だって、私がシモベにしたから延びたようなもので...」


 なんか言ってるけど聞こえないなぁ。


 ...いや待て、なんかサラッとすごいこと言ってるぞ。


「まあいっか。おふろ〜」

「おふろ待て。ストップ」

「えー、もう占いはいい」

「いや寿命。俺の寿命よ」

「わ〜、おふろおふろ〜」

「うわ、パンツ脱ぐな!」


 俺のブロックをあろうことかパンツを脱ぐことで崩したカーミラ。しかも脱いだおパンティはふかふかが浸かっている桶の中に律儀に入れていきやがった。いやそりゃ洗う、洗うけどもね。毎日カーミラのパンツなんて洗ってるけど、脱ぎたてを洗うのはちょっと俺には刺激がね?


 結局カーミラの自由奔放な動きに翻弄されてシモベになったら寿命が延びる云々は聞けずじまいのまま彼女は就寝してしまった。寿命が延びるのは素直に嬉しいから詳しく教えてほしいのに...


カーミラ「ゴロの持ち札...」

ゴロ「Q4枚と8が1枚だな」

カーミラ「数字の合計が56」

ゴロ「ほんとだ! すげえ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ