~疑問符編~
~事件編~の続きです。ぜひ読んでみてください。
気が付いたら俺は病室の一角にいた。何が何だか覚えていない。だんだんと視力が回復してきた。事の重大さに気が付くまでどれほどかかっただろうか。俺は家の前で気を失っていたところを近所のおばさんに見つけられたらしい。これは本当に現実なのか。窓の外で何が起こったのか。疑問符ばかりが脳裏に集まっているときに隣のおっさんが特大のくしゃみをした。何とも言えない・・・。サイレンが鳴る夜を俺は明かした。
朝、両親が顔を見せた。二人とも青ざめている。《ヤバい》瞬間的に空気を読み取り、俺もうつむいた。父は唐突に「宙斗が死んだ。自殺だ。」と告げた。嘘、、、瞳から水が流れた。しょっぱい。宙斗が死んだ。生意気な宙斗が死んだ。友達が死んだ時よりもつらかった。何もかも捨てたい。何もかも投げ出したい。どうして宙斗を救えなかったのだろう。悔しみの涙が頬を伝る。思いっきり叫びたい。俺はこの日絶望のどん底に落とし込まれた気がした。《隣のおっさんよ、もう一度くしゃみをしてくれ》笑い事じゃないけど、この気持ちを吹き飛ばしてほしかった。でもなぜ死んだんだ。「でもなぜ死んだでもなぜ死んだ?」再び哀しみより疑問符が襲う。《いじめ?》宙斗は生意気だったがストレスがあるようには感じられなかった。ほんとに自殺なのか?疑問を抱いているのを察したのか父は、「お前も大変だし、父さんも母さんも仕事が忙しいからお前はおじいちゃん家に行きなさい。荷物はもう渡してある。」と言って出て行った。「自分の息子が死んだのにずいぶん冷たいんだな。」俺はぽつりと言った。でも待てよ。じゃあ家から出てきた、半ぐれ集団は何だったんだ?この事件本当に自殺なのか?・・・
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