用語説明
この作品の世界観、及び用語を説明します。
今後、新たな用語も追加されてる可能性もあります。
『異世界・フィスティリア』
この物語の舞台となる異世界。
中央の温暖大陸『フィアラム』、西の平原大陸『ストライム』、東の山岳大陸『ティエーレン』、北の極寒大陸『リテュア』、南の熱帯大陸『アクアマリナー』の五つの大陸から成り、各大陸の周囲は海に囲われた世界である。
各地には魔獣を始め、霊獣や妖怪、龍種といった人に害をもたらす存在が数多く生息しており、人々はそれに抗うために力や技術を求めている。
その一つが本来なら害悪でしかない魔獣達との契約である。
契約を果たした魔獣達は『契約獣』と呼称され、人々との共存するようになってその内包した力を人々に与える。
魔獣達の力と、人間の知恵を合わせることで様々な技術を発展させた世界でもある。
また、五大陸の各地には古の時代に栄えたと言われている古代文明の遺跡が点在している。
『フィアラム』
この世界に中心に位置する大陸。
この大陸は『フィアラル王国』が統治しているが、各地の細々とした管理は貴族達に任せている。
大陸の中心地には王都『フィアリム』があり、その周辺には平地が広がりつつもその先は森で囲われていて北端は山岳地帯が北からの寒波を防ぎ、南端は砂漠地帯が広がり、東は渓谷地帯が点在し、西は森林地帯が続くといった具合に他の大陸からの影響も少なからず受けた環境状態となっており、そんな各地には大小様々な集落があって人々はその土地に合った生活を送っている。
四季を通して比較的温暖な気候であるため農産業も盛んであり、他にも中心大陸という利点を活かした物流にも力を入れている。
温暖な気候と様々な環境が整っているので、他の大陸よりも魔獣達の種類がかなり豊富であり、主に集団活動するような種が数多く生息しているものの、中には単独行動を好む魔獣や霊獣、龍種などの個体も存在している。
『ストライム』
この世界の西に位置する大陸。
この大陸は『部族連合』という多数の部族が各地に縄張りを設け、それぞれの部族がその縄張りの治安を守っている。
特定の都のようなものは無く、移動民族のように月に一度は縄張り内の別の場所に移り住む部族もある。
年に数度、部族の長達が集まって会合を開くことがあるが、場所が不確定な部族も多いので、大陸の中心地点に集まるように決めている。
大陸全土がほぼ平原となっており、各地の所々に丘がいくつかある程度の起伏しかないのも特徴で、そういった環境だからか家畜を放牧している部族も多く、民家は基本的に魔獣の皮を用いたテントのようなものとなっている。
見晴らしが良く広大な草原という立地のため、生息している魔獣は群れで行動する種類が多く、霊獣や妖怪、龍種の存在は少ない傾向にある。
『ティエーレン』
この世界の東に位置する大陸。
この大陸は『高天ヶ原』と呼ばれる国が統治しており、独自の文化を築いている。
大陸の中心部には円状の山脈があり、その盆地に当たる部分には大地の都『須佐之男』、山脈北側の山頂には天空の都『天照』、山脈南側の洞窟内には叡智の都『月詠』の三つの都があり、その他の集落は基本的に山脈の各地にある盆地にあることが多いが、海沿いの地域に集落を開拓する者もいる。
大陸全土の殆どが山岳地帯となっており、各地には大小様々な盆地があって中には湖となっているものもある。
主な産業は独自の農業と漁業を主流としている他、鍛冶屋や鉱山採掘などにも力を入れている。
この大陸に生息している魔獣、霊獣、妖怪、龍種は単独で行動する種類が多く、空を飛べるような魔獣なども多い傾向にあるのが特徴である。
『リテュア』
この世界の北に位置する大陸。
この大陸は『リデアラント帝国』が統治している。
大陸の中心地には帝都『リティア』があり、周辺は雪と氷で覆われている極寒の地となっている。
極寒の環境に対応すべく古代文明の技術を研究しており、そこで得た機械技術を用いて発展してきた国でもあり、その技術は他の大陸にもある程度は公開している。
帝都はその機械技術の粋を集めて建造されており、ドーム状の結界の中に都市があるような感じとなっている。
また、帝都地下には古代文明の遺跡があり、まだ未発掘の代物が眠っているとも言われている。
大陸全土が雪と氷で覆われており、何処へ行くにしても防寒対策は必須であるが、帝都以外の集落となると数える程度しかなく、しかもそのどれもが大陸に点在する遺跡を管理しているような集落なので、余所者に対して風当たりが厳しい面もある。
この大陸に生息する魔獣達はいずれも耐寒能力を持つ個体が多く、氷結系の能力を有する個体も存在する。
『アクアマリナー』
この世界の南に位置する大陸。
この大陸は『ネオアトランティス王国』が統治している。
大陸の中心地には王都『アトランダム』があり、周辺は南側に密林が生い茂り、北側に砂漠が広がっている。
北側の砂漠地帯にはオアシスもいくつか点在しており、そこに集落を築き上げた人々もいる他、南の密林側にも集落を開拓しようと動きがあるが、魔獣達の生息域でもあるためにあまり手が付けられないというのが現状でもある。
主な産業は北側の砂漠地帯とその先の海辺を利用した観光業であり、宿泊施設や娯楽施設なども数多く点在している『リゾート大国』としても名を馳せている。
この大陸に生息している魔獣達は群れと単独行動の両方の特性を持つ他、海辺に人が集まる都合上、海洋系の魔獣達も陸に上がることが珍しくないのも特徴。
『魔獣』
魔力を持つ生物の総称。
姿形は様々な獣や鳥類、魚類などと多岐に渡る。
人を襲うのは自らの生きる糧を得るためでもあり、人の血肉を貪り喰らう性質を持つので、人から見た危険度は身近にある分、龍種よりも高い。
他の生物よりも圧倒的に数が多く繁殖もしやすいため、色んな所に生息していてその土地に合った進化を果たしている。
魔力を持つため、知性が発達した個体は魔法を扱うことも出来るようになるが、自然界でその域に達するのは稀であり、魔法を習得出来るのは契約獣になってからの方が圧倒的に多い。
『霊獣』
霊力を持つ生物の総称。
姿形は魔獣と同じ多岐に渡るが、扱う力と生態が異なる。
他の生物と異なり、積極的に人を襲うことは無いが、人が害意や敵意を持って接するのであれば自衛のために襲うこともある。
龍種程ではないが寿命もそれなりに長い種的な性質なのか、基本的に単独行動する個体が多い傾向にあり、群れで行動しそうな獣の姿でも単独で行動していることが多い。
魔獣と異なり、知性の発達が高く契約獣になる前から霊術を扱える個体が多いのも特徴。
『妖怪』
妖力を持つ生物の総称。
姿形は基本的に人型に近しい存在が多く、中には獣や合成生物などといったモノも存在している。
人を襲うのは人の持つ生気を奪って糧を得るためであるが、魔獣と違って血肉を貪る必要はなく、必要最低限の糧を得られれば解放することもある。
霊獣と同じく知性の発達が高い方なので、自力で妖術を扱える個体や妖力の使い方に秀でた個体もおり、特殊な体質や特異な能力を持つ個体も多い傾向にある。
また、その性質上、住処は人里に近しい場所か、人里に紛れ込んでいることもある。
『龍種』
龍気を持つ生物の総称。
姿形は一般的にドラゴンと呼ばれているものを忠実に再現しているが、二足歩行型、四足歩行型、飛行型、飛竜型、東洋型、特殊型といった具合に種類がそれなりにあるのが特徴。
基本的に縄張り意識が高く、自らの縄張りに侵入しない限りは人や他の生物を敵視しない(というよりも興味を持たない)特性を持つ。
種類は多く見えるが、絶対的な個体数は他の生物よりも少ない。
理由はそれぞれ己の力に絶対の自信を持つことと、人や他の生物よりも寿命が長いこと、繁殖行動をあまり積極的に行わないことが要因となっている。
『契約獣』
人と契約することでその名前を変えた魔獣、霊獣、妖怪、龍種の新たな呼称。
人と『契約』を果たすことで魔獣達は人との共存を考えるようになり、人に対して己の持つ力を貸し与える。
力を得た人は野良の魔獣達に対して有効な対抗策を得ると共に、その力を用いた各種の技術躍進にも繋がっていたりするなど、今の文明には契約獣の存在も大きく貢献していると言える。
また、契約獣を軍事利用する国も当然ながら存在し、各大陸を統治する国は契約獣と共にいる人材を積極的に勧誘したりもしている。
今でこそ契約獣という存在は認知されているが、一昔前(各国の正式な発表前)までは魔獣達を連れた異端の存在として人々から恐れられていて肩身が狭かったという。
しかし、それでも未だ契約獣を危険視する風潮は各地で見られており、中には契約獣とそれを伴っている人を集落へ入ることを拒否する集落も存在している。
『契約』
魔獣、霊獣、妖怪、龍種と特定の条件下でのみ魔獣達に対し、人が行える特別な儀式。
その条件というのは未だ解明されておらず、人によって発生する条件が異なるのはもちろん、契約する魔獣達にもその契約を受けるか受けないかを決める意志があるので、条件が揃ったからと言って必ず契約出来るとは限らないのが現状である。
契約の解明が難航している中、最近になって一つだけ判明したことがあり、それは『信頼関係』である。
いずれの契約でも人と魔獣達の信頼関係が示唆されており、実際それは重要な要素となって契約を果たした者達は契約獣のことを信頼している場合が多いことが判明している。
『契約紋』
魔獣、霊獣、妖怪、龍種と契約した証。
契約を果たした魔獣達を表す刻印が体のいずこかに現れる。
人によって現れる場所は異なるが、契約した契約獣の強さに応じて刻印は大きくなる傾向にある。
この刻印を通して人は契約獣から力を得られることが出来、それらを用いることで文明の発達にも貢献してきた。
刻印は基本的に消えることは無いが、契約した人物、もしくは契約獣が死亡すればその契約は破棄されたものとして扱われて消えることもある。
また、双方の信頼関係が崩れて心が離れ離れになった時や特別な技法で契約が消える例もあり、その後は契約獣は元の魔獣達の存在へと戻る。
『魔力』
魔獣が持つ力。
魔力の元となる魔力素は大気中に存在し、魔獣は呼吸でそれを体内に取り込み、『魔臓』と呼ばれる体内器官に魔力を溜め込んでいる。
溜め込んだ魔力は魔獣時代は基本的に生まれ持った属性に変換して牙や爪などに付与させて行使するしか出来ないが、知性が発達した野生の個体や、魔獣と契約した人、契約獣となった個体は魔力を用いて『魔法』を行使することが出来るようになる。
また、魔法を行使するには魔導学問の知識も必要になるので、魔獣と契約したからと言って簡単に習得出来るものでもない。
『気』
人が持つ力。
人が元来から持つ生体エネルギーで、命の波動とも言える力。
普通の人は気を知覚することもなく過ごすが、ごく一部の人は生まれ持って知覚することもあるという。
この力を知覚するには何かしらの武術の初歩を習得する必要がある。
主な使い方は身体強化による格闘術であるが、中には武具に気を通してその威力や硬度を上げるといった使い方も存在する。
また、気を整えることで体調管理を行う技法もある。
ちなみに生体エネルギー故に属性という概念は存在しない。
『霊力』
霊獣が持つ力。
この力は霊獣の体内で生成される生体エネルギーのようなものである。
最大の特徴は霊的、もしくは非実体的な存在に対して効力を発揮することで、発動した魔法や妖術などを防いだりする防御的な力である。
主な活用法は結界術による防御だが、他にも様々な効力を発揮する『霊術』という分野が存在し、攻守共にバランスの取れた力とも言われている。
また、霊力には浄化の力も秘めており、個体によってその浄化能力は異なるのも特徴である。
霊力も先天属性の影響を受けやすい面もある。
『妖力』
妖怪が持つ力。
この力は妖怪の体内で生成される生体エネルギーのようなものである。
最大の特徴は力の変質性であり、妖力を筋力や速力といった運動エネルギーに変換したり、妖力を通した自らの肉体組織を別のモノへと変質させることが出来る。
妖力を得た者は大抵の場合、その力を筋力か速力に変換することが多いが、それは『気』でもある程度出来ることなどで、本来はその変質性を活かした利用法を妖怪から伝授される方が賢い。
また、妖力を魔法のように術変換した『妖術』というのも存在するが、これも魔法と同じように妖術に関する知識が必要となる。
ちなみに『気』と異なり、その変質性によって先天属性も扱えるようになる。
『龍気』
龍種が持つ力。
この力は龍種にとっての生体エネルギーであるが、その質は他の力よりも圧倒的に濃い。
他の力のように術変換は出来ないが、その代わりに龍種固有の攻撃法である『ブレス』やその圧倒的な質の龍気を周囲に撒き散らす『威圧』、力を怒りのままに解放する『逆鱗』といった代表的なものがある他、個体によっては龍気の扱い方も異なるのが特徴的である。
龍種と契約した人が龍気を扱うにはかなりの時間を要し、最低でも『気』の扱いを熟知していないと体が龍気の圧倒的な質に耐えられず暴発してしまうこともあり得る。
そのため、龍種との契約は非常に困難とも言われている。
龍気もまた先天属性の影響を受けやすい性質を持っている。
『先天属性』
魔獣達に備わっている体質や特性の一種。
基本的に魔獣達はその生息環境によって生まれてくる時に属性の才能と耐性を得ることが多く、特にそれが顕著に表れるのが『リテュア』である。
こうした属性に対する才能と耐性は魔獣達一匹に対して原則的に一つというのが通例であるが、中には稀に複数の属性を扱える個体が生まれることもある。
また、人は全ての属性に対しての素質を持っているが、それが開花することは基本的に無い。
何故なら人が元来持つ『気』には属性という概念がないからである。
但し、これには例外があり、契約獣と契約した場合に限り、契約獣の持つ特性が契約紋を通して人に影響を与えるので、本来なら開花しないはずの属性に対する才能や耐性が開花するのである。
ちなみに属性というのは『烈火』、『流水』、『疾風』、『迅雷』、『大地』、『氷結』、『閃光』、『暗闇』の8種が存在している。
『古代遺物』
古代文明の遺跡で見つかる道具の総称。
今の時代では再現不可能と言われる特殊な道具などを指しており、不思議な力や機能を宿していることが多い。
主に遺跡で発見されることが多いが、盗掘に遭ってはガラクタと一蹴されて裏市場に回ることもしばしば。
そういった価値がわからない者達には無用の長物だが、時折その力を知って自分で使う者もいたりするので、裏市場ではそれなりに高値で売買が行われている。
また、リデアラント帝国はこれらの回収に特殊部隊を用いることもあるという。
『エクセンシェダー』
古代文明が造り出したと言われる黄道12星座を模した『古代遺物』の一種。
今の文明では考えられないような高度な技術で造られており、鎧型5機、生物型7機という具合に分類されている。
今の時代、リデアラント帝国の最先端技術でも到底模倣出来ないと言われている古代文明最高峰の技術の塊ともいえる代物である。
その性能は高水準であり、使い方次第では他国への牽制にもなるし、自国を滅ぼす劇薬にもなりうる危険な存在でもある。
現在は各大陸で何機か発見されているが、国のトップシークレットとして厳重な封印を施されていることが多い。
唯一リデアラント帝国は研究対象として色々と解析しようと試みているが、現状ではその技術力の高さをただただ見せつけられているだけで難航、というか出来ないでいる。
また、エクセンシェダーにはそれぞれ意志と呼べるモノがあるらしく、己の使用者を自ら選定することが発見された何機かの証言で判明している。